21 建物召喚。
21話
この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
俺のワガママでも思い込みでもいい。アイルサ・ワン・シーという女の子が幸せになるのが見たい。そう思ったのだ。
「意味がわかりません。さっきも言いましたよね?簡単に出来たら、来ることなんてなかったんです。食料だって簡単に増やせる物ではないのです。植物だろうと生物だろうと育たないと食べれません。食べるのにどれだけ時間が必要か。それまでに膨大な犠牲が出るのが分かっているのですか?」
「呪文があるじゃないか。」
「呪文…って…貴方はバカですか?呪文作成の際にはデメリットが発生します。膨大な量の食料を産み出すのに、どれだけのデメリットが代償が必要か理解してるのですか?そんなの無理なんですよ。」
捲し立て言うアイルサ。
「無理じゃない。」
「無理ですよ。」
アイルサは睨みつけるように俺の顔を見て言った。
俺は少し離れてた顔をアイルサに近づけて目を見て言った。
「俺がアイルサを救うよ。君の本当の笑顔が見たいから。」
「なっ。意味がわかりません。どうしてそうなるんですか!」
アイルサは顔を離してそっぽを向いてしまった。
「そんなこと出来るはずがありません。」
俺は二段ベッドから降りると入り口に向かう。
「シーリィタ様どこに行くんだ…ですか?」
ケイロンが外に行こうとする俺に気づいて声をかけた。
「トイレ。」
即答するとすぐにドアを開けて外に出た。
「お、おう。来おつけろよ。…いや、待てトイレは中にあるだろう?」
ケイロンは話の途中だったので俺を追いかけるのを少しためらった。
「ま、待ちなさい。私も行きます。」
急いで外に出ようとするアイルサ。
構わず外に出た俺にアイルサがついてくる。
「ちょい待ち。シー坊。…すみません。少し席を外します。」
ケイロンは慌てて俺を追いかけてくる。
「アイルサは中にいなよ。危ないかもしれないから。」
「呪文作成なんて、危ないからやめて下さい。私も少し言いすぎたかもしれません。ですから。」
「フー・アレ」
俺は火を生み出すとミサンガを少し切って外した。
「シーリィタ様。呪文が使えるなんて。まだ、呪文協会に行く前なのに。」
アイルサが驚いている。
アイルサに構わずトラックから少し離れると目を閉じて、集中する。久しぶりにGMフォンの呪文作成を選択する。
呪文作成が起動する。目の前に、呪文名、呪文の効果、条件、決定ボタンの欄が現れた。
呪文名 「建物召喚」
呪文の効果 召喚した建物、中身、施設等、全てを利用できる。
条件
本人固有条件
1.痔は自分では治せない仕様になっている。
2.痔になりやすくなっている。
3.呪文のデメリットや条件が伝えられない。
発動条件
デメリット無しの呪文作成の権利。
デメリット
呪文の威力や範囲に比例した痔になる。
良し!これで決定ボタンを押せば呪文作成自体は成功だ。後は、神様次第ってことろか。
俺は決定ボタンを押した。
本当によろしいですか?
はい。 いいえ。
「フー・アレ」を作成した時の不安感や不快感は全くない。「はい。」を迷わず押す。
メールの着信音と共にメールが届く。速攻で開ける。普通の文章だ。
差出人 GM
宛名 シーリィタ・ワンダー
件名 呪文作成完了通知
本文
拝啓
シーリィタ・ワンダー殿
以下の通りに、呪文作成が完了したことをお知らせします。
呪文名 「建物召喚」
呪文の効果 召喚した建物、中身、施設等、全てを利用できる。使い方は貴方の思い、の、ま、ま。
条件
本人固有条件
1.痔は自分では治せない仕様になっている。
2.痔になりやすくなっている。
3.呪文のデメリットや条件が伝えられない。
発動条件
魔法力を1割消費することで発動する。
デメリット
この呪文に限り無し。
敬具
追伸
グーテンターク!ついに、ついに、使ってくれたね!デメリット無しの呪文作成の権利!
い〜や〜、長かった。これで、やっと、次回から本格的に穴を犠牲にしてくれるね!
今回の思い切りもGood。見ていて実に面白かったね。
何より女の子の為ってのがまた良いね。イイネ!あったら押してるね。無いけど。
これから君はどんな歩みを見せるのかな?栄光?破滅?それとも別の何か?
私は君の選択をとても楽しみにしてるからね!じゃね〜。
俺はメールを閉じた。神様の追伸は気にしない。それでもいいと思ったから。
ここ数年は。どんな呪文を使うか考えていた。強力な呪文、移動の呪文に、便利な呪文。どんな呪文なら1度きりのデメリット無し呪文作成の権利を後悔なく使えるかを。
建物をイメージする。俺は生前、大変お世話になった建物。1人暮らしの俺には必要だった建物。
後悔はしない。これなら救える。なら、ここが呪文の使いどころだ!
目を開いて新たな呪文を唱えた。
「建物!召喚!」
一瞬激しく光って、すぐに目の前に生前の世界ではよく見た建物が召喚された。
どこにでもある。俺が住んでいた場所ではよく見かけた、「コンビニ」だ。
もしよろしければ、感想、ブックマークなどよろしくお願いします。
設定とか後付けとかめちゃくちゃですがゆっくりでも書いていこうと思います。
季節とか、人物設定とか、色々作らなすぎ!




