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一枚上手①

この「一枚上手」の部分でナトス達の事が語られます。

そして、いわゆる第一章・完となります。

~異世界メジューワ、リデニア国首都クヨトウ南街~

~公営ギルドA型事業局南支部・前~


「・・・例によって、また屋根の上なのね・・・」

見覚えのある風景を見渡しながらソロルが言うと

大通りの迎え側にある建物の看板を見た

アンプレスが言う。

「・・本当にクヨトウの南側まで転移したようだな・・・これからどうするんだ?」

その問いに大きな時計塔で時刻を確認した

ソロルが答える。

「・・15時30分かぁ、おじいちゃんの所行ってもいないだろうし・・・“零一遺跡”から持ち帰った魔獣の解体・買取に行こうかな」

「そうか、俺も魔獣から回収した物を現金化しよう・・・手痛い出費もあったしな」

それを聞いたソロルは

苦笑いを浮かべつつ

皆を促した。

「じゃぁ南本店に向かおう」


~南クヨトウ冒険者協会本店~

~1F総合ロビー~


ロビーを抜け、解体買取部署のカウンターへ

向かおうとした時ユナがアンプレスに声をかけた。

「なぁアンさん、ピューネちゃんは私がここで預かるよ、この時間向こうは込んでると思うぜ」

ピューネを抱きかかえていたアンプレスは

答える。

「そうだな、このまま歩き回っては不審がられるかもしれないし・・お願いできるか?」

「あぁ良いぜ」

「でも、アキトさんがこの辺に居ないとも限らないのです・・」

二人のやり取りを見ていたミュウが言うと、

ナトスが言う。

「俺が残ろう」

それを聞いたソロルが言う。

「じゃぁ“空間魔法”で魔獣を抱えてる私とミュウ、アンとミノアの四人で行ってくる、大丈夫?」

ユナは答える。

「OK、目を覚ましたらジュースでも飲んで待ってるよ」

ソロル達は、ナトスとユナ、ピューネを

ロビーのベンチに残し解体買取カウンターへ向かった。

皆を見送った後、

ベンチに座りながらユナが言う。

「・・・この後ボスの所に行くんですか?」

「あぁ、話しておかなければならない事もあるのでな」

「・・・」

「・・・」

微妙な沈黙が流れ、

ナトスが言う。

「・・何だ、聞きたい事でもあるのか?」

その問いにユナが答えようとした時

ピューネが声を漏らす。

「・・ん・・うぅーん・・」

「おっ!目を覚ましたか、ピューネちゃん」

青い目をぱちくりさせたピューネは起き上がると

周りを見渡し言う。

「・・あれ?ミノア達は・・・」

それを聞いたユナは

ピューネに優しく声をかける。

「少し待てば戻ってくるよ、待ってる間何か飲む?」

それを聞いたピューネは頷いた。

「んじゃ、ジュース買ってくるよ、ちょっと待ってな、ナトスさんピューネちゃんお願いな」

ユナはそう言うと小走りで買い出しに出かけた。

「・・・」

「・・・」

微妙な沈黙が流れ、

ナトスは言う。

「・・頭が痛いのは、良くなったか?」

「・・うん」

「・・何か思い出したりしたのか?」

「・・ううん・・」

「・・そうか」

「・・・」

「・・・(ユ、ユナ・・は、はやく戻ってこい)」


~魔獣解体買取部署~


男A「そろそろ買取のみのカウンターを解放します!」

男B「お待たせしているところ申し訳ないですが、買取のみの冒険者は左側の通路へ寄ってください!」

カウンター前は冒険者で混雑していた。

「す、すごいなクヨトウの冒険者は・・買取カウンターがこんなに込み合うのは見たことないぞ・・・」

アンプレスが驚きつつ言うと

ソロルが言う。

「な、なんだろう・・私も初めて見たよこんな状況・・・」

ソロルも驚愕していると、

次々に冒険者たちは怒りを露わにする。

冒険者A「やっとかよ!こっちは二時間近く待ってんだぞ!」

冒険者B「買取のみってなんだよ!解体からの場合はまだまだ待たないとだめなのか!?」

その声にエクードの部下たちは答える。

男A「解体からの場合はもう少しお待ちください!」

男B「昼一持ち込まれた60体もの魔獣の解体がまだ終わっておりません」

するとリーネも奥から顔を出し言う。

「あんれ?まぁーだこんなに居ただかぁ、さっきも言ったんけどぉ明日でもいい冒険者は出直す事をおすすめすんどぉ、中央から助っ人が来てぇ処理する時間が早くなったけんどぉ、本当に時間が読めねぇんだわ」

