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本当の幸せを見つけた日

作者: フサベル

君の心に想いが届いた日の日菜視点になります。なので、まだ読んでない方は先に君の心に想いが届いた日を読むことをオススメします。


初めて視点を変えて書くので、温かい目で読んでください。


あと、人によっては不快に思う表現があるともうので、もう読めない!っと思ったらブラウザバックを推奨します。


構成がグチャグチャなので、また改めて書き直したのを投稿しようと思います!



私には好きな幼馴染がいた。高校も一緒で今年も同じクラスの古賀 淳くんだ。彼とは物心つく前から一緒にいた。一緒にいるのが当たり前だった。引っ込み思案な私を引っ張ってくれた、守ってくれた。


「僕が日菜をいつまでも守ってあげる!」


それが彼の口癖で、その言葉を聞くだけで、私は元気になれた。


でも、小学校5年生くらいから彼が私を避けているように感じた。その証拠に毎日一緒に遊んでいたのに、段々と少なくなっていき、中学に上がってからは話すこともなくなってしまった。

私が話しかけようとしても、彼はどこかに行ってしまう。私は彼に、何か嫌われるような事をしてしまったのかと怖くなり、彼の口から「嫌い」と言われるのが怖くて話しかけることができなくなった。代わりに、別の男子や女子が寄ってくるようになった。彼のいない生活にも慣れたがどこか、心にポッカリ穴が空いたよな喪失感を抱いたまま、私たちは、段々と疎遠になっていき、そのまま進学した。


高校に行ったら、何か変わるんじゃないかと期待していだが何も変わらない日々が続いた。高校に入ってから沢山の男子に告白されるようになったが、何も心に響かず全て断っていた。

そんなある日、私は九条 あきらくんに話しかけられた。


「君が水無瀬 日菜さんかな?」


「そうだけど。あなたは?」


「おっと、これは失礼。僕は九条 あきらだよ」


「あなたが、それで何か用?」


この時、私は彼に全く興味がなかった。


「いやね、偶に見かける水無瀬さんがどこか寂しそうな表情をしていたからね。何か悩みでもあるのかなってね」


(!?何で!上手く隠せてると思ってたのに!)


私が驚いていると


「あははは、分かりやすいね。水無瀬さんは」


「そんなことは・・」


「僕が話し相手になってあげるよ!世間話をすれば少しは気が紛れると思うよ」


彼の言葉はどこか幼馴染の言葉と似ていて私の心にスッと入ってきて、心の喪失感が薄まったように感じた。()()()()()()()


「それじゃ、暇な時話し相手になってもらうね」


私は、いつの間にかそんな事を言っていた。


「もちろん!」


そこで、チャイムが鳴り私は教室に戻るため歩き出した。後ろで、彼が醜く笑っていると気づかず。


それから、九条くんと話す機会が増えていき、いつの間にか彼がいた居場所には九条くんがいた。そこに、誰か居ることに、いつもなら不快感を感じるがそんなことはなかった。そして、いつの間にか喪失感を感じなくなっていた。


そんな、ある日九条くんが教室に来て


「日菜さん、今日放課後時間いいかな?大事な話があるんだ」


そう伝えてきた。


私は、わざわざみんなの前で伝えることもないのにと、思いながらも


「いいよ」


了承の返事を返した。それから、教室は大騒ぎ。


私はこの会話を聞いているであろう、あっくんの方に目を向けると目があった。だが、それはすぐに逸らされてしまった。胸がチクリと痛んだが気のせいだと思い込み


「じゃあ、日菜、放課後屋上で」


「はい」


九条くんに、返事をした。



放課後になり、私は屋上で九条くんを待っていた。


「やっぱり、あっくんはもう私の事嫌いなのかな・・・」


すると、バンっ!いきなり扉が開かれ、びっくりして振り返ると、そこにはあっくんがいた。


「ひっ水無瀬さん」


久々にあっくんの声を聞き、苗字呼びなのは悲しかったけどあっくんが来てくれたことが嬉しかった私はテンションが上がっていた。


「九条と付き合っちゃダメだ!」


けど、あっくんから出てきた言葉に私のテンションは下がった。


(聞きたい言葉じゃない、でも・・・どうしてそんな事を?)


