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新感覚『般若心経』 〜蒼龍くん物語スピンオフ〜  作者: 佐藤 堅明


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8/10

第八話:五蘊その5【識(しき)】:ボクこそが、正義。

おじいちゃんカモメは、蒼龍くんを「ただの親切な龍」として受け入れました。

 しかしシャリホは、世界を「自分へのサービスセンター」だと思い込んでいます。

 今回は、彼がどれほど自分に都合のいい「色眼鏡」をかけているか、その滑稽な正体を暴きます。

 般若心経の最後にして最大の難所、【しき】。それは「ボクの常識、世界の非常識」に気づく物語です。

泥沼に腰まで埋まりながらも、シャリホは胸を張りました。


「そもそも、この道に泥沼があるのが間違いなのです。

私が通る道は整えられているべきなのです。

私は価値ある男なのですから」

(17時00分。世界の設計ミス。改善要請)


「なあ」

カモメが言いました。


「その“価値ある男”ってのは、誰が決めた?」

「私の経験です!」

シャリホは即答します。


「高い酒を頼めば、皆が頷いた。

私の話は常に歓迎された!」


カモメは泥に映るシャリホを見ました。


「その時、みんなは何を見てたんだろうな」

「……何を、とは?」


「顔か。

財布か」


風が止みました。


泥の水面に映るのは、

宝石を握りしめた、泥まみれの男。


「……違う」

シャリホは言います。

しかし、その声はわずかに弱い。


「彼女たちは、私の知性を……」

「かもしれないな」


カモメは肩をすくめました。


「でもさ。

泥は、あんたを特別扱いしてない」


シャリホは泥を見下ろします。


泥は何も言わない。

ただ、同じ重さで彼を受け止めている。


手帳を開こうとした指が、初めて止まりました。


「……やれやれだぜ」

人は、自分の見え方を「世界」だと思い込みます。


同じ泥でも、

ある者には罰に見え、

ある者にはただの地面に見える。


正しさとは、

もしかすると“慣れた景色”のことなのかもしれません。


次回、第九話。

【色即是空】――!?あのシャリホが気づいてしまう??世界の真理に!?

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