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ミノアサイド①

間もなく10万文字になります。

超えたあたりで一旦補足説明の為、紹介を入れます。

~異世界メジューワ、リデニア国首都クヨトウ南街・中央~


~公営ギルドA型事業局南支部入口~


ミノアは建物の屋根の上に居た。

その建物の大通りを挟んだ向かい側、ギルド入口に馬を繋ぐミュウが見えた。

「(やっぱり間違いないかな、樹海入口付近で見かけた冒険者だね、男の方はどこだろ?)」

ミノアは先ほど馬で駆け抜けていく彼らを見たときに、その後姿が、

ソロルを保護し始めて瞬間移動したときに見かけた冒険者たちを思い出させていた。

「ん?」

ミノアが様子を見ているとミュウの動きが掲示板の前で止まった。

「(何か見てる・・お姉の募集チラシだ・・・)」

ミノアの視力は人間のそれを遥かに凌駕する代物。

もともと良いほうぐらいだったが、あることがきっかけで桁を超えた。

そのためこの距離でも、その視線から何を見ていて、その内容も視認していた。

「(ん?中に入らない?男は中じゃないのかな・・・)」

ミュウが馬を一頭繋ぎから解き、立ち去るのが見えた。

顔を上げ歩いていくミュウの顔を見てミノアは思った。

「(彼女は・・・白だね・・・たぶんあの樹海からさっき戻ったのかな、当然お姉が無事かどうか知らなかったはずだよね?・・っで、今張り紙で知った、無事だったって知って嬉し涙・・・どうよこれ、当たってるくない?・・・って苦手なんだよねこういうの)」

ミノアはナトスほど物事を深く考え行動するタイプではない。

自信の直感やその場の雰囲気で素直に動くタイプだ。

そのために起きた不利益、人を信じて裏切られてもそれはそれで自分の責任。

そういう人間性を持っている。

「(あらら、さっきの女性見失っちゃった・・・兄さんは上手く行ってるかな?)」

ミノアはナトスがどこに向かったか見当がついていた。

大通りで二頭の馬が駆け抜ける際、ナトスが人影に気づけたように、

ミノアの視界にも当然捉えられていた。

「(あの女性はギルドで“鑑定”してきた人・・・兄さんは何を聞いたんだろ?・・)」

ナトスの聴力は特別製。

これもあることがきっかけで人間のそれを凌駕することになった。

露出の高いあの女性がギルドでつぶやいた言葉。

ミノア視力で口元が動いているのは分かったが、内容までは分からない。

でもナトスには聞こえる距離。

「(あのとき“美味しそう”なんて冗談言ってたけど、おそらく僕らにとっては重要な言葉だった・・・だとしたら兄さんは未だに“手近”に居た彼女に接触しようとするはず・・・どうよ兄さん!当たってるくない?・・・ふう、疲れてきた)」

ミノアは考えるのを一旦やめ、おそらく中に居るであろう男の方を待つことにした。

しばらくすると思ったとおり男が出てきた。

「(あっ、彼も間違いないね、一番後ろを走ってた男だ・・・ん?)」

ミノアが様子を見ているとアキトの動きが掲示板の前で止まった。

「(お姉の募集チラシ・・・)」

アキトはそのチラシを見た後、うつむき歩き出した。

ミノアはユラユラ歩くアキトを見て、直感的に思う。

「(表情が見えないけど・・・黒かな・・・よし、ついて行こう)」

ミノアはどうしてもソロルの身に何が起きたのか知りたいと思っていた。

兄ナトスよりも先に、彼らがどれぐらい醜悪な悪意にまみれているのか、

それを知っておきたと思っていた。

ミノアはそのまま屋根伝いに距離を取りつつ尾行を開始した。

しばらくトボトボ歩くアキトに変化はなかったが、

後ろから馬に乗る二人組みが現れた、手には誰も乗っていない馬を引いて。

「(ん?あの二人組みは・・・)」

ギルドでミノア達を鑑定した柄の悪い二人組みだった。

二人組みはアキトに近づき引いていた馬を渡すと、

左右から取り囲みなにやらヒソヒソと話しかけていた。

「(・・・なんだろ?こう言う時兄さんなら聞き取れるんだけどね・・・)」

二人の話を聞いているであろうアキトの口角が上がり口元が歪む。

その表情は悪意にまみれた凶悪なものだとミノアは感じた。

「(え!?いやな予感がする・・・)」

アキトが馬にまたがると、その二人も馬に乗り三人はUターンするように走り出した。

「(馬で移動・・長距離移動するのかな?・・・)」

三人はそのままギルドの前も通り過ぎ、

それなりの広さがある脇道に右折し入っていった。

そのまま脇道を突っ切るとまた大きな通りに出て、そこを左折した。

「(こっちの通りは南本店?があるとおりだよね・・)」

屋伝いに尾行するミノアは三人を見失うことなく追跡していた。

三人はスピードを落としある店の前で馬から下りた。

「(ヤバ!あれは転移ゲート!)」

三人は馬ごと“転移サービスKS2番ゲート”に入っていた。

そして当然そこから出てくることはない。

ミノアは尾行は失敗だと諦めていった。

「(ここからの行き先は19箇所・・・とても追えない・・・手を打てばよかった、あの時の男の顔は野放しにしていい人間の顔じゃない・・・)」

ミノアは直感的にそう感じていた、そしてソロルに危害が及ぶ可能性も。

見失った以上今はどうしようもない。

でも調べることは出来る。

「(あの男は冒険者だよね、ギルドで聞き込みしてみるかな)」

そしてミノアはその場から消える。


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