私は、平静を装い聞き返した。


「何を言っているの?」


あっくんは、少し考えた後、理由を話した。


「九条は水無瀬さんのことは好きなんかじゃない。お金のために近づいているんだ、だから!」


私の頭は真っ白になった。


(どうしてそんなこと言うの?九条くんは私の心にある、喪失感を埋めてくれた。なのに、何でそんな酷いことを!どうして、今更嫌いな私の事を心配するの!あっくんから、離れて行ったくせに!どうして今更・・・)


この時しっかり思いをぶつけるか、少しでも忠告を気にしていればあんなことにはならなかったかもしれないのに、冷静じゃなかった私は


「あっくんがそんな人だとは思わなかった。もう関わらないで」


「ごめん、水無瀬さん!でも、僕はっ」


()()()()が何かを言おうとしたが


「どっかいって!!」


いつの間にか叫んでいて、そして、口は止まらず


「さようなら、古賀くん」


拒絶の言葉を発していた。


冷静になった後は、遅かった。もう口から出た言葉は取り消せない。


悲しそうな顔をした後、彼は屋上から去るために歩き出し


「あっ・・・」


手を伸ばしたと同時に扉はしまった。


(あんなことが言いたかったわけじゃないのに、これじゃもう完全に・・・)


そう考えると、目から涙が溢れてきて、消えたと思った喪失感が前より大きくなって感じるようになった。


そして、タイミングよく九条くんが現れた。


「日菜さん!どうしたの?」


「い・・や・・なっ・・なんで・・も・ない」


私が隠そうとすると、九条くんはいきなり抱きしめてきた。


「無理することはないよ!泣きたいときは泣いていいんだよ」


「うぅ・・ひぐっ・・あぁぁぁぁぁ」


その言葉を聞いて、私は涙が溢れてきて九条くんの胸の中で泣いた。


「もう、大丈夫だよ」


そう言うと九条くんは離れてくれた


「本当に大丈夫?無理してない?」


「うん、大丈夫。落ち着いたよ。ありがとう」


「こんな時に言うのはずるいかもしれないんだけど、日菜さんのことが好きです。付き合ってくれませんか?」


九条くんが告白してきた。


私は自分では落ち着いたつもりだったが、まだ落ち着いていなかったらしく、前の時のようにこの辛い喪失感を無くしてくれるんじゃという、考えで返事をしようとしたらさっき見た古賀くんの悲しい表情が脳裏をよぎったが


(もう、完全に縁は切れちゃったんだ。私から切ったんだ)


そう思い、先程の表情を頭の片隅に追いやり


「・・・こちらこそ、よろしくお願いします」


私はこの告白を受けた。胸に痛みを抱えたまま


その日は、九条くんが心配だと言い、押し切られる形で二人で帰った。私は家に帰った後も、胸の痛みはなくならずベッドの上に転がり寝ることにした。


次の日の朝、いつの間にか寝ていたのか重たい体を起こして学校に行く準備をした。

学校行くと、妙に周りがざわついているなと思いながら教室に行き、席に着くとすぐに周りに人が集まってきて昨日の結果を聞いてきた。私は付き合うことになったと言うと、キャーキャー騒ぎ出した。そんな騒いでいる中、古賀くんが教室に入ってくると教室は静まり返り異様な雰囲気に包まれた。古賀くんはそんな雰囲気を感じたのか戸惑っており、携帯を見たと同時にどこかに言ってしまった。

