世間はモブ厳しい
世間はモブ厳しい。俺はそれを昔から味わっている。
現代のアパルトヘイトと言っても過言ではない。
主人公はチヤホヤ、キャッキャウフフ。
モブは画面の端っこで立ってるだけ、セリフ無し、何のイベントも無い。
これは俺が小学生の頃、商店街で歩いているとサブキャラが歩いていた。俺は話しかけようとした。その時、
「駄目よ!動いたら駄目!」
と小声で言われ振り向くと、近所の婆だった。
「今、サブキャラ様の回想シーンなの。下手に動いたらモブですらなくなるわよ。」
何言ってんだこのババア?
俺はそう思った。
は?モブ?俺、主人公だろ?
そう思ったが、俺はチキンなので口には出さなかった…
「ふぅ〜、もう行ったわね。コラ!駄目じゃないの!モブの分際で出しゃばったマネしたら」
と怒鳴られる。
「おい!坊主!どういう教育受けてんだ!」
魚屋の店主だ。
「困ったものね。最近のモブは若者は」
とんかつ屋の婆も続けて言う。
周囲の人が俺に説教をする。およそ3時間。
そこから8年間俺はしっかりモブとして過ごした。
だが、俺は高校生!主人公になるならこの時期!モブ卒業してやる!覚えてろ商店街のモブ共!
―――――――――――――――――――――――――――――
今回は一応このラノベの主人公の過去編です。
次はメインヒロイン編です。
モブは辛い。