31話 魔力
「気持ちわりぃ……飲み過ぎた……」
二日酔いでずきずきする頭を抱えながら、俺はジェパルドへ向かう道を歩いていた。
「だらしないですよ。主様」
フェンリルの生意気な言葉にも、強く言い返すことができないほど、今の俺はグロッキー状態だ。
「仕方ねえだろ……。俺、こう見えてもまだ十代なんだし」
一応俺は、向こうの世界では酒の飲めない年なのだ。
何かにつけて飲むことはあったが、向こうの世界には法律という名の、人間の行動を制限する目には見えない鎖があったため、意識を失うほど限界まで飲むことなんてできなかったのだ。
だが、この世界にそんな鎖なんて存在しない。その上、先日、貴族のお坊ちゃんとの戦いが街の住民達にはかなり好評だったらしく、酒場にいった際、そこにいた客達にタダ酒を奢ってもらっちゃったりしたのだ。
今までしばらく極貧生活を送っていたこともあり、俺は遠慮なくタダ酒を飲みまくった。次の日……今日が出発の日だということをすっかりと忘れてしまうほどに。
結果、この有様だ。
宿を出る際、雷撃にすら耐えてみせた愛の力も、酒の魔力にはかなわなかったみたいだな、などという宿の主人からの安い皮肉にたいして、言い返すことすらできなかったほどの体調の悪さだ。
「大丈夫ですか?」
心配そうに声をかけてくるサリューネ。
結局、この青髪の美女とはジェパルドまで一緒に行動することになっていた。
なんでも彼女は元々、ジェパルドに用があり、そこに行く途中で偶然騒動に巻き込まれたのだそうだ。で、目的地も一緒な上に、俺が病人ということもあり、一応医者という職に就いている彼女は、一緒について来てくれることになったのだ。
状況というものは、何も考えずに行動を起こしていても、意外と良い方向に向かうものらしい。これが運命という奴だろうか。……もしそうだとしても、今の俺にはそれに感謝することができそうにない。
「悪い……。もう……無理」
軽快に前を歩く二人にそう告げ、地面に倒れ込んだ。
下はちょうど天然の芝生の絨毯が敷かれていたため、衝撃が少なくすんだのが幸いだ。
旅立ち前から無理だと思っていたが、街を出てから一キロほど移動した所で、案の定限界を迎えた。
「大丈夫――じゃ、ないみたいですね」
すぐさま駆け寄ってきたサリューネが、俺の顔色を見るなり、そんな診断を下していた。言われなくてもとっくに分かっていたことだ。
「サリューネ。……ちょっと頼みがある。そこに座ってくれないか?」
「はい?」
首を傾げながらも、素直に言うとおりにして、芝生の上に正座するサリューネ。
先日のフェンリルが人化した時にからかった一件以来、俺の行動には何かしら裏があるんじゃないかと一々疑ってくる彼女だったが、こちらが真剣な時は真剣に相手をしてくれるのだ。
サリューネが座り込んだことを確認した俺は、その柔らかそうな太ももの上に頭を乗せた。
「ふぅ……」
「う……え? え!? あ、あの?」
「せんせ……ぼく、具合がわるいんです……助けてください……」
うろたえるサリューネに、真剣な顔で訴えた。
それは、この状況を最大限に利用し、僅かにしか残されていない余裕を振り絞っての渾身の行動だった。
口にした言葉やたぶん真っ青になっているであろう顔色は演技なんかではなく、嘘偽りのない真実だ。
以前から俺はもう少し、サリューネと親密な……もっと肉体的なスキンシップをしたいと考えていた。が、天然に見えて何かとガードが固いサリューネ。俺が色々口走っている所為もあって、中々近づく機会がなかった。
そんな彼女にも怪我人や病人には甘い、という隙があった。そこをついたのだ。もっとも、怪我人や病人にも厳しい女なんてのは、俺の生きてきた限り、幼馴染のあの女以外に見たことないけど。
そんなわけで、彼女に触れたい、近づきたい、と常日頃から考えていた俺は、体調が最悪であるという今の状況すら最大限に利用して、憧れの膝枕という体勢まで持っていくことに成功したのだ。
「主様! 酔ったふりをして女の人にセクハラするなんて! どこの中年親父ですか!」
俺の必死の努力をまるで理解しない馬鹿犬は、目の前で金切り声をあげている。いつもなら無視してしまうその喚き声が、今の俺には耐えられそうになかった。
「フェンリル。ちょっと……こっち、こい」
「? なんですか?」
とことこと近づいてきたフェンリルの首から、徐にネックレスを奪い取った。
「わんわんわんわんわんっ!!」
「うるせえよ……」
子犬化したフェンリルの体を掴み上げ、そのまま近くにあった川の中央に放りこんだ。
「きゃいん! きゃいん!」
すぐさま、こちら側の岸に向かって来ようと必死に足を動かしていたフェンリルだが、それなりに流れの速い川だったため、下流に流され、その姿が見えなくなるのにさほど時間はかからなかった。
「だ、大丈夫なんですか?」
「大丈夫だろ。あいつ、ああ見えて実は化け物だし」
いざとなれば、巨大化して岸まで飛び上がればいいだけのことなのだ。
「そんなことより……今は、俺の方がよっぽど危険な状況だ……」
余計なことをした所為で、ますます気持ち悪くなってきた。
胃の中の物が込み上げてくる。だが、サリューネが至近距離にいるこの状況で無様な姿を見せるわけにはいかない。正常時には至福であるこの体勢が逆に仇となってしまっていた。が、ここまで体調を悪くしてまでもってきたこの体勢を崩したくはない。
やばい。これは……完全に手詰まりかもしれない。
脳裏に諦め、という単語が過ぎっていた。
どうしようもない俺の状態を見てか、サリューネは目を閉じ、俺の頭の上で両手を合わせ、神に祈るようなポーズを取っていた。……もう、医者ですらどうしようもない状態だってのか?