私は何が起きているのか、周りの人に聞くと


「えっ水無瀬さん。知らないの?!あのクズが女の子に無理やり関係を迫ったって」


「そんなっ!あっく・・古賀くんはそんなことする人じゃ」


「でも、これ」


そう言って、見せられたのはうちの制服を着た後ろ姿だけ映った男の人と女の子の画像だった。


「いやでも、これだけで古賀くんだとは」


「九条がな()()()()を見たらしくて、男の顔は見れなかったんだが女の子の方がしっかり顔を見ていてそれがあのクズだったんだよ」


私は必死に否定する材料を見つけようとするが、しっかりとした、証言がある以上何も否定できるところがなく、これが本当のことなんだと信じるしかなかった。

それからは、酷かった。いじめが始まった。いや、イジメなんて生やさしいものじゃなかった。私も、その他大勢と同じように見て見ぬ振りをしてしまった。古賀くんはそれでも毎日学校には来ていたが、日に日にやつれていっていった。

私が、流石に心配になりクラスメイトとして話しかけようとするタイミングで九条くんが毎回話しかけてきて古賀くんのところに行くことができなかった。


「あっくん・・・」


私はあっくんと、無意識に呼び視線をむけるが彼がこっちを見ることはなかった。


そんな中九条くんは、彼氏になってから積極的になり、教室の中で手を繋いだり、抱き寄せられたりした、私は罪悪感や胸の痛みを忘れるためにそれを拒否しないで受け入れたが消えることはなかった。消えるはずなんてないのに。



今日も学校が終わり、九条くんに付き合って欲しい場所があると言われ今そこに向かって歩いてる最中だ。


「九条くん、どこに行くの?」


「きっと、日菜さんも気にいるよ」


「そう、ちなみにそこに行って何かするの?」


「うん、とっても()()()ことだよ。日菜さんも気にいるよ」


九条くんは曖昧な答えしか、返してくれず少し不安に思っていると。いつの間にか、人通りが全くないところにいて不安になり九条くんに質問しようとすると


「おやすみ、日菜さん」


「んっ」


いきなり、九条くんに湿った布で口と鼻を押さえられ


(な・・んで・・助け・・・て・・・あっくん)


私は意識を失った。



次に目を覚ますとコンクリートが剥き出しの部屋だった。


「どこ、ここ?」


動こうとしたら、手足が縛られているのに気づいた。


「何これ?!」


何とか外そうとしていると


「ようやく起きたね」


九条くんが、部屋に入ってきた。


「これは、どういうこと?何でこんなところにいるの?」


「ここはね、もう誰も使っていない廃ビルなんだよ。僕たちの秘密基地なんだ」


「秘密基地?」


「そう、ここなら周りも廃ビルで人も滅多に近づかない、だから何をしても周りにバレることはない」


「私に何をするつもり?」


「君には、お金稼ぎをしてもらうのさ」


「生憎だけど、うちの家庭は普通でそんな大量のお金なんてないわよ」


「くっくっくあはははははは」


九条くんは、いきなり笑い出した。


「何が、そんなにおかしいの!」


「いやいや、そんなことをしたら、事件になって捕まるリスクが高くなるだろ。そんなことしなくてもお金を稼げるだろう」


「一体何を言って」


「水無瀬 日菜という美少女の体が」


「へっ?」


私は目の前の九条くんが何を言っているのか理解ができなかった。


「だ〜か〜ら〜君の体を使って、撮影をしてそれをネットで売り捌くんだよ。現役女子高生ましてやこんな美少女なんて世の男にとっちゃ最高のオカズなんだよ」


「なっ!そんなことしていいわけないでしょ!まさか、最初からその目的で!?」


「そうだよ!あの古賀とかいう男に話を聞かれた時は、ヒヤッとしたがいい感じに喧嘩してくれて助かったよ」


「そんな・・・」


(あっくんが言ってたことは、本当だったんだ)


