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お花畑女子のゆるふわダンジョン最強説  作者: 豆の木豆太郎
人もモンスターも虜になっちゃう!魅惑の花畑ダンジョン
7/71

7.激動の二週目スタート!!

 

 ダンジョンマスターになってから七日が経った。


 初日はいきなり名付けをしてワタワタしたりお風呂に入ったりして、二日目は地形操作とモンスターの召喚をしたっけ。

 三日目はサリーちゃんとコウ・ライ・ジンくん達が目を覚まして、最初に名付けた子達の変異を確認した。それからものんびり楽しくすごしてたわけだけど、騒動はまだまだ序の口だったみたい……。



 まずはオスとメスを2匹ずつって選んだ花咲マイマイ達が、実は雌雄同体?とかいう奴で、四体全員が産卵するって事態になったの。

 ラブダーツっていうのをそれぞれにぷすっと刺したらそれでもうおしまい。

 二日もしたら産卵してて、更に三日経つ頃には孵化してちっちゃなマイマイ達がいっぱい産まれたのよ!棚田の辺りは一気に賑やかになったんだけど、ハナちゃんマイちゃんマイタちゃんヨネダちゃんはそれ以降産卵していないみたい。


 同じくスケープリザードも、マイマイには遠く及ばないものの色んなところに卵を産み落としてまわった。

 せっせと食べては子作り食べては子作りと繰り返し、天敵がいないこともあって着実に数が増えている。カゲタロウ・カゲジロウ・カゲアンナ・カゲリーナはその後も定期的に子作りしているって。


 ビーンピジョン達はまだ巣作りの段階なんだけど、無精卵や貯め込んだ鳩豆を分けてくれるの。

 鳩豆をミキサーしてホット豆乳を飲むのが最近のマイブーム。ほのかな甘さがあって一息つきたい時にいいのよね。味はずんだシェイクに近いかな。


 後は、ばら撒いた魔化野菜の中から、土地や気候が特に適した一部のものがモンスター化してダンジョンに住み着いたりもした。

 一応あたしがダンジョンマスターだって認識はあるみたいで、あたしを見ると野菜を分けてくれたりするの。フレッシュべジーって種族名で、地味に可愛くて好き。


 他にもウッディの裏にキッチンと流しを設置したり、マイマイ達から収穫したマイマイ米を使って自炊したり、サリーちゃん達の服を用意しようと編み物をして失敗したりと色々。

 あ、ダンジョンマスターにトイレは必要ないんだって。マジヤバイでしょ。



 ダンジョン収益も地道に増えては拡張してを繰り返してる。マイスに言われてある程度のDPを残しつつ、麓のエリア拡張をしてるんだけど、最初から50cmくらいは進んだかな。

 ギリギリ花畑と森が接触したことで森の中の様子も少しずつ分かるようになってきた。




 さて、八日目の花畑ダンジョンもいつも通り朝のルーティーンから。


 洗面を終えて、サリーちゃん達に水浴びさせて、朝ごはんを食べる。

 今日のご飯は乾燥させたマイマイ米をミキサーして粉にしたものにビーンピジョンの卵と豆乳を混ぜてフライパンでふんわり焼き上げるの!そう、パンケーキなのです!


 もっちりとしていて、豆乳を使っているのにとってもミルキーで濃厚な味わい!食べ応えはバッチリなのに重くないって不思議なのよね〜。

 トレントベリーのジャムで味変しながら食べつつ、マイスとたわいない話をしていると、何か変な感覚がしたの。風邪ひいた時の悪寒みたいな、よく分かんない違和感があったんだけど気のせいかなって思ってた。


 午前中のいつものお仕事が終わって、でもまだお昼には早いかなーってダンジョンコアで服作れそうなモンスター探してたら、朝に感じた違和感がまたあった。

 今度は朝よりもハッキリしてて異物感?っていうのかな、大きめのニキビ出来ちゃったみたいな嫌な感じがしたからマイスに相談してみたの。


「異物感ですか……もしかしたら侵入者がいるのでしょうか…コアで調べてみます」


 ダンジョンコアを操作して、各地を確認していく。麓の平野エリア、小さな広場を一つ一つ見てまわって、棚田エリアに頂上エリアと流れ落ちる泉付近……モニター越しでは異常が見つけられなかったから、今度はダンジョン内のモンスターリストを表示してみると、「UNKNOWN」っていうのが三体いるのが分かったの。