「古より大海に宿りし水の神アクエリウスよ」
最初は俺に何か話しかけているものだと思っていたため、それが魔法の詠唱だということに気付くことができなかった。気付いた頃にはもう、詠唱を終えるところだった。
「我に力を」
直後、サリューネの折り重ねられた手の中から水の雫が溢れ出してきた。
「これを飲んでください」
湧き出した水の雫をそっと口元まで運んでくる。
それが何かを問う余裕すら俺にはなかった。言われるがままに彼女の手の平に溜まっていた水の雫を口に含む。
「……おお」
液体が喉を通り過ぎた瞬間、変化は劇的に現れた。
症状が軽くなる、なんてものじゃない。気持ち悪さが完全に消えた。それは、酔い止めの薬なんて比べ物にならない効果だった。
酔い止めのための魔法、というわけじゃないだろう。たぶん、怪我や病気をした人間を正常な状態まで戻す魔法。回復魔法って奴か。
「助かったわ。流石お医者様だ」
体調が治ったことを示すために、可能な限りの笑顔を作ってみせる。
「こんなことできるなら、もっと早く教えてくれよな」
「この魔法は……その……かなり貴重なものでして。あまり人前で使いたくはないんです」
言い辛そうにしているサリューネを見ていて、なんとなく察した。
別に珍しい魔法を持っていることを鼻にかけていると思われたくないから、というわけじゃなさそうだ。たぶん、漂流者の存在と同じで、その魔法が使えることがばれると利用しようとする人間が現れるからだろう。俺も一度その魔法の効果を体感してしまったものだから、そう考える人間の気持ちも分からないではなかった。
彼女としては、できれば非常時以外には隠しておきたかったもののはず。確かに今は非常時と言えば非常時だったのだが、別に放っておいても問題ない状況だったはず。にも関わらず、魔法を使ってくれたということは……それを見せても良いと思ったくらいには信用されたってことか。
一応、最低限に気をつけながらからかっていたものの、ちょっとばかり不安なところもあったので、その信用は素直にうれしく感じた。
「あの……」
「ん?」
「体調が良くなったなら……その……この体勢をどうにかして欲しいんですけど……」
「そんなことよりさ。ちょっと聞きたいことがあるんだけど」
「そんなことって……」
二日酔いを治してもらっておいてなんだが、彼女の要求を受け付ける気はなかった。
この世界に来て以来、初めて本気で行動を起こし、この体勢にまでもってきたのだ。しかも、ようやく存分に堪能できる体調に戻ったのだ。手放す気なんて微塵もない。
この至福の時間を少しでも長く味わいたかった俺は、適当に話題を作って気をそらせることにした。
「俺さ。この間の決闘したことで、ちょっと考え直したことがあってな。もう少し、この世界の魔法ってやつについて、詳しく知りたいと思ったわけだ。よかったら教えてくれねえ?」
決闘の件を持ち出したのは、あの一件に巻き込んでしまったという責任感につけこむ、という意図があった。
もちろん、それだけじゃなく、本当に興味があった、というのもあるけど。
最初に見た火の弾を操る魔法を、詠二の奴があっさりと蹴散らしていたのを見たことから、ちょっとばかり過小評価しすぎていた。
ギルドですれ違う連中の中に魔法使いと思われる連中が存在しないこともその考えを後押ししていた。この世界には魔法があるというのに、魔法使いという職業が存在していないのは、戦闘において魔法はあまり使えるものではないんじゃないか、と。
その認識を少し改めたわけだ。
サリューネは、少し考えた後、軽くため息をついた。露骨に話題を変えようとしたことに気付いているはずだが、俺がどく気がないことも同時に分かったのだろう。
「ツバキさんは、魔法についてどの程度の知識があるんですか?」
体勢を変えることを諦め、真剣に話をしてくれる気になったようだ。話をしていればこの体勢でいることも少しは気が紛れる、というのもあるだろう。まあ、彼女がそう考えるであろうことも狙ったんだけど。
「正直、ほとんど何も知らない。あらゆる技術に魔法が組み込まれていることは知ってるけど、肝心なこと……どうやって覚えるのか。どうやって使うのかは全く知らないな」
「じゃあ、実際に魔法を見たことは? この前が初めてですか?」
「いや。何もないところから火を出したりするやつなら。あと、武器とか道具に魔力を付加させる、エンチャントって種類の魔法なら」