私が呆然としていると九条くんは更に驚きの事を言った


「変に探られても面倒だったからな、適当に噂を流してやったら周りの奴ら簡単信じちゃってあいつを潰してくれたのは助かったよ」


「あなたが!あんな嘘をっ!あなたのせいであっくんが!」


「おいおい、何さも私は関係ないみたいに思っているんだ。お前もこっち側なんだよ」


そん言葉に私は何も言い返せなかった。


「図星みたいだな」


九条くんは嘲笑うかのように言い放った。


「僕と日菜さんは同じくらい悪いんだよ。同じ罪を背負って生きていこうじゃないか、彼氏彼女何だから」


「ふざけないで。絶対にあなたのことを警察に伝えてあげる」


「その強気がいつまで続くか見ものだな」


「あなたにどれだけ穢されようと私は」


「なぁ、いつ僕だけなんて言った?言ったよな、ここは()()()の秘密基地っておい、もう出てきていいぞ」


九条くんがそう言うと


「やっとかよ」


「待ちくたびれたぞ」


「おぉ〜今回はガチで当たりだな」


扉が開き、チャラい見た目の男たちが出てきた。


「君には僕の相手をしてもらった後に、ここにいる全員の相手をしてもらう」


「そ・・んな・・」


「あはは、いいねぇ!その絶望した顔!そうだ、いいことを思いついた。君が壊れていく様を古賀くんに見せてあげよう!!複数人に犯されながら、よがり狂う君の姿を見たら彼がどんな顔をするか、みものだな!」


私は明確に想像してしまった。好きな人に自分のそんな姿を見られる光景を


「いや!絶対にやだ!」


私は何とか拘束から抜け出そうとするが、びくともしなかった。


「おい、お前らは押さえとけ」


「はいよ」


「ずるいよな〜いつも最初なんて」


男たちが近づいてこようとして、私は後ずさるがすぐに捕まり押さえ込まれてしまった。


「さぁ、日菜さん。お楽しみタイムといこうか。最初は痛いかもだけど、すぐに気持ち良くなるから」


九条くんはポッケトから小さなナイフを取り出して近づいてきた


「いやっやめて!お願い!」


私は涙目で言うが


「おいおい、さっきまでの威勢の良さはどこにいったんだ」


ジリジリと近寄ってきて


「本当そそるね〜さぁ、まずは服おっと!」


ナイフで服が切り裂かれ、素肌が外に晒された。


「いやぁぁぁ!!」


(助けて!あっくん!!)


心の中で昔から守ってくれた彼に助けを求めた。


その時、扉がいきなり開かれ今一番聞きたい人の声が聞こえた。


「日菜っ!!!」


(そんな・・嘘、あっくん・・)


私は声が出ず、あっくんの方を見て固まっていた。そこで、目が合い


「テメェら、日菜を泣かすんじゃねぇええ!!!!」


初めてあんなに怒っているあっくんを見て、私は不謹慎ながらも嬉しいと感じてしまった。


(私のためにまだあんなに怒ってくれるんだね)


それからあっくんは、周りにいた男たちは殴り倒し後は、九条くん一人というところで九条くんは持っていたナイフであっくんを刺した。


「あっくん!!!」


「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」


あっくんは、叫びばがら痛みに耐えて九条くんを殴った。殴られた、九条くんは吹っ飛び気絶した。


あっくんは、限界だったのか血溜まりの中に倒れてしまった。


「あっくん!!!!!!!」


私は何とかあっくんの近くにより問いかけ続けた


「死んじゃダメ!!」


そこに、いつもあっくんといた男の子が警察の人と入ってきた。


「こっちです!って!古賀!?」


「すぐに救急車を!」


そこで、あっくんは目を閉じてしまった。


「死んじゃダメだよ!あっくん!!謝りたいことがいっぱいあるんだから!!」


しばらく、して救急車が到着してあっくんは病院に運ばれていった。私は警察に保護され何があったのか詳しく聞かれ全て話した。時間も遅くなり、また明日ということになり解放された私はすぐにあっくんが運ばれた病院に行った。あっくんの状態を聞くと、危険な状態からは抜け出して一命を取り留めたみたいだ。

私は、安心して泣き崩れてしまった。


しばらく、あっくんに面会することはできなかったができるようになるとすぐに向かった。


あっくんの顔を見て、涙が自然と溢れてきて


「本当に・・・よかった・・よかった」


私は毎日、面会終了時間まで一緒にいた。


「早く、起きてよ。あっくんの声が聞きたいよ。名前を呼んで欲しいよ」


それから、私は学校にも復帰した。学校はそれはもう最初の頃は大騒ぎだったらしい。それもそうだ、生徒の一人がたくさんの罪によって捕まったんだから。それに、あっくんを着替えさせるために脱がせると大量の青あざがあったことで、イジメがあったことが公にでて、教師たちはてんてこまいらしい。これに関しては、自業自得だ。

