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シャリの初恋②

~異世界メジューワ、リデニア国首都クヨトウ、南街・中央~


「うぇぇーん!ごめんシャリィィ私が召喚したばっかりに嫌な思いさせちゃったねぇ」

「ヒュヒャーン!ヒュルルゥゥゥ!!」

「(もう、二人とも泣かせちゃったよ・・・どうすんの)」

呆れて頭を抱えているミノアに突然ナトスが話しかけた。

「ミノア、ちょっとおぶされ」

「はぁ?おんぶ!?何でよ、意味わかんないでしょ」

「いいから、一瞬で終わる、嫌ならお姫様抱っこになるが・・・」

「はぁ?」

ミノアはナトスが意味のない冗談、意味のない事をしばしば口にするから

おんぶなんて嫌だと思ったが、どうも重要な事のようだと感じていた

「いいから乗れよ、本当に一瞬で良いから」

「はぁ・・・何なの本当に・・・」

ミノアはしぶしぶナトスの背に手をかけ、体重を預けた。

「よい、行くぞ」

バシュン!

「(え!?)・・え!?」

ソロルの視界からナトスとミノアが一瞬消え、ソロルの背後でまたバシュン!

と聞こえたかと思ったら、先ほどの場所にまた二人が現れた。

ソロルには見えないが、見覚えがある現象だった。

「(まさか、瞬足!?)」

ミノアをおろしながらナトスが声をかけた。

「どうだミノア?」

ミノアには兄が何をしたかったのか理解できた。

「・・・まさかこれって」

「“鑑定”の時と同じ感覚だったろ?」

そしてミノアも試しに発動させた。

「(瞬足)」

バシュン!

ソロルの視界からミノアだけが消えソロル達のすぐ背後から声がした。

ミノアはナトスから距離を取ったまま会話を続ける。

「やっぱり僕たちの能力の何かが反応しているのかな・・・」

「その可能性が高まったな」

「それはそうと兄さん、別件なんだけどさ」

「ん?何だ?・・・!!!?」

ナトスは驚きの表情を見せた。

「(瞬足!)」

バシュン!ドゴォォォン!!!

ミノアの斜め上に突き出した左拳がギリギリナトスのガードに阻まれ衝突した音で

辺り一面に轟音が響いた。その衝撃波がナトスの背後に広がる空を駆け抜け、

分厚い雲を一瞬で飛散させるなか、驚き腰を抜かす者、悲鳴をあげるもの、

地震だ天変地異だなどと騒ぐ者で、周りは騒然としだした。

突然のミノアの行動に焦りながらナトスが口を開いた。

「・・・な、なんの真似だミノア・・」

「いやぁ、せっかくシャリちゃんと同じ瞬足を手に入れたからさぁ、シャリちゃんと同じ技で兄さんに一矢報いようとね、思ってさ」

やけにゆっくりしゃべるミノアは冗談とも本気とも取れる目をナトスに向けている。

ソロルとシャリは嬉しさのあまりミノアの名前を呼んだ。

「ミノア!」

「ヒューン♡」

「そ、そうか、それにしては際どかったぞ、クリーンヒットしてもおかしくなかった」

ミノアは淡々と返す。

「お姉とシャリちゃんの無念、二人分だったからね、最悪拳がめり込んでもさ死なないだろうしさ、それなりに・・ね」

「こ、怖・・・」

シャリが突然ミノアにジャレつく。

「ヒューンヒュヒーン!」

「わぁ、なにシャリちゃんどうしたの!?」

強烈なミノアの攻撃はソロルとシャリの溜飲を一瞬で晴らすほどのものだった。

シャリは“瞬足”で少し距離を取ってはミノアに近付きジャレるを

繰り返し何かのアピールをしている様だった。

ソロルに歩み寄ったナトスが話しかける。

「かなりなついてしまったようだな」

ソロルは嫌味を含めて返した。

「そらそうよ、あんたなんかより全然、断然、ミノアの方が良い男だもん、好きになったのよ」

ナトスはそれをさらに嫌味っぽく返す。

「そうかそうか、なかなか男を見る目があるじゃないか、シャリ助は」

「ハン!その何て言うか、上から目線?落ち着いて焦らない大人の男気取られても癪に障るだけだからやめてくれる、あと“助”もやめて、可愛くない」

「ん?意味が解らないぞ、俺はソロちゃんの意見に同意したに過ぎない、俺自身ミノアが良い男であると本気で思っている以上普通の発言だと思うが、“俺の方が良い男だー”と慌て焦るなんて起きえないだろ、まっ・・・言いたい事は分かるけどな」

