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12 そろそろ5歳になります。

 12話


 この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。





  確かに、立派なことだなと思った。


  帰ってきたオヤジに母様が俺が呪文作成したことを報告。


  オヤジは「驚きました。その歳で呪文作成をしてしまうとは。デメリットは?後遺症は?危険ですので、呪文作成が出来ないように部屋に札は貼りましたか?身体にミサンガは?ツンディナが一緒に居てくれば大丈夫です。」っと言って何だかんだで心配してくれた。


  さらに、母様は俺が生前の記憶があり、大人同様の思考を既にしてあることも報告した。


  オヤジは「そうなのですか。今日は話題にきりが無い夕食ですね。これからはシーリィタへはしっかりとした対応を取らなくてはなりませんね。」と冷静に対応。


  母様が「怖く無いですか?」と正直に言うと、オヤジはこう答えた。


「ツンディナは言わなくってもわかりますよね。私の気持ちが私より正確に。言葉にするならば、…そうですね、正直、不安はあります。ですが、私とツンディナの子です。何も怖がることはありません。ちょっと人より育つスピードが早かったと思えば良いのです。アーラシュと共に大事に育ってくれれば、何の問題もありません。」


  母様が作り話だとは思わないのかと聞くと。


「ツンディナが嘘をつくとは思えません。嘘だとしても、もう少し真実味のある嘘をつくでしょう。ならば、本当のことなのでしょう。何よりツンディナの言葉です。信じますよ。」


  母様はオヤジの心を読んでいた。だが、オヤジは本心を語っていたと夕食が終わった後に教えてくれた。だから何も心配しないでいいと。俺は初めてオヤジの凄さが、とんでもない心の広さが、わかった気がした。


  それから、俺はアーラシュと共に母様のレッスンに参加する様になった。


  呪文、デメリット、条件、改めて母様は教えてくれた。


  呪文は、自分の想像を創造、創作する力のことだ。この世界の人なら誰でも使える。


  デメリットは、呪文作成した時に発動する代償だ。呪文という、あり得ない力、どんな法則も無視する力と引き換えに、何かを失うことだそうだ。


  条件は、デメリットを緩和する為に自分を不利にすることだそうだ。曖昧で定義が難しいそうだ。


  魔法力は、体内に貯めておける魔法の量などの呼び方だ。要はゲームでいうMPやSPなどといった、呪文を使える残量でもある。


  おおよそ、神様が言ったことと合致している。嘘だとも思ってなかったが、一応。


  この国についても教えてくれた。シンクロミラクル王国。通称、シンミラ王国というらしい。


  1000年以上続く伝統ある王国。国は、東西南北と中央の5つに分かれていて、代表的な一族が地方を運営、管理しているそうだ。

  その上にトップとして国王や王族、税を納めたりするそうだ。封建制度みたいなイメージなのだろうか?


  なぜそんな統治の仕方をしているのか?


  それは、国が大きすぎて王国のみでは管理できないらしい。さらに、巨大山脈と海、広大な森に王国は囲まれている。

  陸と海と空に魔物がおり、常に人間の生活圏を脅かされている。地方との連携も一苦労、他国との連携は絶望的だそうだ。


  呪文による自由、文明発達はあるが、呪文によるデメリット、常に魔物と戦いに何が起こるか分からない。それが、この異世界、俺が今生きている世界だ。

 


  1番驚いたのは、俺の一族はワンダー一族と言って、西の地方の代表的な一族だということだ。


  さらには、母様は、今代のワンダー一族の領主の5番目の娘だった。オヤジは婿入りで、実家は物凄い金持ちだということだ。

  母様とオヤジは一族の土地の一部を管理、運営しているそうだ。つまりは、両親も金持ちだということだ。


  あれ?完全に勝ち組じゃない?神様ありがとう!神様には、都合が良くなればお礼を言うし、悪くなれば文句を言う。世の中そんなもんだ。


  呪文、社会などなど教育を生後8ヶ月から出来る範囲で教わった。





  そんなこんなで、4年の月日がたったのだ。





  いつもの朝ご飯である。食堂は広い。元の世界の豪邸の大きなワンフロアの様な作りだ。と言っても、俺基準であり、一族では狭いそうだ。普通なら貴族の様に長いテーブルがあったりするそうだ。