私も、事件があった後に久しぶりに学校に行くと、いろんな人に心配された。私はそんなことよりもあっくんのことしか頭になかったので適当に大丈夫と答えていたら、いつに間にか静かになっていた。


1週間後、あっくんが目を覚ましたと連絡があって、私はすぐに病院に向かったが病室に入る前に私があっくんにどれだけ酷いことをしたか思い出した。

上がっていたテンションは下がり、急に怖くなった。「嫌い」「もう関わらないで」そんな拒絶の言葉を言われたらどうしようと考え、今更、どんな顔をして会えばいいのか分からず臆病な私は逃げ出してしまった。

何度か行こうとしたが、恐怖が勝ってしまい会えないでいた。


私は自分の部屋で自己嫌悪に陥っていた。


「最低だ私は。お礼すら言いに行けないなんて」


そんな日々を過ごしていると、あっくんが学校に復帰すると聞いた。私、覚悟を決めることにした。


朝早く誰もいない時間に学校に行き、昨日書いた手紙を入れようとして10分くらい迷ったが覚悟を決めて置いた。


その日は、放課後目で上の空で授業に集中できなかった。


そして、放課後になり私は屋上であっくんを待っていた。

ガチャっと扉が開きあっくんがやってきた。あの日のように


あっくんが、口を開き質問してきた。


「水無瀬さん。来たけどどうしたの?」


(苗字呼び・・・仕方ないよね)


私はすぐに表情を切り替えて


「お礼を言わなきゃと思って、あの日助けに来てくれてありがとう。お見舞いに行かなくてごめんね、どんな顔して会えばいいか分からなくて」


私はやっとお礼を言うことができた。


「いいんだよ、僕がしたいようにしただけだから、お礼なんて大丈夫だよ。水無瀬さん」


久々に聴いたあっくんの優しい言葉、声音に泣きそうになり私は


「もう、日菜って呼んでくれないんだね」


ついそう言ってしまった。


しまったと思った時には遅く、あっくんは言葉に詰まっていた


「それは・・・」


私は続きの言葉を聞くのが怖くて言葉を被せた


「当然だよね、あんな酷い態度をとったんだもん。見て見ぬ振りもしたし、本当にごめんなさい」


卑怯なことは分かっているが先に謝った。


「あの状況じゃ仕方ないよ」


それでもあっくんは優しい言葉をかけてくれた。それに、私は感情が高まりいつの間にか叫んでいた。


「仕方なくなんてないよ!あの時私が犯されそうになった時、助けて欲しいと思い描いたのはあっくんだった!私はあっくんに酷いことをしたのに!でも、助けに来てくれた!あんなボロボロになって、殺されかけたのにあっくんはっ・・ぐずっ・・っ!ごめっ・・んね」


