気持ち side莉奈
私は、南 莉奈
高校1年生になる。
中学生の時、付き合っていた彼氏とは、別れた。
その人が、亡くなってしまったから…
クスリ……やってたらしい……
いきなりおかしくなって、マンションから飛び降りたんだ。
大すきな、やさしい笑顔の彼氏だった。
なのに、
しんでしまったその時に、言葉も、涙さえも、出てこなかったのはなぜなのだろう。
私は、それから、結構暗くなったらしい。
自分ではよく分かんないけど。
私は、前を向いて、歩き出すのが怖かった。
ずっと、引きずってたの……雷のこと……
高校に入って半年くらい経った。 夏。
「―――――――――――――――――これで、終わります。」
初夏のにおいと、先生の言葉で、クラスは盛り上がる。
その中の一人に、その人はいた。 祐希 あずま。
とても、似ている。雷に似ている。顔が似ているわけじゃないけど、
感じた。雷と同じやさしさを。
雷とおんなじ笑顔を……………
「よっし。かえるぞぉぉ!!」
彼を、漢字で表すと【 笑 】だろうなァ。
それは、何より自分が笑っているから。
そして、みんなを笑顔にできる存在だから……
そう、その第一印象は、雷と同じ。
「〜〜〜っあ、そだっ南、お前も行くだろ?夏祭り!!」
彼が私の方に来て言った。
「……〜あ〜…多分…行くと思う…よ?」
「なら一緒に回ろうぜ!!」
「え…………………う、ん」
嬉しそうに、歯を見せて笑う笑顔に、心から笑顔になれた。
心に中であの日から閉ざされていたものが開かれた。
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PM5:25
私は、浴衣を着せてもらい、久しぶりにオシャレした。
「可愛いじゃん♪」
「ほんとっ?」
そう言うと、あずまは、驚いたような表情見せた。
そして、少しうつむいたような気がした。
その時、
バ―――――――ン!!!
赤くて大きな花火が打ち上げられた。
でも、そんなことより、
赤い花火のせいなのかな?
あずまの顔が薄くあかくなっているような気がした。
少しして、あずまは、顔をあげた。行こうぜ!!といわんばかりにその笑顔はきらきらと輝いていた。