感想を書いてみるのです。
これまで多くの諸先輩方が、『感想』についてのエッセイを書いているのですが、その中でも特に印象深かったのは、
『一言感想など、作者はもらっても嬉しくない!』
と断言しているやつですね。
実際は、その後に『その一言感想に少し加えるだけで、素敵な感想に早変わりします!』的な言葉が続いていたのですが……。
その文言を読んだ直後、私、精神の均衡を欠くくらいの衝撃を受けたのですね。
最近の私は何をやっていたのか? 作者さんの嬉しくないことをやり続けていたのか? と。
ただですね、今回はそれに対する反論ではなく、
・作者さん(基準は私)がもらって嬉しい感想。
・読者さん(基準は私)が書きやすい感想。
そのふたつをテーマに、語ってみたいと思うのです。
まずは、作者さんがもらって嬉しい感想とは? です。
「面白かったです!」
シンプルで、あらゆるジャンルの感想に適していると思うのですが……。
これだけだと、物足りないのですよねえ。
できれば、どこら辺が面白かったか。作者さんは、それを知りたいと思うのです。
なので、その原文にいくつか足して、例文を作ってみましょう。
※
「恋に友情にバトルに、目まぐるしく変わっていく主人公の状況と心境が、面白かったです」
※
※
「幼馴染みで親友同士の、二人の心が通じ合っている様子が面白かったです。これで二人とも付き合ってないとか……」
※
※
「一見まじめで冷静に見える主人公の、心の声とのギャップが面白かったです」
※
※
「少し先の未来に、本当にありそうな設定で、現実的で面白かったです」
※
いかがでしょう?
作品の特徴をとらえていれば、『面白い』に一言追加して感想に書くのはなんとかなりそうじゃないです?
・どこが面白かったか。
・誰のセリフが気に入ったか。
・どのキャラクターに興味を引かれたか。
・女性のなかで、誰がかわいいと思ったか?
・男性のなかで、誰がカッコいいと思ったか?
・設定や世界観は気に入ったか?
他にも、他にも。
けれど、常日頃色々考えていなければいけないとか、そんなことではないのです。
作者さんの考え方、感じ方は、人それぞれ違います。
人間だもの。当然ですよ。
ただ、自分がもらったら嬉しくなる感想なら、ある程度の基準になるんじゃないかと思うのですよ。
感想を書く。その根底には、作品と作者さんへの良い想いが込められているといいですね。
※※※
では次に、読者さんが書きやすい感想といきましょう。
先ほどの、
「面白かったです!」
が、一番書きやすいかなと思うのですよ。
面白い、という感性は、多くのジャンルに通じると思いますから。
ファンタジーだって、恋愛だって、推理に文学に歴史に詩。ホラーにだって、どれにも通じます。
なんなら、
「すこ」「よき」
なんて、人によっては意味が通じない言葉もありますよね。
草生えるとか言われても、私だってよく分からないのですよ。
なんとなく、想像はつきますけどね。
では、先ほどの例文を参考に、いくつか書いてみましょうか。
※
「ファンタジー世界にロボットを合わせるなんて……。主人公の性格も世界観も、とても面白かったです!」
※
※
「剣一本で成り上がっていく様子が最高にかっこ良くて面白かったです」
※
※
「全体的にほのぼのとしていて、たまにシリアスがあったりして。メリハリが利いていて面白かったです」
※
こんな感じでどうでしょう?
あんまり悩む必要はないのですよ。ただ、一言添えて、ほめてあげればいいのです。面白かったですよ、と。
※※※
では最後に、よくない感想をあげてみましょうか。
これは、なろうの利用規約の方にも載っていることですが、
・作者さんの作品や人格を否定したり、
・読者の考えを押し付けたり、
・早く続き書けと急かしたり。
そんな感じです。
規約の原文を、是非とも確認しておいて欲しいのです。
とてもとても嫌ですが、ダメな例文をあげてみましょう。
※
「現実的に考えて、こんなのあり得ない」
※
※
「途中までよかったけど、面白くなくなった」
※
※
「こっちじゃなくて、あっちを早く更新しろ」
※
※
「お前やっぱり才能無いよ」
※
こんなところですかね。
どこかで見たことがあるようなものも混じっている気がしますが、気のせいでしょう。きっと。
あ、「続き、待ってます」的な感想も、プレッシャー掛けられて萎えたって事例があったのでしょうか? ダメなんだそうです。
感想を書くとき、自分の気持ちに素直になって書くことは大事だと思うのですが、では、素直な気持ちで書かれた感想を、もらう側の気持ちを想像したことがあるでしょうか?
上記の、ダメな例文を、似た感想を、どこかの感想欄で見たことは?
作者さんは、画面の向こうにある機械や装置ではないのです。生身の人間なのです。けなされたら、当然傷付きますよ?
それと同じように、誉められたなら、やっぱり嬉しいのですよ。
感想を書くとき、もらった作者さんの喜ぶ姿が想像できればいいなと思ったのですよ。
……あ、念のため、感想の書き方……というよりは、感想を書く場所が分からないという人のために、画像をぺたりするのです。
画面の下の方に、こんな感じでありますが、『感想を書く』をポチっとすると、
こんな風になって、
・良い点
・気になる点
・一言
の、三ヶ所入力できるのですが、漢字や顔文字などの記号のみだと送信が出来ないようです。
必ずひらがなが必要とのこと。
『面白』とか、『笑』とか、『良』とかでは、エラーが出てしまうのですね。
なので、ちょっとだけ気を付けて、感想を書いてみて欲しいのですよ。
好きで読んでいる作品と作者さんに対して出来ることの一つは、感想を書くことなのです。
たとえ短くとも、作者さんにとっての感想は、心の栄養だなと私は思うのですよ。
では、良いなろうライフを。
書籍化作家さんで、感想欄フルオープンの人がいまして。
全ての感想に返事しているのを見たとき、すげぇと思ったのですよ。
たとえそれが、たった一言だったとしても。
複数の書籍や新作にと、ものすごく忙しいはずの人なのに……。
そこは素直に、尊敬に値すると思った私なのでした。