Eクラスなのですが?
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「話は聞いていたが……何が起きた? 医務室に……止めておこう。一度も行ってないようだからな」
一階の一番端にあるEクラスの教室に行くと、セシル達全員が揃ってるだけじゃなく、ムサシ先生も授業開始より先に来てて、ヒートの姿に心配している。
勿論、ムサシ先生が心配してるのはヒートが変身出来ない事じゃなくて、ぬいぐるみの綿が抜けたようにペッタンコになってて、今は私が抱えてる状態。
メシア様のパートナーであるルシフェルにやられた結果ね。
彼女は突然ルシフェルが出た事も気にせず、ヒートに気付かず、先に行ってしまった。
魔力防壁があるのは私やヒートに関係なかったけど、ルシフェルの自動防衛があるのも知らなかった。という事は、不意討ちは効果なしなのが証明された。私がやったら、余計にヤバくなってた気がする。
「だ、大丈夫です。意識はあるので」
『この姿でなければ死んでたがな。アイツはメシア以上に容赦がないな』
ヒートも愚痴を言うぐらいには回復してる。捨てられた時は息をしてるのがやっとだったから。
「パートナーの事は自身が一番分かってるはずだからな。無理だけはさせるなよ。それでは席についてくれ」
「分かりました……って!?」
教室は現実の世界と変わらない。黒板にロッカー、人数分の机があるだけ。
五人しかいないから、中央ぐらいに横一列に机が並んでいて、セシル達はすでに席に座ってる。開いてる席は窓際。端の席が人気がありそうなところなんだけど……その側にモモが立ってるから、誰も座れずにいるんだと思う。それに……モモがいる事で変な空気になってるような……
「……何でいるんだよ。モモはAクラスだろ? パートナーの件をムサシ先生に言ってくれたのは助かるんだが」
モモが先に学園に向かったのは、ムサシ先生にヒートの事を伝えてくれたんだと思う。けど、一緒に授業を受けるとまでは聞いてない。
「その小物が余計な事をするのか心配ですし、他の者と本当に交流出来るか不安でしたので。初日ぐらいは多目にみてください」
『小物とは俺様の事か!? 新たに名前を考える必要があるな』
私の分身扱いで同じ名前だから、呼び方を考える必要はあるかも。
ここで授業開始のチャイムが鳴り、授業開始。
「授業を開始する。まずは武器の説明をしてから、外で自分に見合った武器を選んでもらうつもりだ。ん? 何か質問があるのか?」
質問があるみたいで、セシリーが手を挙げる。
「彼女……モモ=ゼータが何故いるんですか? ここはEクラスで、彼女はAクラスですよね?」
セシリーはモモの事を知ってるらしい。メイド姿でもあるし、実力もあるから、一日で有名になってもおかしくないか。昨日でも三馬鹿を撃退してるわけだし……
「確かに彼女はAクラスだ。一応、基礎訓練は誰でも受けれる事になっていてな。とはいえ、今日だけだから許してやってくれ。お前達の見本になるかもしれないぞ」
基礎訓練はEクラス以外でも受けれるらしい。周回時に基礎訓練の授業を受けてなかったから、気付かなかった。それに初日の授業にモモはいなかった。これもパートナーであるヒートがいるからだと思う。
「モモ=ゼータと申します。この学園の生徒でありますが、ヒート=ラインバルトのメイドでもあり、この服装をしています。ヒート様の事であれば、何でもお申し付けください。色々と答えていきますので」
「待て待て!! 最後が余計だからな。教えるのは俺の事じゃなく、戦闘の知識とかだろ!?」
モモは礼儀正しく、セシリー達に頭を下げたんだけど、流石にツッコミを入れないと。別に私の事が知りたくて、質問してきたわけじゃないんだから。
「ぷっ!! ……分かりました。彼の事で分からない時はよろしくお願いします。Aクラスの実力も見せてもらいますから」
セシリーは私とモモのやり取りが面白かったみたいで、笑ってくれた。それに釣られて、セシル達もクスっと笑い、変な空気が無くなった。
「疑問が解消されたところで、続けるぞ。武器選びは重要だ。それは魔法が得意な者でも変わらない。戦闘時、魔法が使えない場面も当然出てくるからだ。技術においては先の話になるのだが、そこは覚えておいてくれ」
ムサシ先生はそう言い、様々な武器の用途の説明をしていく。




