ぷろろーぐ
18時 10分それはそれは静かな夕方だった。
「どこを見ても一面田んぼで、本当に平和ですよ!いや~この感動、カメラ越しでも伝わるでしょうか?」
「はい!スタジオでもひしひし伝わってますよ~!!ん?何か変な音がしますが~」
「それはきっと自然の神様が、私達にエールを送ってくれているんですよ!おや、私にも何やら聞こえ来ましたよ~なになに?待たんとクビリ
殺すぞ?はい、ありがとうございます!イヤー
すごいエールでしたね!おや?こんな大自然を見てみると、あれがやりたくなりますね~」
ブォンブォンペッペー!!
「吉田さん後ろから何か大量の集団がせ……」
タランタランテッテー!!(BGM)
「毎週恒例!吉田のニンニクロワイアル!
ルールは簡単!私この吉田が……」
その頃、夕方ナンデス!!の取材地の付近で、
神から見放された少年が、追われていた。
「ひぃ~すみまぜん、すみまぜん!ってさっきから謝ってるじゃないでづか!!」
神から見放された少年は、走りながら謝っていた。とにかく必死に、しかし相手は許してくれない。
「ふざけんなゴルア!!どこの世界に単車のマフラーをロケット花火と勘違いする奴がおるんじゃ!!爆発したやんけ!弁償しろや
ゴルア!!」
マフラーとは、バイクの後ろらへんに付いてい
る管である。
「ひぃ~すいません!!取ろうとした瞬間爆発して!!でも家族が待ってるんです!!必ず花火をみんなでやろうと、約束したんです!!だからほんのちょっと魔がさしたんです!!!!許してちゃぶだいぃ~~」
「ふざけんな!!バイクのマフラーだって言ってんだろうが!!!」
その頃取材地………
「以上、吉田のニンニクロワイアルの説明を終わります!!早速ニンニクカモーン!!」
「吉田さーん!!後ろから変な集団がー!!!」
「待てやゴルア!!」
ブロロロ!!パラリラパラリラ!!!
「ニンニクロワイアルスタート!!!早速、いただきムァース!!」
「吉田さーん!!逃げてーー!!」
吉田さんは猿顔でニンニクを口でくわえたままむぁ? と間抜けな声を出して振り返ると、
チンピラ数十名と神から見放された少年の追いかけっこの巻き添えにされた。
神から見放された少年の名は沖田慎平、
恐らく神から見放されたというより、神が適当に作った、ただの馬鹿である。