27 部隊合流とそこから。
27話
この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
そんな会話をしていると、外が少し騒がしくなった。どうやら部隊が近くにやってきているようだった。
大きな声が聞こえてきた。拡声器のようなメガホンのようなもので話しかけてるようだ。
「こちらは、ワンダー領ガネービス所属ケイロン部隊です。私はケイロン部隊隊長アルケイデスです。ワン・シー一族の救援に参りました。代表の方にお会いしたい。繰り返します。こちらは…」
「どうやら無事に合流出来たようだ。ケイロン。一緒に行くぞ。お前の部隊みたいだぞ。」
「仕方ない。行くか。俺が単独で来たから他の部隊が来ると思ったんだが…。」
「お、お伴します。」
「そうだな。レイトお前も来い。」
「はい!」
そう言って少し安堵したケイロンとビーサル・ワン・シーが外に向かった。続けて少し緊張して強張ったレイト・ワン・シーが外に出て部隊の対応に行った。
「俺がワン・シー一族の代表ビーサル・ワン・シーだ。この部隊の代表でもある。ワンダー領ガネービス所属ケイロン部隊の迅速な救援に感謝する。」
「救援部隊の迅速な対応。ご苦労。」
一瞬ケイロンがいることにビックリした反応をするが、すぐに表情を戻すと対応をするアルケイデス。
「ご無事で何よりです。補給物資等、有りますのでご確認下さい。宝石、食料等、ガネービス・ワンダー様から届けるよう指示されています。」
お互い敬礼をしてその後話し始める。
「すぐに確認しよう。すまないな。」
「はい。あの、すみません。そちらの方とお話しさせてもらっても?」
「あぁ。ケイロン殿には助けられた。彼がいなければ大打撃を受けていたろう。私は先に物資を見てこよう。部隊長殿はケイロン殿と話してから来てくれ。なに、ケイロン部隊の他のものに声をかけるから、ゆっくりで構わん。行くぞ。レイト。」
「了解です。」
ビーサル・ワン・シーとレイト・ワン・シーはケイロンを残してすぐに物資を見に行った。
ビーサル・ワン・シーはアルケイデスがケイロンと話すのに気を使った。ケイロンは自由過ぎるところがあるから。部下は苦労するだろうと思ったのだ。
「よう!お疲れ!」
「…大隊長何やってんですか。」
容器に話すケイロンと少し疲れたとも呆れたともいえる表情になったアルケイデス。
アルケイデスは18歳と若く部隊長になった。背も高く。体格も良い。好青年だ。
アルケイデスの部隊は比較的若い年齢層の集まりである。新人教育や適性探し、実験部隊など色々と試す部隊でもある。
「シー坊の実地研修も兼ねて、偵察だ。偵察が遭遇戦になって魔物を撃退しただけだ。」
「大隊長。お願いですから、せめて、部下に一声かけてから行って下さいよ。いつも混乱します。」
「お前なら問題なく迅速な対応が出来るだろう?現に今回だって出来てるじゃ無いか。これからも頼むぞ!」
「頼むぞ!…じゃないですよ!いい加減、大隊長の仕事してくださいよ!シーリィタ様と、アーラシュ様の教育も大事です。が、兼任なんですから、こちらの仕事もしてもらわないと…。部隊長達が大隊長の対応もして、いっぱい、いっぱいなんですよ。」
「アルケイデス。嫁さん貰ったんだよな。」
「そうです。大隊長からも祝っていただきました。その節はありがとうございました。それがどうしたんですか?部隊の仕事もしてもらわないと…。」
「何かと出費が多かったみたいだな?嫁さん結構苦労してるんだって?生活大変だよな?」
「大隊長。それは…そうですけど…。まさか…。」
「年俸。もう少し上がると嫁さん喜ぶよな?」
「ぐぅ…。卑怯ですよ。大隊長。」
「卑怯?何のことだ?俺は頑張っている部下に少しばかり対価を多く払っても良いと思ってるだけだが?余計なお世話だったか?」
「…大変ありがたい…お話です。」
「なら、問題ないな。他の部隊長にも上げることを告げといてくれ。」
「大隊長ぉ…。限界ですよぉ…。仕事して下さいよぉ…。」
「これも将来必要な訓練だ。やれ。休暇が減って迷惑かけるほどでもないだろう。」
