マクスとリネット
ムサシ先生の攻撃は一分間続き、セシルは全部を受けきれなかったけど、防御だけじゃなく、回避行動まで成功させてた。
「ここまで。次はモモ=ゼータと組手をするように。全員回れば、もう一周だ。それを何度も繰り返すからな」
セシルは合計二分間の動きだけで、息も切れ切れで、終わった途端に倒れ込んだ。あの動きだけで疲労困憊になったって事。
「こちらも終わりました。セシリー様も良かったかと。弓の場合、人を撃つのに躊躇いが生まれますから。それを取り除き、攻撃出来てましたからね。移動時、身軽さも必要になるので、そこを鍛えるのもいいかもしれません」
「うぅ……褒めて貰えるのは嬉しいけど、私的には全然だったから」
モモとセシリー、二人の組手は、モモがセシリーを捕まえた状態で終わったみたい。森の中から二人が出てくるのが見えた。
モモからしてもセシリーの行動は割と良かったっぽい。ムサシ先生の圧とは違った形で苦戦したみたいだけど、セシリーも【テアワン】の主人公の一人なわけだし……
「エンドール兄妹は一時休憩だ。次に私とモモ=ゼータの相手をするのは」
『今度こそ、俺様……じゃなくて、茜の番だろ。セシルに負けるようでは、メシアに勝てるわけないからな』
「先生!! お願いします」
「はいはい!! モモとは私がやりたい!! メイン武器は短剣にしたいから、勉強になるし」
「……あっ!!」
『何をやってるんだよ!!』
私が立候補する前に、マクスとリネットが先に手を挙げてしまったんだけど……流石に順番を抜かすような事したら駄目でしょ。
『……いや。ここで怒っても仕方ないか。途中よりも最後で格好良く決める方がいいな』
ヒートは一人で納得してるみたいだから、放っておこう。
マクスとリネットがムサシ先生とモモ相手にどんな組手をするのか。モモの組手は置いといて、セシルとムサシ先生以外の組手は【テアワン】だと省略されてたから。
武器はマクスがメイス。これは【テアワン】と同じで、ハンマーと杖の間を取った感じ?
リネットは短剣。モモみたいに両方に持つ事はしてない。鞭よりも短剣を優先した形ね。
「それでは……開始だ」
……三分後……
「だ、駄目だ。あの状態で動けていたのか?」
「ヤバ過ぎ。殺される感凄くて、全然立ってられなかった」
結果……マクス達は何も出来なかった。というか、息も切れ切れだけじゃなく、腰が砕けたみたいに立つ事もままならない状態になってる。
これを見た状況で、次は私の番。セシルとセシリーが例外なだけで、マクス達と同じようになるでしょ。
「残るはヒート=ラインバルト。私とモモ=ゼータのどちらを選んでも構わないぞ。この組手が終われば、二周目に行くからな」
「そこは私ではなく、最初は先生が相手をしてください。手心を加える可能性はゼロではないので」
私がどちらかを選ぶよりも先に、モモがムサシ先生に譲ってしまったんだけど!! 手心を加える可能性とか言ってるけど、セシリーとリネットにも手加減してるはずだからね。
けど、言われたからにはやるしかない。これでセシルと同じ立場になるわけだし。
「俺もムサシ先生を選ぶ。セシル=エンドールには負けてられないからな」
『その通りだ!!』
ここはヒートが好きそうな言葉を選んでおかないと。




