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07 呪文作成。

 7話


 この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。





  ならどうするか?


  簡単な呪文で有効な使い道のある呪文を作成すればいいのだ。


  起動すると目の前に、呪文名、呪文の効果、条件、決定ボタンの欄が現れた。





  呪文名 「フー・アレ」


  呪文の効果 火を生み出すことが出来る。





  いいね。いいね。定番だけど、これで決定。


  俺は決定ボタンを押した。


  なんだか、急に肌寒くなって逃げ出したくなったぞ?


  本当によろしいですか?

  はい。いいえ。


 と、確認が出た。少し迷って、はい。を押した。


  いつのまにか、身体中から嫌な汗が大量に出て、逃げ出したくなるような、全身がやめろと叫んでいる。震えが止まらない感覚がする。恐怖を感じた。


























  これで本当によろしいですか?


  はい。いいえ。





















  目の前に無機質に表示が出た。すぐに、いいえ。を押した。


  呼吸が自然と激しくなっていた。


  …なんだ。…これは。…あぁ。はい。を押してはダメなやつだ。


  昔、パソコンが、デンという警告音を思い出すような、地震速報のメールが来た時のような、嫌な感じだ。押したが最後、最悪な結末しかこないやつだ。未だに、身体が震えてる。やばい。泣きそうだ。


  そんな時、頭の中に「メールだよ。メールだよ。」という、神様ボイスのメール着信の音が聞こえた。思わず、ビックリした。


  メールか。嫌な予感しかしないが、俺は深呼吸してからメールを開いた。


「ハロ〜。諸君元気にしてるかね〜。久しぶりにメールを送ってみたよ。寂しかったかな?どうかな?あぁ!赤ちゃん生活が大変でそれどころじゃない?そっかぁ〜。そりゃ、そうだね!」


  相変わらず神様は、BGM付き、立体化したフォログラムでうざい感じで元気にドヤ顔で喋っていた。


  俺の不安感を置き去りにしていった。


「いやぁ〜。やっと、呪文を作成してくれる気になったね。このままなら、作れ!ってメールしてた所だよ?もう、してるけどねwww」


  うぜぇ。その一言につきる。


「前置きが長いとメール読まれないから、本題に入ろうかね。呪文とデメリットを知ったみたいだね?条件ってなんだろうね?疑問だよね?そこで!なんと!特別に!教えてあげるよ!いやぁ〜。怖がって呪文作成してくれないと楽しくないからね〜www」


  ケラケラ笑ってやがる。


  本当にこの神様はいい神経をしている。悪い意味で。でもって、明確に否定できないのもムカつく。会う機会があれば、殴ってやる。


  神様は真面目な表情をして語り始めた。


「条件は簡単に言えば、自分が不利になるように呪文を作ることさ。」


「例えば、火の攻撃魔法って限定して、条件は、最大直径10センチの球体範囲の大きさ。魔法力の消費は1発、2割から5割。1日3回まで。って感じにすれば、デメリットが1番軽くて、強い呪文も使えるよ。やったね!」


「2回目の確認と恐怖を抱く。なんて、そうそう出ないんだよね。この世界の人は呪文作成の恐怖をよく知ってるからね。そ〜の〜ま〜ま〜、警告無視して作ってたら、君は痔が徐々に癌に発展して死んでたね。赤ちゃんなのにね。」


  神様の言い方は、軽いのに耳に残る言葉だった。


  痔とはそんなに恐ろしい病気なのか。比較的誰でもかかって、治る病気では無いのか?


「ぶっちゃ、火を生み出す。なんて、漠然としすぎ。そんな、ステキな能力は相応のデメリットがおそいかかる。万能な力なんて簡単に手に入らないものさ。死ぬかもしれない代償が必要。それが、この世界のルール。私の気分次第のところもあるがね。」


  真面目な表情から一変。ニヤリと笑ってお気楽に神様はこんなことを言った。


  あ、ものすごくやな予感がするのが確信に変わった。


「普通なら相応のデメリットで苦しんでもらう。しかし、しかしだよ。私は君の神様のおススメを使わず呪文作成をした!進んで私を楽しませようとする、その気持ち!猛烈に!感動した!その勇気を讃えて、特別に!君のデメリットで1番軽いもので呪文作成を了承した。フッ…。礼はいらない。」


  ありがた迷惑だ。ドヤ顔するな!やめろ?やめてくれ!神様を楽しませようとか全く考えてなかったから!呪文作成完成したのかよ。「いいえ。」をちゃんと押しただろ?


「誠に勝手ながら、呪文に勝手に条件をつけたからね!」


  何してんだよ!神様!ふざけるな!


「このメールが終わる時。呪文作成は完成する!では、アディオス!」


  中指と人差し指だけ立てたキザな敬礼をした立体化の神様は消え、メール画面だけがそこにはあった。


  本人と会う機会があったらぶん殴る。絶対だ!


  そんな決意をした時、お尻にズキっとした刺激がきた。

  何だこれは?お尻が痒いような、痛いような、ムズムズする感じがするぞ。


  さらに、メールの着信音と共にメールが届く。速攻で開ける。普通の文章のみだ。




 差出人 GM(ゴッドマスター)

 宛名 シーリィタ・ワンダー


 件名 呪文作成完了通知


 本文


 拝啓


 シーリィタ・ワンダー殿


  以下の通りに、呪文作成が完了したことをお知らせします。





  呪文名 「フー・アレ」


  呪文の効果 火を生み出すことが出来る。


  条件


  本人固有条件


  1.痔は自分では治せない仕様になっている。

  2.痔になりやすくなっている。

  3.呪文のデメリットや条件が伝えられない。


  発動条件


  4.最大直径30センチの球体サイズの範囲で使用可能。

  5.魔法力の消費は1発、1割使う。上限なし。


  デメリット


  呪文の威力や範囲に比例した痔になる。


  敬具



  追伸


  かなり、オマケしといたよ。じゃね!



  こうして俺の最初の呪文作成は勝手に神様に決定されたのであった。

もしよければ、感想、ブックマークなどよろしくお願いします。ソフトにお願いします。

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