01 なぜ、この物語が始まるのか?そこから始めようかね。
何もかもが初めてなので優しくしてくれると嬉しいです。
1話
この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
真っ暗な中、何処からともなく声が聞こえた。
「こんにちは。初めまして。…かな?そ〜れ〜と〜も〜、こんばんは!また来たね!かな?」
光がつくと、真っ白な世界。
嬉しそうにニヤつきながら誰かに声をかる30代中頃の男性がいた。
「あぁ〜、応えなくって大丈夫。この世界を読む。あるいは、観ている異世界の人達よ。私が一方的に語りかけているだけですからね。」
1人で納得して、得意顔で喋っていた。
彼もとい私は、男性でありながら髪型は女性と同じ位に長い黒髪のポニーテールで無精髭を生やしている。
目の色は赤色で、肌の色は、肌色より若干白め。
見た目からして、身長は180センチ程度。体重は70キロ前後。鍛えているのか、細マッチョで柔軟もありそうだ。
ズボンは右側がわざと複数箇所切れており、青さも色褪せ、白くなっているところが全体にあるジーパンを履いていた。
上着は長袖の白いTシャツで前方に馬耳東風と大きく書かれている。
「外見や私の拠点なんて、どうでもいいんですがね。設定しないとキャラがたたないでしょ?」
溜息を吐いた後、いつの間にか置いてあった3人から4人用の大きい灰色ソファーに1人で真ん中に勢いよく座った。
「私の名前はGM。呼び方は、ジーエム。あ〜る〜い〜は〜、ゴッドマスター。神様でもいいね!」
「この世界(物語)の君達にとっては異世界のナレーション、モノローグ、語り部は全て私なので悪しからず。」
「もっと酷いことに、私が世界(物語)のルール。矛盾しても、間違えていても、私が適当に作ってるんだから仕方ないね。この物語ではこれが世界観なの。世界観という名の言い訳だね。作者ではなくって私のせいなのさ。前代未聞だろ?」
吐き捨てるように語った後、少しうつむいてが、すぐに頭をあげると、明るい表情で喋りだした。
「私はそういう存在なのだよ。その上で、自由にやらせてもらうがね!」
「あー。信じない?じゃあ、神様っぽいことろ、見せちゃおう!」
彼もとい私は、ニコニコしながら軽い口調でパチンと指を鳴らした。
神様である、彼もとい私がやったら某話題になったゲームみたいじゃないか。まぁいい。私は携帯を持っていないからな。
一瞬でソファーと真っ白な世界が地球の現代日本にありそうな部屋に変わった。
2LDKのリビングダイニングキッチンスペースで3人から4人用のソファーに1人で真ん中に座り、ワイングラスを傾けている彼もとい私がいる。
反対側にも同じサイズのソファーが無駄に置いてある。神様の正面の壁には大きな72インチのテレビ。
透明なガラスで造られたテーブルには調理されたばかりのフライドポテト、ハンバーガーなど赤ワインに合わない組み合わせのジャンクフードがいつのまにかおいてった。
テーブルの下には赤いもふもふのカーペットがテーブルを中心に部屋半分ほど敷き詰められている。
「この部屋を神様スペースとでも言っておこかね。」
得意顔と言わず、あえて、ドヤ顔で喋り出した。
「さて、ここまですれば私が異世界の神様だって信じてもらえたかね?これを読んで、観てくれている人達よ。」
「ふむふむ。なぜ、こんなことをしたのか。いぃ〜質問ね!言ってない?展開についてけない?ちゃんとついてきてね〜。」
大きく息を吸い込んで一気に語り始めた。
「そもそもね。納得いかないんだよね。私はこの世に無限蔵にある異世界の神様で、この物語のキーパーソンなの。神だよ?この世の主人公的ポジションだよ?なのに、大抵の異世界の物語は神様が親切なちょい役。もちろん、主人公ポジはいるよ。でも、大抵は女性じゃないかね?男性なんて、序盤で出番終わりか、黒幕ポジョン。しかも、7割くらい女神様。後、3割ジジイ、男、性別不明。」
「世界を救ってくれとか、何かの弾みで飛ばされたとか、可哀想な死に方だから転生させたとか、色々だけど、もっと明確でワガママな理由での異世界転生があってもいいはずハズなんだよ。全てがそうとはいはないけどね。」
「挙句の果てに、異世界の管理とか、他の世界や神とのお付き合いとか、作者の批判の代わりとか、このストレスをどこに持ってけばいいんですかね〜。このままだと、神様だけどハゲちゃうよ?胃とかボロボロになっちゃうよ?特別手当が必要だ〜。」
怒号のごとく一気にいい終わり、はぁはぁと肩で息をした。
彼もとい私は、呼吸が落ち着いてからスッキリした表情でまとめに入った。
「つまり、何を言いたいかっていうとね。もっと、目立ちたい。私的な理由で楽しみたい。おっさん神様で主役級とか最高だろ?ついでに、ボーナスもらえたら最高!」
「そんな、異世界転生物語があってもいいじゃないかって、ことなんだよね。」
彼もとい私は、1つの魂をジーパンのポケットから取り出した。
効果音と言う名の独り言で「じゃっ、じゃ、じゃ〜ん」っと言いながら。
「んふぅ〜。すごいでしょこれ!偶然、奇跡的に、ちょうど、ここに、新鮮な別世界の人間っていう霊長類さんの魂ってのモノがいらっしゃるんですね。不思議ですね。あ、もしかして、コレがボーナスですか?ボーナスなんですね?」
1人で物凄いはしゃぎ用である。
不思議でもなんでもない。彼もと…めんどくさいので、以下、私でいくが、私が魂を連れて来るのに他の異世界の神と取引をしたんだよね。
「隣人とのお付き合いってやつさ。」
ちょっと呆れ顔のGM。
地球という銀河系にある1惑星の魂を定期的に私の世界に連れてくる。代わりに条件として、別の世界を作る新しく作る際に、アドバイザーを引き受けた。
自分引き受けた仕事ををボーナスと言い張っているのはこの際、投げ捨てておく。
「世界を創るってのは大変な仕事なんだよね。アドバイザーも楽じゃないのさ。」
うん、うん、分かるわー。という感じで頷いた。
世界を新しく創るって地味に大変な仕事だ。どんな世界にしたいかから始まり、世界を作るのに協力者や素材を集めて、上手くいくか運用して初めて世界を創れる。
今ある世界の管理もしなきゃならないのだから、たまったものじゃない。神様だって余程のことがないと創ろうとしない。
隣人の神様はロクでもないことが起こったから新しい世界を造ることにしたらしい。
「何故めんどくさいことを引き受けたか?」
「それはね、暇つぶし兼ストレス発散をこの魂にさせるためだね。」
「私の管理する世界で、どんな喜劇や悲劇を演じてくれるのか鑑賞して楽しむのだね。」
満面の笑みで神様が答えた。
「私はね。思ったんだよね。共犯者が必要だってね。この世界(物語)を楽しむ為にね。観客が1人だとつまらないだろ?」
「だ〜か〜ら〜、異世界の君達をご招待したのさ。一方通行でいつ終わるかも不明なそんな物語(世界)の暇つぶしだが、楽しんでくれると幸いだよ。」
私はニヤニヤしながら笑った。そのまま、軽快に喋り出し、魂を掲げた。
「さぁ、始めようか。私が主役級で、ストレス発散もできる!そんなことのために、異世界で世界を救う予定の哀れな主人公のキャラメイキングを!」
魂が輝き出し、本作の主人公がその姿を現した。




