表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/17

せなと翔 ~部屋食でのひととき~ <せな>

 部屋食を選んだせなは、一人、部屋で時間を過ごしていた。

 しばらく、暇な時間を潰していた頃。

 コンコン。

 ノックの音と共に現れたのは。

「お待たせ、せなちゃん」

 シェフ姿の翔であった。

「まずは前菜、もってきたぜ」

 せなの前に置かれたのは、美味しそうな前菜三種盛。

「お、おいしそう……」

「おいしそうじゃなくって、美味しいぜ、それ」

 せなの言葉に翔は思わず、瞳を細める。

 そして、せなの耳元でこう囁いた。

「感想聞かせてくれよな」

「ひゃぅッ……」

 耳元の囁きに、思わず声を出してしまうせな。どうやら、耳が敏感なようだ。

「しょ、翔さぁぁん……」

 うるうると困ったように翔を見上げるせなに。

「可愛いな、せなちゃんは」

 翔は、小悪魔的な笑みを見せるのであった。

「もっと居たいけど……他の客を待たせてるからな。次の料理も用意しねぇとなんねぇし。次の料理、持ってくるまで、前菜の感想、頼んだぜ」

 そういって、せなに投げキッスをした後、翔はせなの部屋を後にする。

 残されたのは、せなと、翔の持ってきた美味しそうな前菜三種盛。改めてみると、それは洋風の前菜で、どれも美味しそうだ。

「ほえー……」

 しばらく惚けていたが、前菜の存在を思い出し、せなは、その一つをフォークで口に入れる。

「……お、おいしいっ」

 口の中いっぱいに広がる、美味しい幸せな味。

 それを堪能し終えた後。

 コンコン。

 タイミングよく、またノックが響く。

 やってきたのは、やはり翔。

 いよいよメインかと思ったのだが、どうやら違うようだ。

「ごめん、今日は客が多くて、まだせなちゃんのメインできていないんだ。代わりに、これ、サービス」

 そういって、差し出したのは、マリネ風の前菜。乗せられたサーモンが美味しそうに掛かったオイルで輝いている。

 これもまた、見るからにお洒落で美味しそうだ。

「ところで、さっきの前菜、どうだった?」

 食べ終えた皿と、新たな前菜の皿を置き換えて、翔は尋ねる。

 どうやら、先ほどの前菜の味が気になる様子。

「そ、その……おいしかったで……」

 その続きが、言えなかった。

 なぜなら、翔が唇を重ねてきたから。

「それだけで充分。後でまた、ね。今度はちゃんとしたメイン、持ってくるから」

 にっと笑みを浮かべ、翔はそのまま、部屋を後にする。

「は、はわわわっ!! き、キスっ! キス……しちゃった……」

 もう食事のことなど、頭に入ってこない。

 あるのは、翔と、キスをしたという事実だけであった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