「休暇が減らないように頑張ってるだけですよ。」
「年俸。増やさないぞ?」
「あぁ!やりますよ!やりゃ、いいんでしょ?ちくしょう!」
半泣きになるアルケイデスとニヤリと笑いからかっているとも言える対応をするケイロン。その後のケイロンは真面目な表情になる。
「お前達なら安心して部隊を任せられるが、教育は任せられる奴がいない。もう少し頼む。」
アルケイデスもさっきまでと違う雰囲気を感じた、少し強張った表情になるもケイロンの話を聞く。
「了解しました。シーリィタ様の教育は順調なのですか?」
「概ねな。シー坊は何かとアーラシュ様のようにいかないから苦労する。また時間がある時に話す。ビーサル・ワン・シー様の対応に行ってくれ。俺はシー坊を屋敷へ戻してから戻ってくる。」
「了解です。では。」
「ご苦労だった。ビーサル・ワン・シー様とワン・シー一族の護衛を頼む。」
「は!」
アルケイデスはビーサル・ワン・シーの元へ向かっていった。
ケイロンの部隊…他もそうだが、ケイロンはガネービスから領地を貰い、自分の領地を更に分けて、自分の領地を与えることで管理をしている。部隊長と言うことはケイロン領地の1つを与えた領主でもある。
本来なら領主が領民で部隊を作るが、ケイロンは領主を部隊長としても人員配置はバラバラにしている。ケイロンの所は領主の仕事と部隊の仕事、ケイロンの本来の仕事を分けて管理しているの3つを各部隊がやっている。
その代わりに、ケイロンの財で給与を払ったりしている。
文句を言いながらも命令を聞いてくれたりするのは、金銭面も有るが、日頃の領地にとらわれない部隊というのもあるかもしれない。
ケイロン達が部隊の対応に向かった後、アイルサと別れるまで話をすることにした。
「出来るなら貴方様に同行したいのですが、それは無理ですね。」
寂しそうにするアイルサ。
「そうだと思う。ケイロンに聞いてみようか?」
寂しそうにするアイルサの顔は見たくないのでついつい無理そうな話をしてしまう。
「ケイロン様が許しても私のお父様が許さないでしょう。お父様はなるべくなら私を側に居させたいと考えると思います。」
「そうなんだ。聞くだけならいいんじゃないかな?聞くのはタダだし。」
「あまりオススメはしません。デメリットが発生する可能性もあります。貴方様が言うのであればお伺いしてみてもいいかとは思いますが…。」
「アイルサが俺と一緒がいいなら聞いてみよう。」
「分かりました。私は貴方様と一緒に行きたいです。貴方様は私と一緒がいいですか?」
「出来るなら一緒がいい。」
嬉しそうな表情をしたアイルサ。罪な女だ。罪なのは彼女が美しいからだろうか。俺が比較的アホな発想をするからだろうか。後者だな。
「貴方様の仰せのままに。」
ケイロンが帰ってきた。
「シー坊。お別れはすませたか?部隊とも合流した。ワン・シー一族も明日には無事につくだろう。」
話は終わったので帰るぞっといった感じのケイロン。俺はアイルサを連れて帰りたいので説得する。
「ケイロン。アイルサも一緒に連れてってもいいかな?ケイロンなら可能だろう?」
ケイロンは少しニヤけて言葉を返してくる。
「可能か不可能かで言えば可能だな。だが、明日になれば会えるんだ。無理にリスクを増やすことはないと思うぞ?」
すぐにそのままで問題ないことを言ってくる。
「襲われる可能性はどっちにもあるよ。それにアイルサだけでも安全な所へ移動するってのは何もリスクばかりではないと思うけど?うちとワン・シー一族は仲が良いんでしょ?なら可能ではないかな?」
「俺が判断することではないな。ビーサルに聞く必要がある。それからだ。俺は個人としてはシー坊に頼られてるんだから悪い気はしないな。シー坊。ビーサル・ワン・シーを説得してこい。」
「分かった。」
「私も一緒に参ります。」
アイルサを一緒に連れていくためにビーサル・ワン・シーを説得しにいくことになった。
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