もう自分でも何を言っているのか分からないぐらい、頭の中がグチャグチャだった。


するといきなり、あっくんに抱きしめられた。


「日菜は何も悪くない。僕がしたくてしたんだから、怪我を負ったのも死にかけたのも自己責任だよ」


私はあの時抱きしめられた時には感じなかった安心感、罪悪感、後悔、そんな思い出グチャグチャになりながらもなんでそこまで優しくしてくれるのか聞いた。


「どうっ・・して、そこまで私をっ・・私はあっくんを傷つけて!謝っても許されないようなことを!」


「そんなの、日菜が好きだからに決まってるじゃん!」


「えっ」


私はあっくんの言葉に、グチャグチャだった思いが吹き飛ばされ頭が真っ白になった。


「あっくん、今、なんて」


私が聞き返すと、あっくんは私を一度引き離し目を見て  


「何回でも言うよ。好きだ。日菜のことがずっと好きです」


私はわけが分からず怖くて今まで怖くて聞けなかったことを聞いた。


「うそっあっくんは私のこと嫌いなんじゃないの?」


「何言ってるの?」


あっくんは、本当に分からないような顔をして聞き返してきた。それに私は乱暴に


「だって、中学生に上がったあたりから、あっくんよそよそしくなったじゃん!」


そう言うと


「あっあれは・・・日菜が更に可愛くなりはじめて、僕なんかと釣り合わないんじゃと思い始めたんだよ」


最初の言葉は嬉しかったが後半の言葉は意味が分からなかった。


「えっ何それ?どう言うこと?」


聞き返すと


「え〜と、僕ってイケメンじゃないじゃん。だから・・・」


そんなことをのたまった


私はつい思いをぶつけてしまった。

 

「・・・だもん」


「日菜?」


「あっくんはイケメンだもん!カッコいいもん!!」


大きな声で叫んでいた。それでもあっくんは


「いや、でも周りの人が・・」


そんな、馬鹿げたことを言い出したあっくんに


「私の中ではカッコいいからいいの!!どうして周りのことばかり気にするの!!」


そう言うと、あっくんは今気付いたかのような顔をした。それに、私は怒り


「む〜〜今気づいたって顔だね!!」


頬を膨らませて怒っていると、あっくんがそれを突っつき私の口から空気が抜ける音がした。あっくんは何が可笑しかったのか笑い始めた。


「笑い事じゃないよ!」


私が怒りながら言うと、あっくんはまだ少し笑いながら


「ごめん、ごめん、じゃあもしかして日菜は僕が日菜のことを嫌いになったと思って離れて行ったの?」


「そうだよ!あの時は本当に悲しかったんだよ!」


(私は臆病であの時なんでよそよそしかったのか聞くことができず、これ以上嫌われたくないと思って距離を置いたんだ)


「僕だってあの時は悲しかったよ。好きな子に離れられるのは」


(あっくんはただ周りを気にしていただけで嫌われてなんかいなかった、むしろ、両思いだった!)


私は勢いで


「私だって、ずっと好きだったのに!」


気持ちを暴露していた。


「えっ」


あっくんは固まり、私も今何を言ったのか気づき顔が赤くなっていくのを感じた。


「日菜、今・・・」


私は覚悟を決めて


「あっくんのことが昔から好きだった。今も大好き」


もう一度気持ちを伝えた。言葉にしないと伝わらないと学んだから。すると、あっくんはいきなり抱きしめてきた。


「ああああっくん!?!?」


私はびっくりしてどもってしまった。


「じゃあ、あの時ちゃんと話し合っていれば、すれ違わずに済んだんだね。そしたら日菜が怖い思いをしなくて」


あっくんは後悔を滲ませながらそう言った。


確かに今回のことはとても怖かった。でも、今回の事件のおかげでこうしてまた、あっくんと話すことができるようになった。だから、私は


「いいんだよ、あっくん過去のことなんて、大切なのは今どうしていくかでしょ」


未来のことについて考えることにした。


「そうだね、日菜」


あっくんも分かってくれたのか、仕切り直して


「日菜、君のことが大好きです」


ずっと聞きたかった言葉を改めて言ってくれた。涙が自然と溢れてきて


私は


「私もあっくんのことが大好きです」


一番伝えたかったことを、あっくんに伝えた。


お互いの顔が自然と近づき、私は好きな人とキスをした。


この日、私は本当の幸せを見つけた

最後まで読んでいただきありがとうございます!


バカな子ですが彼女は彼女なりに苦しんだということで許してあげてください!



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― 新着の感想 ―
[一言] 将来、寂しかったから浮気したとか言いそうな子ですねぇ……。
[一言] 何人退学や停学の人間が出たやら?
[良い点] 幼馴染みとの離間に心痛めながらも保身と自己弁護が適度に混ざった感じは、高校生(?)ぐらいの年頃としてはある意味等身大だなと思います。物語としては美しくないですが(笑) まあ、前作主人公が…
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