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お花畑女子のゆるふわダンジョン最強説  作者: 豆の木豆太郎
人もモンスターも虜になっちゃう!魅惑の花畑ダンジョン
3/71

3.シャランラお風呂タイム!


 植木鉢ーズとウッディが放っていた謎の光はすぐに収まった。

 特になんも変わってないように見えるけど…ちょっとウッディが大きくなってるかも?


「ハル様!どこもお変わりありませんか!?」

「うん、あたしは大丈夫だけど……」

「先程は伝えていませんでしたが、ダンジョンモンスターに名前を付けることには特別な意味があるんです。ダンジョンマスターが名前を付けることで、自我の芽生えや新たな特性の獲得など強化ができます。しかし、それにも代償がありまして、大体はDPの追加消費だと言われているのですが場合によってはマスターの魔力や精気、更には一部の血肉を分けることもあるとか。それらの代償を前以て知ることができないと言うのが一番厄介な点なのです」


 マイスが蕾型の結晶に触れてモニターを確認していくと、ウッディが200、サリーちゃんが45、コウ・ライ・ジンの3兄弟はそれぞれ60消費されているみたい。だから、今の残りDPがー……いくつだっけ?


「残り1400ポイントでございます」

「ありがとー!あたし算数って苦手でさー」

「ダンジョン経営についての知識が私には植え付けられているのですが、マネージャーを始め一般兵相当のモンスターにまで名付けをするのは異例なようです」


 マジで?名前無いと呼びにくいし普通じゃない?

 てゆーかお腹空いてきたし、そろそろ帰りたいんだけどどうしたらいいのかなー?


「…ハル様は異世界からダンジョンマスターとして呼び出されたのですが、説明をお聞きになってませんか?」

「いせかい??」

「はい。ここはハル様のいた“日本”とは異なる世界です。なので帰ることはできません」

「えぇーーー!!マジでー!?」


 綺麗な花畑には見たこともないような鮮やかな花が咲いてるけど!

 空気も美味しくていい香りもしてるけど!

 スマホもコスメもカフェもないなんて!

 あ、あのおっさんのせいね!次会ったらハゲるまで髪むしり取ってやるんだからーーー!



 ギャーギャーワーワー叫んでたらマイスが一生懸命宥めてくれた。

 ご飯は今のところDPで取り寄せて、綺麗な泉があるからお風呂もそこに作るといいって。


 DPがいっぱい貯まったらできることも増えるし、通販みたいなこともできるんだって。ちょっと泣いちゃったけど、落ち着いてきたかも。

 手で涙をぬぐうとスッと差し出される美味しそうな赤い果物。マイスが取り寄せてくれたのかな?ありがと……え、めっちゃ美味しい。


「…マスター…元気を出して……」

「「えっ?」」


 あれ、マイスも驚いてる?じゃあこれ誰がくれたの??

 果物があったところを見ると、そこには枝があった。それを辿っていくと、穏やかな顔した木が生えてる。もしかして……


「…もしかして、ウッディ?」

「…はい…名前をたまわりました…ベリーウッズのウッディです…マスターが悲しんでいたので……」

「えー!マジで!?嬉しいありがとうー!!」


 どうぞっていっぱい差し出してくれた果物は、高級苺みたいな甘さがあって、桃みたいな触感とジューシーさ、林檎みたいな後味スッキリの酸味で最高に美味しいフルーツだったの!


「ちょっ、これマイスも食べてみなよ!」

「ハル様!私は食事の必要は…んっ!美味しい……」

「でしょ〜」


 またマイスがなんかブツブツ言ってたけど、あたしもマイスも初めてだし分かんないこともあるよね。


 とりあえず気分もアガったし、お風呂の設定を弄ってーふかふかベッド取り寄せてウッディの側に置いてー、机と椅子は凝ると高くなっちゃうのかー……なら、切り株風の安めの奴にしてみたんだけど、これはこれでアリね!


 てかこのダンジョンコア?ってのに触るとマジすごいの。マイスが言ってた綺麗な泉ってちょっとだけ離れてるんだけど、そこの様子が丸見えで物の配置も楽ちん!

 ベッドの向きとか机の位置とかも超余裕で引っ越し屋さん要らずって感じ!


 お風呂のアメニティセットと、もこもこパジャマに揃いのルームシューズとヘアバンド、スキンケアグッズも通販して早速マイスを引っ張ってってお風呂に突撃!

 しっかりさっぱり洗い流してから、広々な円形の猫足バスタブに二人で入る。


 泉の周りにも花畑が広がっていて、開放感あふれる感じになってるんだけど、なんか不思議パワーで外からは見えないようになってるらしいの。なんて言ったっけこれ……マジックミラー?

 綺麗な景色を見ながら、色とりどりの花を浮かべたお風呂に入って、しかもマイスがすごい良い香りする液体垂らしてくれたからもう最高!

 スキンケアしてる間はマッサージもしてくれて、ほかほか気分のままベッドに戻ったの。



 時刻はすっかり夕暮れで、ベッドに腰掛けて朱から紺へと移り変わる景色を眺めていると、本当に夢の中にいるみたいで。天国ってこんなところなのかなぁなんて考えてたらいつの間にか眠っちゃってたみたい。




 マイスは柔らかな布団をハルに掛けてから、静かに袖の内から種を何粒か取り出す。その種を一気に芽吹かせて蔓植物をウッディに巻き付かせた。ウッディの枝から幾筋も蔓を垂らして小さな白い花をつけたそれは、まるで煌めく緑の天蓋のよう。

 安らかな香り漂う中すやすやと眠るダンジョンマスターを見て、マイスは穏やかな笑みを浮かべる。




 残りDP1370



消費DP内訳


大きな猫足バスタブ5P

お風呂のコンセプト変更2P

純白のふかふかベッド5P

切り株風机と椅子3P

フローラルな香りの入浴セット2P

もこもこパジャマとルームシューズとヘアバンド3P

スキンケアグッズ10P

計30ポインツ。基本戦闘に関わらない物は贅沢品以外極々安い設定になっているので、それぞれ1Pで揃えられます。結構な贅沢ショッピングをパパッとしたわけですね〜。


ハルちゃんは決断が早くてデキる(?)女です。

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