ナトスが最後に付け加えた一言で遊ばれているだけだと理解したソロルはどっと疲れが出た

「(駄目だこいつ・・・全部わかってて話してる・・疲れた、諦めよ・・)はいはい、わかりましたー」

そんな不毛なやり取りをしている二人に、未だ要領を得ないミノアが困って話かけて来た。

「ねぇ二人ともー、シャリちゃんのこのアピールなんなのー?」

ソロルはシャリと意思疎通が出来る為、シャリの気持ちを代弁した。

「シャリちゃんミノアと鬼ごっこで遊びたいって」

それを聞いてミノアもピンときた。

「あぁ!“瞬足”で鬼ごっこか♪良いよーシャリちゃん!」

「ヒュイ!ヒュイ!」

喜ぶシャリにミノアが提案した。

「じゃぁ最初は僕が鬼ね!ほらシャリちゃん逃げてー」

バシュン!「ヒュイ」バシュン!「こっちか」

バシュン!「ヒュ♪」バシュン!「早い早い♪」

バシュン!バシュン!「ここだー」「ヒャーン♡」

「捕まえたー、んじゃ、次はシャリちゃん鬼ね♪捕まえてごらん!」バシュン!

「ヒュイ!」バシュン!

その光景を微笑ましく見ていたソロルがナトスに疑問を投げかけた。

「そう言えばあなた達“瞬足”も使えるようになったのね」

「そうだな、シェンター殿の所で話した通り、この身で体感すると使えるようになるようだが・・・一つ疑問は残る」

「疑問?」

「俺達はここに来る時、“転移ゲート”を利用している、ソロちゃんの話の中で“転移技能”と言う言葉があったが、それが発現した感覚は無かった」

その言葉を聞いた時ソロルは技能の特異と得意を思い浮かべた

「・・・理由は、いくつか考え着くけど・・有力なのが一つあるわ」

「おっ!そうなのか?」

ナトスがかなり食いついた感じがしたソロルは、

止せばいいのにまたナトスに仕掛けてしまった。

「まぁーあなたには教えてあげないけどね!!(頭を下げてお願いしなさい!ナトス!)」

「(フッ・・)・・そうか・・残念だが、仕方ない・・な・・・」

そしてナトスからは想定外の反応が返ってくるだけなのだ

「!?はぁ!その反応はなんなの!?もっとこう、何んていうの!?“そこを何とかソロちゃん頼むよ”とかさ“なんだよそれー教えろよー”と悪態をつくとかさ!?あるくない?」

「(フフッ・・)ん?“どうしようかなぁー”ぐらいの話しだったら解からんでも無いが、“嫌だ”と言っている人間の気持を変えさせてまで自分の利を求める行為はいかがなものかと思うが?無理強いは良くないだろ」

それも至極全うで正しい理屈のもと返ってくるのだ。

この時ソロルは混乱し、気付けない、互いの前提がそもそも違う事に。

「(え?え!?何それ、理屈が通ってる気がする?わかんない、え?私の感覚間違えてる?いや、え?なに?混乱する・・駄目だ・・・ナトスと話してたら疲れるだけなんだった・・・やめよ)・・・はぁ・・もう行くわよ・・・」

「(フフフッ♪ソロちゃんの反応は面白いな、素直で良い女性だ・・良くも悪くもな・・)おぉーいミノア、シャリ蔵、おいてくぞー」

ナトスがトボトボ歩くソロルから後ろで遊んでいたミノアとシャリに目を向けると、

シャリに捕まったミノアが顔を舐めまわされている光景が飛び込んだ。

「(う・・うわぁ・・・)」

「ヒュゥー!?」(シャリ「蔵ぅ!?」)

「んじゃ、行こうかシャリちゃん」

「ヒューン♡」


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