それを聞いて冒険者たちはざわつく。

冒険者B「んだよ・・待ってりゃそのうち順番は来ると思ってたのによ」

冒険者C「これは本当に無理かなぁ・・・どうするよ?」

リーネは続ける。

「助っ人のおかげでよ、買取だけのカウンターは開くかんらぁ整理券持ってる人から順番に受付してくるうろぉ」

それを聞いてソロルは言う。

「どうするアン、整理券取りに行って受付すませる?」

「あぁそうだな、買取だけだと一人一人時間はかからないし、少し待てば順番は回ってくるだろう、整理券貰いに行ってくるよ、ソロルたちはどうする?」

「・・少し考える」

「そうか、じゃカウンターに行ってくるよ」

アンプレスが整理券を取りに行くと、

周りの冒険者たちが徐々に帰り支度を始めた。

「解体からの冒険者は出直す人たちが多いみたいね」

すると3人組の冒険者パーティーがミュウへ声をかけてきた。

「ミュウじゃないか!久しぶりだな」

その声に視線を向けたミュウは

怪訝な表情を浮かべ答える。

「・・ブレフ・・・」

「ん?・・・ミュウ、大丈夫?」

ミュウの態度から違和感を覚えたソロルが

ミュウへ声をかけると

声をかけてきた冒険者パーティーの

女性が声を荒げて言い放った。

「学生時代から言ってるでしょミュウ!あなたみたいな平民は、私たちの名を呼ぶとき“様”を付けなさいと!」

その剣幕にミノアはキョトンとしていると、

ソロルは頭を抱える。

「(・・はぁ・・・たまに居る勘違い上流階級だ・・・)」

するとリーダーらしき男が後ろから声をかけた。

「まぁまぁキャディ、いくら言っても分からない愚鈍な人間は居るもんさ」

そう言いながら前に出た男は

ミュウの目の前に移動した。

「・・ザック・ログローグ・・・」

ミュウがそう言うと

ザックはにこやかに一枚の紙を手に取った。

「こんな列の後ろに居るんだ、今来たばかりなんだろ?僕らは明日出直すからさ、この整理券を譲ってあげるよ」

「?・・・いいのですか?」

怪訝な表情のままミュウが整理券を受け取ると

ザックは言う。

「いいのいいの、っじゃ」

「あっ、ありがとうなのです・・」

その場を立ち去るザックを追いかけるように

ブレフがニヤつきながら歩いていく。

それにキャディもついて行こうとした時、

半歩ミュウに近付いた。

「じゃぁね、ミュウ・・」

キャディはそう言うと

勢いよくザックたちの方に振り返るように

腰をひねった。

その為キャディが腰に巻いている剣の鞘が

ミュウの脇腹に当たろうとした。

ガシ!

「わぁ!え!?」

それを不意にミノアが掴んだため、

バランスを崩したキャディは声をあげた。

「ん!?」

「何だ!」

ザックとブレフがそれに気づき

振り返った。

するとミノアは満面の笑みでキャディに言う。

「ごめんごめん、びっくりさせちゃったね・・・でも、危うくミュウが怪我をするところだった・・・君も気を付けないとね」

整った顔立ちのミノアが至近距離で笑みを浮かべた為

キャディは赤面し慌ててその場を立ち去った。

「お、おい」

「どうしたんだぁ」

ザックとブレフも慌ててキャディの後を追った。

「何だったのあいつら・・・」

ソロルが言うと、

ミノアはミュウへ声をかけた。

「整理券貰えてラッキーだったね」


「おい、キャディ!待てよ、さっきの奴に何かされたのか?」

ザックが声をかけると

キャディは立ち止まり答える。

「何でもないよ!それより何で整理券を?」

キャディの疑問にブレフも追従する。

「そうだぜザックさん、2時間も待って手に入れた整理券だぜ?」

それをきいたザックは不敵な笑みを浮かべ言う。

「フフ、どうせ今日は順番何て回ってこないよ、でもお人よしのミュウはせっかくもらった整理券、いつまでも待つさ、仮に運よく解体買取が再開されても、順番は12番、4時間は待つんじゃないか、ククク、整理券何て持ってるとなかなか帰れない、捨てる事も出来はしないさ、フフフ」


「っで、どういう関係なのさっきの冒険者と」

ソロルがミュウに声をかけた。

ミュウは渋々答える。

「・・冒険者学院の同級生なのです・・・あまり好きな人たちでは無いのです」


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