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03 大事なことは先に聞いときなさい。

何もかもが初めてなので優しくしてくれると嬉しいです。

3話


 この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。








  神様は真面目な表情でこう答えた。


「テクノブレイクだね。」


  俺が思考を停止したので話が進まなくなった。


「あ〜、固まっちゃった。疲労やストレ、その他諸々、色々な要因が重なって本当に奇跡的に起きた事故だね。普通はそれだけじゃ起きないよ。それこそ、一日中頑張らないと無理だね。むしろ、そんな猿みたいなヤツは選ばないよ。ナニをとは言わないけど。ナニをしたのが原因なのは確かだけどね〜。」


「だから君は哀れな死に方をしたから選ばれたんだよ。」


  神様は淡々とそんな言葉を口にした。神様なりにフォローしてくれたんだろう。


「ちなみに、原因が原因だから私にまわってきたってのもある。本来、女神様がいる異世界に転生するんだけど…まぁ、酷だろうお互いに。」


  俺は神様の言葉に素直に頷くしかできなかった。死んだことより、転生することより、何より死因が1番ショックだった。


「さて、いい加減話を進めよう。まきでいくよ〜。」


  神様は数分黙っていてくれた後、そんな言葉を発しながら説明をしてくれた。

  今はこの独特の話し方がありがたかった。


「実は、あまり時間に余裕がないんだよね〜。具体的には、後10分位だね。それ以上延ばすと君の魂が新しくリセットし始めちゃうんだよね。本当は、呪文とデメリットを決めて、さっさと、転生する予定だったんだけど予想以上に話してしまったからね。」


「本来なら何も知らないで、いきなり赤ちゃんスタートだったんだよ?もちろん、メッセージは添付するつもりだったけど。」


  神様は空中にスクリーン上の画面を浮かべ、空中にあるのとは別のキーボード上の画面にタイピングして忙しそうしながら喋っている。


  衝撃の事実である。残り時間少ないな。それに、なぜ転生スタートにならなかったのか?俺は気になった。


  そんな思考を読んだのか神様は答えてくれた。


「そっちの方が面白そうだったからだよ。私はね、何も慈悲だけで君を私が管理する異世界に転生させるんじゃない。世界の管理なんてすごい仕事だが、ストレスだって貯まるんだ。だから、君が私の世界でおもしろおかしく生きてくれるのを何よりも楽しみにしている。」


「生きているだけで面白くもならないと思うんだけど?」


  何をすればそうなるのかがわからない。ちょっと悩んでしまう。


「その為のイベントだってちゃんと用意して、告知してあげるよ。面白く生きてたらそういうのはあんまりしないかもね。」


  そんな思考を読んだのか、忙しそうにしながらも神様はそう答えた。


「つまり、神様を笑わせればいいと?面白くなかったらコテ入れが入ると?なんか番組みたいだな。」


  俺は神様を笑わす芸人にでもなればいいか?どこまでも神様の掌の上ってのも生きている気がしないな。


「その認識で間違いないよ。でも、全てが全て私が操るわけではない。そんなことしたら、私がつまらないからね。」


「偶然の面白さを追求したいとおっしゃいますか。」


「そう!それそれ!私が関与している場合はちゃんと、どこまで関与したか説明の告知してあげるよ。それ以外は気にせずに生きてくれていいよ。何かあればこちらから連絡するからね。よろしく〜。」


  神様はニコニコしながら作業のスピードを上げた。


「ずいぶん難易度の高い異世界転生になりそうだな。ちなみに、異世界の世界観とか、この手の話によくある、異世界で使えそうなアイテムだとか、チートとか何か特典って無いのか?」


  呆れながらも俺は話を進めた。


  神様が俺で楽しむのは確定している。なら、別の方面で自分が有利になるようにしようと考えた。


「いや、教えちゃったら面白く無いでしょ?ん〜。確かに、何も無いとそれはそれで面白くないな〜。」


  はい。何も教えない、貰えない、スタートになるところでした。恐ろしい。


「せめて、有利になるスキルとか、アイテムとかくれると嬉しい。というかくれ!じゃなきゃ転生しない!」


「なんて横暴な!実は、予想済みです〜。言われなくてもちゃんと用意はしてあるよ?」


  用意はしてあったのか。どんなものを用意したのだろうか?


  俺が、それを聞こうとしたら神様が作業を止めていた。


「いや〜、時間切れです。神様オススメセットで転生しますね?玩具もセットでおまけだ!何があるかは転生してからのお楽しみ〜。いや、面白かった。この調子でよろしく頼むね!それじゃ!よい異世界転生を!」


  神様は明るい声で、大きく手を振って別れの挨拶をしていた。


「ちょっと待て!話はまだ終わって…」


  こうして、俺は大事な所を全く知らないまま第2の人生である異世界転生をした。


  神様は、何も無いハズの空間に嬉しそうに話しかけた。


「さ〜て〜、これで本作の哀れな主人公もやっっっと異世界転生した。長いプロローグも無事に終了!本格的にこの世界(物語)が動き出すわけだね。彼がどうやって(けつ)を犠牲にするのか!世界を救えるのか!今から楽しみだね。もちろん、私も参加する予定だよ。では、ぜひ、楽しんでくれ!」

やっと主人公異世界転生。いつになったらケツを犠牲に出来るのか作者にも分からない。

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