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二人 始まりの物語


うわぁ俺のメインヒロイン来たぁ…

佐藤は勝手に自分のメインヒロインと決めつけていた。

夢に出てきたし、話しかけられたし、話しかけられたし

大事なことなので2回言った。

先生の話なんか全く耳に入らず、ずっと心の中ではしゃいでいる。

これもう俺の主人公への道まっしぐらじゃん!

ただの1つ重大な問題がある。それは主人公になりたいと思う人達モブは沢山いるってことだ。そんな事は今の佐藤の頭にない。

結婚か?結婚だとも!結婚だ!

とうとう心の一句まで詠み始めた。しかも結婚は決定事項。主人公とは程遠い考えである。

「じゃあ、次は体育館で始業式だから遅れないように」

始業式?俺の主人公生活の始まりの式か!

なわけない。佐藤は完全に理性を失っていた。


だが、それは佐藤だけでは無い。



おいおいマジかよ。これ完全に主人公だろ。

ヒロイン以前に女性らしくない口調である。

でもまだ主人公モブのままね。

こやつも主人公と決めつけていた。

もう独身ヒロインは卒業するって決めたの!絶対結婚する!

こちらも結婚は決定事項だった。句を詠まないだけまだマシである。 彼女も先生の話は聞かずはしゃいでいた。

「じゃあ、次は体育館で始業式だから遅れないように」

始業式?あー私の新ヒロイン生活の始まりの式ね!

考えてる事が主人公モブと同じである。



そして始業式も普通に終わり一同はクラスに戻り帰る準備をしていた。

「寄り道せずに、まっすぐ家に帰れよ。じゃあまた明日。さよなら」

と先生が言う。

「「「さようなら」」」

一同も声を揃えて言う。

よし、さっさと帰ってラブコメ系のラノベ読んで主人公について学ぼう。

佐藤はカバンを担ぎ早足で教室を出る。

あ、帰っちゃった。

そう思った。思った頃にはもう西川は佐藤の後ろを追っていた。

べ、別につけてるわけじゃないわよ。そ、そうこれは偵察よ。本当に私にふさわしい主人公か見極めるための。

と心の中で誰かに弁解する。ツンデレキャラによくある1人で言い訳して自分の行動を正当化する行事である。

ツンデレあるあるだ。

……ん?あれ?さっきまでいたのに。

言い訳している間に佐藤を見失ってしまった。

私とした事が見失ってしまったわ…ん?おるやん。

佐藤は完全に他のモブに溶け込んでいた。佐藤と西川との距離約5m。この距離で気づけないのは完全にモブである。

めっちゃモブやんけこいつ!モブ中のモブやん!

西川はエセ関西弁でツッコミを入れる。

もしや、これは私の自身がこれを主人公に育てないいけない系かもしれないわね。

どこかで読んだことがあるラノベにこんなのがあった気がした。西川はそんな事を思いつつ後をつける。誰も冴えない主人公モブの育てかたなんて知るわけもない。

よし。私が一肌脱ぐしかないようね。

そして佐藤が家に入っていくのを見届けたあと西川も自分の家に帰る。

ん?あいつの家がここ。私の家はその横。WOW

偶然にも家が隣だった。西川は硬直状態だ。

ちょ、ちょっちょ、家横〜。…マジか。

これは仲良くなったら朝一緒に登校するパターンである。これで幼なじみなら完全に出来ちゃうやつである。

よし!これから頑張るぞ〜!

心の中で意気込みを入れ自分の家に帰る。







〜佐藤宅、宏の部屋にて〜



佐藤は頭を抱えていた。

今日夢に出てきたツンデレは転入してきた。そしてもう1人は同じクラスにいる。というか2人とも同じクラス。

でもあと1人は?てかなんだこのハーレムは。俺は誰を選ぼ…まるで冒険に出る前に博士から三体のうちどれか好きな子を連れていく時のごとく迷うな〜。てか腹減ったなんか食お。

と、色々頭の中で悩みお腹が減ったので部屋を出る。

「お、なんだ香菜かもう帰ってきたのか」

ずっと1人と思ってた、よかった口に出さなくて。

「何?ゴミーちゃん。何かよう?」

ゴミーちゃんって何!?お兄ちゃん泣いちゃう。

「いや腹減ったから飯食おっかなって」

「あっそ。…何その顔?」

香菜は不満げに言う。

「俺は妹系好きだけど、ゴメンなお前は俺のハーレムには入らない。こんなお兄ちゃんを許してくれ」

香菜の右肩に右手を乗せて言う。

「は?何言ってんのこのゴミ。うざ」

もうお兄ちゃん感すら無くなりゴミ呼ばわりされる。

「せめてゴミーちゃんにしてお願い…」

半泣きで言う。宏のHPはもう1しか無い。

「うっせーよゴミが。もう死ねば?」

一撃必殺。オーバーキルすぎる。こんな口の悪い妹がいる事実が今は悲しい。


『神は言っているここで死ぬ定めではないと』


あれなんのセリフだっけ?てか死んでないし。

「あ、そうだ香菜」

「あ?何?」

怖え〜つい土下座しそうになった危ねぇ。

「冷蔵庫にあるプリン食っていいぞ」

「お兄ちゃん大好き!」

一瞬で兄への扱いが変わった。

プリンに救われた…でも香菜が幸せならそれでいいか。

そんなことを思いながらキッチンへ向かう。

よし、明日からも頑張るか。

と心の中で気合いを入れた宏であった。

妹口悪!宏が可哀想と思い始めた俺氏。

さて、二人の物語が始まりました。主人公への道は一筋縄では行かない!

ぜひこれからもこの作品を応援してください!

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