ちょちょ
前回までのあらすじ〜
オパーリンのメスのちょちょと青紫のオスのぴーちゃんは、とても仲が良く、雛まで生まれた。
ちょちょは尾腺症という病気で死んでしまった。
悲しみに暮れるぴーちゃんのため、ペットショップへ行き、黄色いハルクインのぴよよを買ってきた。
ところが!ぴよよはオス!
成長するにつれ、ぴーちゃんに求愛し始めるぴよよ。
ペットショップに電話して、「セキセイインコのメスはいませんか?」
「いますよ」
「えっ!じゃあ買いに行きます!」
ダイハツのミラが走った。
☆
「これがメスですね」
籠にセキセイインコが3羽。全部黄色い。
「こっちはオス、もう1羽はルチノーだから性別不明です」
「メスをください」
軍手で1匹捕まえて、紙の箱に入れてもらう。お会計の前に注意事項の紙にサイン。
性別がわからない場合もあります。返品できません。うーん。いっか。
「ちょちょちゃん。お嫁さん」
帰宅して籠に入れると、ぴよよがびびって逃げ惑う。ぴーちゃんも避け気味。
なんか思ってるのと反応が違うな〜。汗。
新しいちょちょちゃんは黄色に緑のチョッキを着たような模様の、オス、だった。
険のある眼光鋭いクールガイ。
他の2羽は逃げ惑う。しかも相変わらずぴよよはぴーちゃんに求愛行動。
夜電気を消すと、ブランコにぴーちゃんとぴよよが押し合いへし合いでとまってぷりぷりぎゃーと言っている。ちょちょは籠の壁面にとまっている。
ちょちょは甲高い綺麗な声で鳴く。
「完全にオスだこりゃ」
1日に数回、ぴーちゃんかわいいねー、ぴよよお利口さんだねー、ちょちょ綺麗ねーなどと声かけをして過ごす。
ぴーちゃんがブランコに乗ったぴよよに近づいて行ったので、「ぴよよ、ぴーちゃんきたよ。ぴよよちゃん、てきたよ」と言う。追い払うぴよよ。ぴーちゃんはとまり木で拗ねてちっちっち……。
「ぴーちゃん、どうしたね、ぴーちゃん?」
一向に止まる気配がない。
「ぴーちゃん、ぴーちゃん!……ちょちょ!」
思わずちょちょの名前を出すと、それまで餌をついばんでいたちょちょが、ぴーちゃんにちょっかいを出した。
ぴーちゃんは拗ねるのをやめた。
ちょちょ。良い男じゃないか。
やがて3匹打ち解けてきて、夕方頃、げげげげげげ、と合唱してうるさくなる。
電気を消すと治まる。
ぴーちゃんとぴよよはもちろん、ちょちょちゃんも大事にするからね。