もっとも、エンチャントの魔法に関しては、実際に使っているところを見たわけではなく、魔法が付加されている武器を見ただけだが。
「それ、両方とも同じ魔法なんですよ」
「そうなのか?」
意外な事実だった。その二つは完全に別の魔法だと思い込んでいた。
俺はもっと初歩的なことから、詳しく話を聞いてみることにした。
その後、サリューネから聞いた話を要約すると、大体こんな感じだ。
まずは魔法を習得する方法。これは、世界中に散らばっている祠で、軽く契約するだけ。それだけで基本的に誰でも使うことができるのだそうだ。
特に魔法を使うための素質なんてものは必要なし。わざわざ魔法使い、なんて専門職が存在しないわけだ。もちろん、それだけが理由じゃなかった。むしろ一番の理由は、使える魔法は一系統につき、一つのみといった制限があることだ。
例えば、土属性の魔法で、岩でできた巨人を作り出し、操ることのできる魔法を使える人間がいたとする。この場合、その人間が土属性で使える魔法はその巨人を作り出すことだけしかできなくなり、土の飛礫を相手に飛ばして攻撃する、といった初歩的な魔法すら使えなくなってしまう。
分かり易く説明すると、○ラゾーマを覚えてしまったら、メ○を使うことはできなくなってしまう、ということだ。スラ○ムが出たとしても、わざわざ○ラゾーマを使わなくてはならない。と、燃費が悪くなることこの上ない事態に陥るわけだ。
……逆に分かりづらかったか? まあ、いいか。
また、一系統につき一つしか覚えることができないということは、戦闘の際、一度攻略されてしまえば、その属性の魔法を使うことは一切できなくなってしまう、という意味でもある。詠唱から何の属性の魔法を使おうとしているのかがばればれのため、対応することも容易い。そのため、戦闘時の魔法はあくまで戦術の幅を広げる程度の物、というのが一般的な考え方らしい。
他にも火と水、風と土の魔法はそれぞれ両立して覚えさせることはできない、といった制限がある。魔法にどれだけの数の属性があるのかは知らないが、これだと、一度に使える魔法は一人につき最高でも3か4種類までしか憶えられないことになるわけだ。
次に、具体的にどんな魔法が覚えられるのか、という話に移る。
習得できる魔法は祠によって決まっているわけではなく、各地にある祠を周る順番や他属性のどんな魔法が使えるかによって変わってくるとのこと。
例えば、ある人は祠1で火の玉を放射する魔法を覚え、次に祠2で火柱を上げる魔法を覚えたとする。別の人が、今度は祠2→祠1の順番で周ったとする。すると、覚えたのはエンチャントの魔法だった、なんてことがあるわけだ。
これが間に地の祠や風の祠なんかを挟むことで、覚えることのできる魔法も複雑に変わるんだそうだ。
もっとも、全く違う順番で祠を周っていた人間同士が、偶然同じ魔法を使える、なんてことも多々あるらしいけど。そういった事態が滅多にないのがエンチャントや、先の貴族のお坊ちゃんが使った雷撃などの、レアな魔法ということになるわけだ。
他人が使い勝手の良い魔法を使っているのを見て、自分も使いたいと思っても、それを覚えるにはその人と全く同じ順番で祠を辿っていかなければならない。
逆に言えば、祠を周る順序さえ覚えておけば、誰にでも同じ魔法が使えることになるわけだが……レアな魔法は覚えた人間がその習得方法を秘匿するため、公になることは滅多にないらしい。
特にエンチャントの魔法はレアな上に、その習得方法が店ごとの秘伝だったり、一子相伝だったりしているためレア度に磨きをかけているらしい。まあ、魔力が社会に大きく貢献しているこの世界で、金のなる木の在処をそうそう他人に教える人間もいないだろうし、この流れは仕方のないことなのかもしれないけど。
いくら貴重な魔法を覚えたからといっても、その魔法が使える人間が大勢増えてしまったら、価値が大幅に下がるということだ。
「なるほどな」
一通り聞いてみて、魔法というものは、思ってたよりも使い勝手は悪そうだが、思っていたよりもずっと面白そうなものだ、と思った。
例えば先ほどサリューネの使っていた水属性の回復魔法を習得していたとして。別の水の神殿で洗礼を受けてしまうと、その魔法は確実に使えなくなる。回復魔法の段階で止めておけばずっと使い続けることができる上に、医者として生きることもできるだろう。だが、さらに洗礼を受ければ強力な魔法を覚えることのできる可能性がある。それまでの魔法を失うというリスクはあるがリターンもあるということだ。