  家族揃ってご飯を食べているとオヤジが、ふっと思い出したように言ったのだ。


「そういえば、シーリィタはもうすぐ5歳になるんでしたね。ならば、呪文協会へ行かねばなりません。」


  オヤジである、ガネービス・ワンダーは現在26歳。相変わらず母様とラブラブである。


「そうですわね。この前、アーラシュが呪文協会へ行ったばかりだと思っていたのに時が経つのは早いものですわ。」


「うやぁ、あぁ、あー」


「キャサリン。ゆっくりでいいですからね。」


  母様である、ツンディナ・ワンダーは、現在26歳。

  隣には0歳、そろそろ1歳になる俺の妹、キャサリン・ワンダーが離乳食を興味津々で食べている。


「シーリィタも呪文協会に行くのですか?必要ないと思います。僕よりも呪文は上手ですよ?」


  兄のアーラシュ・ワンダーは現在8歳。そろそろ、9歳になる。

  着実に父の跡を継ぐためにあらゆることをする努力家だ。そして、勉強中でもある。最近はオヤジと喋り方が似てきておる。


「兄さんは勉強も呪文も剣術もやってるからね。遊んでばっかりの俺とは違って当たり前だよ。」


「シーリィタも、もう少し頑張ってくれると助かります。怠けてばかりだと差はあっという間に埋まりまわよ?」


「善処します。母様。」


「もぅ。心がこもってないわ。」


「バレましたか。」


  俺、シーリィタ・ワンダーは現在4歳。そろそろ、5歳になる。

  生前の記憶があるので、ある程度は教育というものを免除されている。その代わり、何かと家族に相談される。呪文を試すなど比較的やりたい放題している。


「お父様。お願いがあります。」


「アーラシュがお願いとは、珍しいですね。言ってみてください。それから結論を出しましょう。」


  珍しく兄さんがオヤジに頼みごとをしている。俺とは違い、我儘を言わない兄さんにしては本当に稀なことだ。


「シーリィタの呪文協会に行く護衛として参加したいです。」


「困りましたね。自分が何を言ってるのか、理解していますか?」


「理解しています。魔物が出る危険があることも。ですが、必要なことです。」


  オヤジと兄さんは真剣な眼差しでお互いを見つめている。


「ツンディナ。アーラシュは本心で言っているのですよね?」


「はい。あなた。アーラシュは兄としての護衛、自分の将来の経験の為、少しでも負担を減らす為と本当に素直に真剣に考えてますわ。」


「お母様。恥ずかしいです。」


「ごめんななさい。アーラシュ。あなた。アーラシュをシーリィタと一緒に行かせてあげてください。私からもお願いしますわ。」


「本当に困りました。父の心配も少しは考えて欲しいものです。」


  本当に困っているのだろう。少し考えた後、オヤジは言葉を発した。


「分かりました。許可しましょう。」


「ありがとうございます。お父様。お母様。」


「行く本人を前に盛り上がるのやめてもらえませんかね?」


  俺は子供っぽく言った。輪から外れたのが寂しいわけではない。軽い冗談みたいなものだ。


「シーリィタ。呪文協会には必ず行くんですよ。生前の記憶があるとはいえ、この世界では5歳です。5年しかたってないのです。しっかり学んでください。」


  オヤジは珍しく母様が言うようなセリフを口にした。オヤジはオヤジなりに俺の心配をしてくれてるらしい。


「わかっています。オヤジ。しっりと学んできます。」


「お願いしますね。」


「シーリィタ。アーラシュにお礼を。心配してくれてるのは本当なんですわ。」


  母様は少しすねた俺に反応したのか、そんな言葉をかけてくれた。


「兄さん。ありがとう。護衛よろしくお願いします。」


「わかりました。シーリィタ。僕の全力で護衛します。自分の為でもあるので気にしないでください。」


  本当にこの家族は暖かい。


  扉が開き、メイドであるキャンディが入ってきた。

  キャンディは現在34歳になった。メイドとしても現役だ。


「お食事中失礼します。ガネービス様。重要な手紙が届いております。」


  キャンディは少し不安な手紙を持ってきたのだった。

もしよろしければ、感想、ブックマークなどよろしくお願いします。

文章力と構成力が欲しい。その前にちゃんと考えて書くことを覚えなければ。

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