24 アイルサとの今後の予定。
24話
この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
そろそろ、ここから離れないとまずいんじゃないのかよ?そんな不安になりつつも、もう少し終わらないんだろうな。そんな感じがしたのであった。
みんな久し振りに思いっきりご飯を食べれるのか、かなりの量を食べた。
お弁当が無くなりそうなので1度出てもらい、呪文の効果を解いた後、もう1度建物召喚の呪文を使い再度コンビニを出す。
再召喚されたコンビニは新たに品物が並べられていた。これで魔法力が続く限り建物召喚でコンビニがいつでも使える。建物を出す場所があれば食料に困ることはなくなった。
みんな美味しいと言って食べてくれた。異文化で味が合わないとかもなさそうだ。
ワン・シー一族の部下の人達も食料品を食べ終わり、移動の準備をする為にコンビニから出て行った。
ビーサル・ワン・シーによるコンビニの評価は移動した後、落ち着いてからすることになった。ビーサル・ワン・シーも満足していたので問題はないとは思いたい。
俺とアイルサはイートスインペースがあるコンビニを出して、そこで準備が終わるのを待っている。
建物召喚なので、コンビニの大きさや内装も出す時にイメージすれば思いのままらしい。ここら辺も、もう少し落ち着いたら検証したいな。
「皆さん満足していましたね。自在に出すことも魔法力があれば食料の供給が出来ることも証明できましたね。お父様も文句は言わないでしょう。いいえ。言わせません。」
アイルサは俺の近くで嬉しそうに言った。
「アイルサはビーサル・ワン・シー様の方へ行かなくっていいのか?」
アイルサは俺が呪文作成して、コンビニを出した後からずっとそばに居る。
「ご迷惑でしたか?我が一族がどう言おうが、私はシーリィタ・ワンダー様の物になりました。ですから、貴方様のお側に居るのは当たり前なのです。」
「そ、そうか?いや、ご迷惑じゃないから。魔物が出たりするかもしれないし、ビーサル・ワン・シー様と一緒にいた方がいいのかな?と思っただけだよ。問題がないならいいんだ。」
「お気遣いありがとうございます。ですが、私がどこにいようと問題はありません。リテルが近くに居ますし、お父様も移動の準備で忙しいと思います。なにより、私と貴方様が一緒にいた方が何かと困らない様です。」
まだ、決まったけではないしコンビニで一族全体を救えるか…と言われると正直怪しいとか考えてしまうのだが、アイルサの中では、俺が一族を救うことは確定していて、アイルサが俺のもの…多分、嫁になることも確定事項らしい。
「ケ、ケイロン。このまま無事に街までついて、落ち着いたら、ど、どこかにご飯でも食べに行かない?久しぶりに貴方に会えたのだもの話しを聞きたいわ。」
「あー、どうかな?俺も帰ったら何かと忙しくなるかも知れないから、食べに行けるか…。でも、タイミングが会えば久しぶりに行くか?最近、酒が美味い店を見つけたんだがどうだ?リテルもいけるクチだったろ?」
「も、もちろんよ。美味しいお酒なら樽でだって飲めるわよ!」
「そんなにか!なら、飲み比べでもするか。」
「え?えぇ!朝まで飲みましょう!」
近くにはケイロンとリテル・ワン・シーが2人で話している。どちらも普通を装っているが俺とアイルサを護衛しているのだろう。リテル・ワン・シーがケイロンを誘っているだけように見えるが…護衛だよな?
「ね?都合がいいので問題ありません。」
ニコニコしながらアイルサは俺の腕に抱きついてくる。笑顔が会った時と違う。本当に嬉しそうに笑うのだ。可愛い。こんな子が「私は貴方のものです。」とか言ってくれるとか嬉しい。俺ってロリコンだったっけ?とか思ったが、ロリコンでもいいや。とか思ってしまった。人に好かれるのは嬉しい事だよ。…精神的には大人だが年齢は子供だからロリコンでもない。
なんとなく、俺はアイルサの頭を撫でてしまう。アイルサはとても嬉しそうに顔を俺の肩に乗せてくる。
腕に抱きつくの好きなのかな?アイルサは何かで離れたら、会話などをした後に腕に抱きついて、そのまま会話することが多い。
ここ数時間で仲良くなったと思う。仲良くというのかこれは?
