常夜灯
帳の降り立つ産砂に
燈りつづける彼者は
悠遠たる
幽遠たる
彼方から訪るる者に
煌々たる
皓々たる
燭にて、
この地の在るを示すだろう
やがて東の山の端が
金色の通を顕すまで
甲夜を過ぎれば、
街はざわめき
乙夜を過ぎれば、
ヒトは減る
丙夜を過ぎれば、
異形の時間で
丁夜を過ぎれば、
静まり返る
踊れる影が遊び歩く
境内を眺めつつ
途切れることなく
燈らせ続けつ
音の生まれを聴きながら
東雲の空を仰ぐのだろう
去り行く帳を見送って
ほうと息をつくのだろう
そして
過ごせし彼者は、
静かに眠りにつくのだろう