26 移動と合流?
26話
この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
説明は出来ないが、症状がないことは理解してもらえたと思う。これで今回は納得しといてもらえると嬉しいんだが…。
「もしかしたら条件が関係してるのかもな。話せないとか条件があったら確かに厄介だ。」
ケイロンが今までの俺の感じから答えを繋ぎ合わせてくれる。
俺は伝えることが出来ないし、痔になりやすいということになるが、母様のお陰で俺のデメリットは主要の人には伝わっている。条件までは言ってなかった様だ。そこまで母様に伝わってるか怪しいか。
もし、伝わっていても俺がここで呪文作成することが想定されてないから、伝わってなくってもおかしくはない。
デメリットだけ伝わっていれば、何かあっても対応は出来る。多分。
「だから、私にも言えなかったのですね。それなら合点がいきます。」
「それだけで、症状が出ないとは考えられないが…酷い症状がないだけ良しとするか。ツンディナ様のお話。その後、じぃさんの所へ行くのは確実だな。」
「やっぱり、母様の所に行かなきゃダメ?」
「ガネービス様の所に今回の一連の話が行くから遅いから速いかの違いだな。」
「ですよねー。」
当たり前だろ?って感じで言ってくるケイロン。そりゃ、報告しなきゃならないから仕方ないか。
母様の前では嘘とかつけないもんな…。こういう時は至上の存在だと思う母様が最低最悪の悪魔に見える。あ、でもそれはそれでいいかも?
「シーリィタ様のお母様は恐ろしい方なのですか?」
俺とケイロンのやり取りを聞いていたアイルサが疑問をもつが、すぐに否定する。
「至上の存在だよ。」
「でしたら、私は?」
少し悩んでから、アイルサの方を改めて見る。
「月が綺麗ですね。」
「死んでもいいわ。」
お互い見つめあってしまう。
なぜか流れで告白してしまってる。意味不明な発言でも、それに対応するアイルサは凄すぎる。これ俺は尻に敷かれるの確定だよね。アイルサならいいけど。
「はぁ。お前ら何言ってんだ?まだ、夕方前だぞ?」
呆れるケイロンなのであった。リテルさん、ケイロンは直球勝負しないと無理そうな相手です。
「ケイロン。いい加減移動するそうよ。来て頂戴。」
噂をすればリテル・ワン・シーがやってきた。妙に生き生きしてる。レイト・ワン・シーは犠牲になったんだな…。
おおよそ話も終わったので最初に入ったトラックへ移動する。
「さぁ。シーリィタ様。アイルサ様。中へ。お疲れ様でしょう。窮屈ですがゆっくりしましょう。」
俺とアイルサはリテル・ワン・シーにすぐトラックの中へ連れてかれた。既に俺達待ちですぐにでも移動出来るみたいだ。
ビーサル・ワン・シーはケイロンと外で話すみたいだ。
「遅かったな。暗くなる前には合流出来たらいいが…。」
「すまん。少しシーリィタ様と話し合っていてな。本来なら街に着いている時間だ。部隊も来ている。心配するな。」
「そうだな。シーリィタ様のデメリットの反動はどうだ?」
「心配するな。シーリィタ様…シー坊は大丈夫だ。今の所な。お前も今は無事に街まで到着することを優先しろ。」
「そうか…。そうだな。本当に感謝してる。」
「安心しろ。キチンと見返りは貰うさ。」
「お手柔らかに頼むと伝えくれ。」
「了解だ。…全くお互い苦労するな。」
「そうだな。だが、誰かがやらねばならぬことだ。」
「相変わらず難儀な立場と性格だな。ビーザル。」
「言うな。お前達に続き、実の娘まで…だ。どうにもならん時期に来てた時に不作だ。タイミングが良すぎて気が狂うかと思った。ワンダーには足を向けて寝れん。」
「覚悟しとけよ。ツンディナ様は相当お冠になるだろうからな。」
「今から頭が痛いな。さて、もう行くぞ。いい加減落ち着いたところでゆっくりしたい。」
2人は乗り込むとトラックは動き出した。
トラックはゆっくりと動いていたが、数時間もすると止まってしまった。どうやらほぼ完全に宝石が無くなったようだ。後はトラックで生活するように多少残っている程度みたいだ。
外はもうすぐ夜になる。まだ陽は落ちていないが、1時間もしないうちに日も落ちるだろう。
宝石は魔物を倒すと手に入る物だ。宝石は魔法力の塊と言ってもいいもで呪文を使う時にも代用できたり、トラックなど魔法で動くものを動かすために必要になる。
アイテムは魔物を倒すと宝石と一緒に出る事があるものだ。ゲームみたいだが、様々なものが魔物を倒すと出る。
どうやら、魔物は倒されると宝石とアイテムになることが共通のデメリットになっているらしい。確証はないのでそういう事になっている。調べようも聞きようもないからな。喋れたりする魔物がいたら分かるかもしれない。
魔物で困っているのに魔物から出る宝石、アイテムを利用して生活が回っている。なんとも不思議だ。
「後は部隊待ちか。ケイロンどうする。シーリィタ様を連れて戻るか?」
「そうしたいところだが、流石にこの状態でそれはないだろ。部隊とは連絡は取れたか?」
「あぁ。なんとか連絡した。宝石をかなり使うからな。もう出来ないが、部隊も近くまで来ているそうだ。日が暮れる前になんとか合流してくれるそうだ。」
「そうか。そりゃ良かった。なら、もう少しゆっくりしてるさ。合流出来たら急いで帰るさ。」
トラックの中は比較的狭いので、ケイロンとビーサル・ワン・シーの会話が筒抜けである。
「もうすぐ一旦お別れですね。貴方様。」
「そうだね。アイルサ。でも、すぐに会えるから大丈夫。」
「そうですね。貴方様。」
そんな会話をしていると、外が少し騒がしくなった。どうやら部隊が近くにやってきているようだった。
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なんとなく思わせぶりなセリフと言いたい季節。




