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ギフト【鑑定】だけの俺が、実は最強だったなんて聞いてない!  作者: KeyBow


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タイトル未定2026/01/25 16:30

「よおし!お楽しみはこれからだ!俺にあのデカブツのナイトと戦わせてくれ!君たちはそこの有象無象のジュニア共を頼む!リーダーを倒したらすぐに加勢する!指揮官がいなくなればただの烏合の衆だ!行くぞ!」


 そう高らかに宣言すると、俺は待ちきれないとばかりにドスドスと音を立てて駆け出した。

 背後でベルナが何か言っているがもう俺を止められない。


「あれはナイトでは・・・」


 聞こえたのはここまでだった。


 うむ、確かにナイトの前に何かいるな。そうか、ベルナは俺がナイトの前にいるやつをナイトと間違えたのではないかと思ったんだな。


 俺は今、子供の頃に夢見た冒険をしている。背後には守るべき女性たちがいる。剣のおかげとは言え、戦える力があるなら戦わなければならない。

 それが師匠から言われた真の冒険者の姿!

 年甲斐もなくこれから始まるゴブリンたちとの戦いに心が躍った。


 俺の進む手を阻むように無数のゴブリンジュニアたちが群がってくる。

 ああ鬱陶しい!一体一体相手にしている暇はない!

 俺は二本の剣を大きく振り回すと、信じられないことに剣先から目に見えない衝撃波が走り、触れることなくジュニアたちが面白いように吹き飛んでいく!

 こ、これがこの剣の力か!無能な俺が、まるでベテラン冒険者のように斬撃を飛ばしている!この剣を手に入れたのは本当に幸運だった!まさに無双状態!俺はジュニアをバッサバッサと斬り伏せて群れを蹴散らしながら、悠々と奥で静観している巨大なナイトを目指す。


 その時、ジュニアの群れの奥、巨大なナイトの前にそれより一回り小さいとは言え、ベルナより大きいゴブリンが仁王立ちしていた。


 邪魔だ!ナイトとの痺れるような一騎打ちを邪魔するな!


「どけ!邪魔だ!」


 俺は二本の剣を構え、ゴブリン(本当はジェネラル)に向かって猪突猛進!技巧などいらん!ゴリ押しこそ漢の浪漫だ!剣を振るい、今まさにゴブリンに斬りかかろうとした、その瞬間、背後から凄まじい剣気が迫ってきた!


「くっ!」


 振り返ると、これまで静観していたデカブツ・・・ナイトがいつの間にか背後に回り込み、巨大な剣を振り上げている!

 同時に目の前のゴブリンもこちらの隙を突いて襲いかかってきた!


「な、なんでナイトが後ろに!さっきまであんな前にいたのに・・・まあ、そんなことはどうでも良い。今の俺というか、オッサンには二体同時に相手にする技量はない!先ずは、倒しやすいゴブリンからだ!それよりお前ら騎士道はないのか!俺はサシで戦いたいんだ!」


 俺は咄嗟に跳躍し、ナイトとゴブリンから距離を取った。すると、待ち構えていたかのように、周囲のジュニアたちが一斉に襲い掛かってきた!ああ鬱陶しい!一体一体相手にしているのは面倒だ!俺は剣を薙ぎ払い、迫りくるジュニアたちを斬り伏せる!そして体勢を立て直すと、跳躍して再びゴブリン(ジェネラル)の前に着地し、着地と同時に渾身の一撃を叩き込んだ!今度こそ、奴の巨体は崩れ落ちて直ぐに霧散した。


「ふう・・・」


 これで邪魔者は消えた。

(注:ジェスロは、この斬撃が長年の棒振りで習得した『スラッシュ』のレベルカンストし、スキル『カムイブレード』に進化していたこと全く気づいていない。彼自身はあくまで手に入れた剣の能力だと信じ込んでいる)


 そして俺はいよいよ本命である【ナイト】の前に立った。デカい!威圧感が半端ない!冒険者ってやつらは、こんな化け物みたいな相手と平気で戦っているのか?信じられない!ナイトの放つプレッシャーに、俺の足は思わず震えそうになるが・・・いや、違う。これは別の震えだ。腹の奥底で、奴らが暴れ始めたんだ!


「こんちくしょう・・・朝あれだけ出したってのに!」


 いきなり振り下ろされたナイトの巨大な剣を、俺は二本の剣で辛うじて受け止めた。ガキン!けたたましい金属音が狭い神殿風の建物に響き渡る。こうしてナイトとの戦いの火蓋は切って落とされた!


 ナイトの剣圧は凄まじい!一撃一撃が重く、まともに食らえば骨ごと砕かれそうだ。


「くっ・・・これがナイトだと?伊達にオッサンをしてないぞ!」


 俺は迫りくる剣撃を紙一重で躱しながら剣を振るう!かつて師匠から教わった基本の回避方法が役に立つ。師匠!ありがとうございます!そして振り向きざまに剣を振ると、強烈な斬撃が放たれる!


 その時だった。腹の奥底から強烈な【波】が押し寄せてきた!


「ぐえっ・・・!」 


 一瞬、全身の力が抜け、動きが鈍る!


 ナイトはその隙を見逃さなかった。巨大な足が俺の腹目掛けて飛んでくる!咄嗟に剣でガードするも、衝撃に耐えきれず体勢を崩して地面をゴロゴロと転がった。

 

「ふおおおお!」


 腹の底から込み上げてくる強烈な波に必死に耐える!た、耐えた!危ねえ・・・!ここで、もし奴らが出ようものなら・・・「あの人、ダンジョンでxxxオヤジになっちゃったよ!」


 なんて噂が広まってはオッサンの沽券に関わる!断じて阻止せねば!


「くそっ!踏ん張れ、俺の腹よ!」


 ナイトの剣が再び迫る!しかし、今の俺はオッサンだが剣のお陰で思うように戦えている。子供の頃から夢見た、自分が頑張らねば仲間の命が危うくなる、そんな心躍る冒険者のような戦いが、まさか30代半ばになって冒険者を諦めようとしていたこのタイミングで出来るとは思っても見なかった!この剣を手に入れたのは、本当にラッキーだった!


「楽しい!生きているって実感する!夢が叶った!まさに、これこそが俺の求めていたものだ!」


 俺はニタニタしながらナイトを睨みつけた。


「さあ、化け物!オッサンと勝負だ!」


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