「ちなみに、サリューネはどうやって回復魔法を覚えたんだ?」
「う、あ、えっと、それは……」
あからさまに口ごもる彼女。
「あ~。聞いておいてなんだけど、言いたくないなら言わないでいいから」
「……すみません」
別に謝らないでいいってのに。
「じゃあさ、ほかにはどんな魔法があるのか。色々と教えてくれないか? できれば、あんまり知られてないレアな魔法のことを知りたいんだけど」
「いいですよ。私の知ってる範囲でなら」
魔法の習得方法を教えることができなかった代わりとでも言うかのように、サリューネは知っている限りの魔法についての知識を俺に披露してくれた。
メジャーなものからマイナーなものまで、その対処法も知っている限りは色々と説明を受けていた。
ちょくちょく横槍を入れて脱線させたりしながら楽しく談笑していると、遠くの方から白い物体が近づいてくることに気付いた。
どうやらフェンリルの奴が戻ってきたらしい。
子犬モードのまま、どこかぐったりとした様子のフェンリル。どうやら巨大化はしなかったらしい。律儀にも、俺の許可なく巨大化するな、という言いつけを守ったのか。
「あ。帰ってきた。……良かった。無事だったみたいですね」
俺の視線から、サリューネもフェンリルの存在を確認し、安堵している。
「言ったろ? 心配ないって」
「うー……」
丈夫なところを褒めてやったというのに、呻き声を上げながら、恨みがましい目で俺のことを睨み付けてくる。
「――っ」
が、俺が目に力を込めて睨みつけると、一瞬だけ体を震わせ、何も言わずに首輪を受け取り、人化せず子犬状態のまま無言で横になった。
どうやら俺の視線の意味にちゃんと気付いたようだ。
今の俺は、さきほどと同じようにサリューネに膝枕をされている、といった状態なのだ。たとえこいつがどんなに忠犬だということをアピールしようとも、これを壊そうというなら容赦はしない。その意思を感じ取ったらしい。
「?」
サリューネの方は、川に叩き込まれたというのに、恨み言の一つも言ってこないフェンリルの様子を不思議がっている様子だった。
しかし、こうして寝そべっている姿を見ると、どこから見ても普通の犬にしか見えない。これでもこいつ、魔族なんだったよな。で、この状態のフェンリルはとんでもない魔力を常に発しているから、他の魔獣が近寄って来ないって話だったな。
そこまで思い出したところで、一つ疑問が生まれた。
「あのさ」
「はい?」
「動物と魔物や魔獣の違いってなんなんだ?」
俺が見たところ、この世界の動物と、元の世界の動物は、ほとんど違いがない。違うところといったら、ただ、魔物や魔獣といった化け物が生息しているくらいだ。
「魔獣とは魔力を取り込んだ動物のことです」
あっさりと。何てことのないことのように、結構重要そうなことを言ってのけるサリューネ。
「じゃあ、魔物は?」
「身体に変化を起こすほどの大量の魔力を体内に取り込んでしまった動物ですよ」
またしても、あっさりとしたものだ。
そんなもんでいいんだろうか。
ん? 動物が魔力を取り込んだら魔獣になる? じゃあ、人間が取り込んだらどうなる?
「もしかして、魔族は――」
「魔力を取り込んだ人間ですよ」
その質問をされることを予想していたかのように、俺が言い切る前に答えを口にするサリューネ。
じゃあ何か? 人間は散々魔力に頼って生活をしているくせに、それを体内に宿しただけで差別してるってことか?
……まあ、差別の理由なんて、それだけあれば十分か。
元の世界だと、肌の色や言葉。場合によっては住む場所が違うだけで十分に差別に繋がってたし。
それにしても、魔力か……。
魔族は体内に魔力を宿した人間らしい。それってつまり、魔力付加された人間ってことか?
「ってことは、子作りの際にエンチャントの魔法を使えば、魔族ができるかもしれねえわけか?」
「う、え……あの……それは……その……」
流石にこの質問は予想していなかったらしく、顔を真っ赤にしながら口ごもるサリューネ。
「主様……セクハラですよ」
いつの間にか人の姿になっていたフェンリルが突っ込みを入れてきやがった。
純粋に疑問に思ったから質問しただけだというのに、それをセクハラ扱いされてしまった。
いつの時代も、研究の足を止めるのはくだらない人間の感情だということか……。フェンリルは犬だけど。