 どうしようどうしようって相談してたら可愛い笑い声が響いてきた。パッと顔を上げてみると──



「こんにちは!あなたが最近噂になっているお花畑のマスターさんかしら?」



 ──キラキラして色鮮やかな羽で飛んでいる手の平サイズの女の子が三人いたの。


 え、かわ!可愛くない!?めちゃめちゃ可愛くない!?所々ピンクだったり緑だったりする水色の髪に碧い瞳、シャボン玉みたいな薄く透き通った羽をパタパタさせてて、え、ヤバい!可愛いー!!



「あら?固まっちゃってるわ。そうね、こういう時は私達から自己紹介するのが礼儀よね!」

「そうねそうね!私達は風の妖精、真名は教えられないからあだ名で呼んでくれると嬉しいわ」

「私がミー、こっちがヒーちゃんで、そっちがツーちゃん!」

『三人合わせてヒーミーツー!なんちゃって!』


 キャハハハって笑いながらヒュンヒュン飛び回ってるわ。よし、あたしも自己紹介しないとね!


「こんにちは!あたしはここのダンジョンマスターやってるハルって言うの、よろしくねヒーちゃんミーちゃんツーちゃん!」

「私はアルラウネのマイスと申します。ダンジョンマネージャーに御座います」

「ところで、噂って何の噂?」


 三人は飛び回りながら替わりばんこに説明してくれた。

 暖かくて天気の良い日ご機嫌に飛び回ってたら、すごく綺麗な花畑ができたって話をモンスター達がしているのを拾い聞いたらしい。

 すごく気になって誰が噂していたのか探し回ったら、どうやらラビット種が超音波でやり取りしている会話だってことが分かった。情報元を辿ってみたらこのダンジョンの周りの森に住むホーンラビットが噂の発端だって判明したらしい。


「私達妖精は綺麗なものが大好きで、三人バラバラになって色んなところ探し回ってたのよ。それで今日の朝ミーちゃんが見つけたからみんなで見に来たってわけ!」

「ぐるーっと見てきたけど、噂通りとっても綺麗ね!気に入っちゃった!」

「ねぇ、私達・・遊びに来てもいいかしら?」

「うん?いいよいいよ!いつでも遊びに来て!」

『やったーーー!早速みんな・・・も呼ばなくっちゃ!!』


 え、みんな(・・・)?みんなってヒーちゃんミーちゃんツーちゃんの三人じゃなくって?

 よく分かんなくてマイスの方を見るとまた固まっちゃってるんだけど、もしかしてこれダメな奴だった??


 妖精三人組はそれじゃ!なんて言って目にも留まらぬスピードで散り散りに飛んでいった。


 後々マイスが再起動して説明してくれたんだけど、多分大々的に噂を広めにいったのではないかと。

 風の妖精が噂好きってのは割とメジャーみたいで、あっという間に妖精や精霊に情報が伝播していくはずで、しかもあの感じだと妖精族全体に対して遊びに来ていいと許しを出したと解釈されていそうだと。


 …つまり、どういうことだってばよ?


「…これから妖精や精霊が大勢押しかけてくるかと……」


 うーん、年末のバーゲンセールみたいな感じ、かな?

 まぁみんな可愛いからいっか〜って呑気なあたしと、未だに深刻そうなマイス、ひょっこり顔を出した白くて半透明の小さな女の子。


「……遊びに来ちゃった」




 は や く な 〜 い ?





説明が多いと自分の中のギャルっちが女教師っちになっちゃいがち。

なので、ギャルっち呼び戻すのに苦労しました。


ちなみに、ダンジョンマスターは摂取した食べ物を無駄なく吸収して魔力に変換しているので、排泄はしません。太りもしません。汗もかかないから基本お風呂も必要ないです。とってもエコだね!


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