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プロローグ
自然にあふれた山間に、それはあった。
近くに海や湖もあり、アウトドアを楽しむには良い場所でもあった。
また、冬になれば、近所にあるスキー場で、スキーやスノーボードも楽しめるだろう。
そこに、浅樹翔は、オーベルジュを建てた。
「いいだろ、ここ」
「まあ、あんたにしては、いい場所かもね」
翔の言葉に答えたのは、オーベルジュの手伝いを買ってでてくれた(とはいっても半ば脅されて?)夕野リィナであった。
二人は幼い頃からの腐れ縁でもあったり。
ちなみにオーベルジュとは、宿泊施設を兼ねたレストランである。宿泊が二の次になることも多いが、ここでは、料理も宿泊も抜かりない。
「さて、準備にかかりますか」
「はいはい」
こうして、新たなオーベルジュ『クローバーリーフ』が誕生したのであった。