「アイルサは街に着いたらどうするの?」
今後の予定を聞いてみたくなった。
「貴方様と一緒にいますよ?」
それが当たり前、キョトンとした表情で答えるアイルサ。
「いや、それ以外で。」
俺といる事が当たり前とか聞きたいのでは無い。時間があるかとか聞きたいんだよ。…ある意味では予定を聞けたかもしれないが。
「それが最優先なんですが…貴方様の家族にご挨拶した後の予定は決まってないと思います。基本は部屋にこもっていると思います。許可が出るなら街で買い物などをするかとは思いますが、それくらいです。」
「暇ってことでいい?」
「それで問題ないかと。お父様が交渉している間という条件ですが。本来なら、貴方様のお兄様の側室か召使いにでもなったんだと思います。それで一族が救われるなら私はそれでも良かったんです。」
少し暗い顔をするアイルサ。だが、すぐに明るい顔になると続けて言った。
「でも、そうはなりませんでした。呪文作成してでも私を必要とするお方が現れてしまったんです。」
アイルサは必要とされたかったのかもしれない。なんとなくそう感じた。俺も生前は必要とされたかったのかもしれない。だから、最初は無性にアイルサが気になったのかもしれない。必要とされてない。なんてことを否定したかったんだ。
「アイルサは必要だよ。まだ、違うけど、必ず俺のものにするよ。するとこが無いなら俺と街を見て周ったり、呪文の勉強をしたりしよう。」
何事にも一直線すぎる気もしないでも無いが、好意を向けられるのは嬉しい。
「はい。貴方様。」
「何処かに出かけたっていいし、ご飯を食べに行ってもいいよね。」
「はい。とても楽しみです。」
「アイルサは何かしたい?」
「貴方様と一緒ならどこへでもお伴します。ですが、個人的には呪文協会へ行って呪文作をしたいと思います。私も呪文を習得し貴方様のお役に立ちたいです。」
アイルサさんちょっと愛が重い気がする。けど、まぁ、いいか。
「俺の事ばかりでなく自分の好きなことしていいからね。」
「もちろんです。やりたい事と出かける事が一致しただけです。貴方様も呪文協会には行かなくてはならないのでしょ?一緒に出かけて、私は呪文作成まで出来るのです。」
「わかったよ。でも、もうちょっと楽しそうな方向で頼みます。」
「ならば断然お買い物です。貴方様と生活する為に必要な物資をお父様名義で資金が使えるうちに確保しなければなりません。」
「アイルサさん?それ楽しい?」
思わず目を見て言ってしまった。腕を抱いているアイルサは俺の肩くらいに頭があるので少し下を見るような形になってしまう。
「はい!とても楽しみです!貴方様との生活の第一歩ですから。…何かご不満でしたでしょうか?貴方様?どこか不満点があったら教えて下さいませんか?改善します。」
目を見てしまったからだが、ちょっとアイルサが上目遣いっぽい感じで言っているので物凄く緊張する。ドキドキする方で。
「い、いや。不満はないよ。もっと娯楽というか遊びとかじゃなくっていいのかと思ったんだよ。呪文作成も買い物もしなきゃいけないことでしょ?気晴らしにならないんじゃ無いかと…それが気になっただけ。」
目をそらすわけにもいかず、そのまま見つめあってしまう。
「気にしていただけたのですね。ありがとうございます。確かに、どちらもしなくてはならないことです。貴方様と出会わなければ淡々とこなすだけ。情報の1つと捉え、相手の為だけの最善を模索するだけで面白味もなかったと思います。ですが、私と貴方様が満足しないと貴方様は不満になるみたいなので、そこが難しくもあり楽しくもあるのです。普通の貴方様の言う娯楽よりも楽しく感じるので今のところは必要ないのです。貴方様が思い悩む必要はございませんよ?」
「アイルサが楽しいなら何よりだ。それじゃ呪文協会に行ったり、買い物をしたりしようね。」
「はい。貴方様。」
何故だか目を離せなくなってしまい。その後は、アイルサの髪を撫でたり、頭を触ったりしていた。アイルサはそれを嬉しそうににされるがままになっていた。
もし、よろしければ、感想、ブックマークなどよろしくお願いします。
投稿ペースもゆっくり進行ですがよろしくお願いします。




