ジャンクションpc
「そのパソコンなーに?」
そう聞くのは僕の妹だ。部屋の片づけを手伝ってもらっていて、押し入れの中に入っていたpcに気付いたようだ。
「ちょっと昔に作ったPCだよ」
「今じゃ、ほとんど動かないけどな」
さりげなく噓をつく。
「へー、じゃ、どうする?」
「置いといていいよ」
「そうやってどんどん物が増えていくんでしょ!」
久しぶりに怒られた。
「取り敢えず置いといてよ」
そのPCは世界を繋ぐ架け橋だ。
「もー、次こうゆうのがあったら即、捨てるからね」
「まじかよ、まあ少しは片づけたいからな。仕方ないか」
問題はこれを俺が持っていていいのかという疑問だ。夢の世界やIF世界でも行けるこんなものでも僕の使い道は数個しかなく、自分の妄想を叶えたいときとか、もう少し寝たいときにしか使っていない。
そんなPCはいつの間にか部屋にあった。その時あった変わったことといえばゴミ箱がなかったくらいだが、母さんが勝手に回収していたらしい。
今日は土曜日、妹と一緒に部屋の片づけをやっている。今日は日曜日、宿題をしながら音楽を聴いている。今日は火曜日、うるさい西村先生のもとで文法について学んでいる。今日は木曜日、塾に自転車で行く途中だ。
ああ、一個忘れていた、時々記憶がリプレイされる。だがすべてなかったことだ。なかった記憶があるはずだと決めつけるように再生される。
今日は土曜日、妹と一緒に部屋の片づけをやらされている。
「いい加減お兄ちゃんの謎の物入自分の部屋にしまってよ!」
「わかった、わかった」
「じゃ、はいこれ」
そんな状態で渡されても、
「よろしく」
箱の中には大きめのPCとケーブル類がたんまり入っていた。その箱を自分の部屋の真ん中に一旦置き、妹の部屋の応援に行く。
「これどうする?」
「あー、捨てる方向で」
順調に片づけが進む
「これどうしたらいいと思う?」
「紙製のひもでまとめて、玄関おいときな」
そうこうしているうちに片づけが終わった。次は掃除に入りたいところだが、妹は「疲れた~」などと言って動こうとしない。仕方なく俺一人で妹の部屋を掃除することになった。いいのか、妹。
といっても俺は妹のことにあまり興味はないため、素早く終わらせようと意気込んだ。雑巾掛け、掃除機まできっちりやらせてもらった。途中気になったところがあったが、特に触れずにスムーズに終わらせた。これで妹は「なぜか部屋がきれいになってる」と思うことだろう。
今日は水曜日、妹のお葬式に行く途中である。




