1.let'sプチ整形!
あたしの名前は夢見春瑠。
ファッションとスイーツと綺麗なものが好きなピチピチの18歳!ついこないだ高校の卒業式が終わったばっかりなの。
みんなからはよく「はるるん」とか「ぱるる」って呼ばれてる。春瑠って名前はあたしが春生まれだからって理由なんだけど、あだ名も付けやすいし可愛いしで結構気に入ってるんだ。
今日は渋谷に遊びに来てて、コスメとか服のショッピングして春休みをルンルンで満喫してたのに、もう最悪!何か変なおっさんに絡まれたんだけど!
女の人とかカップルばっかりの丸ニューで一人だけコスプレみたいな格好したおっさんがいてさ、ヤバそうだから近寄らんとこって思った瞬間こっち振り返ってきてマジビビったし。
テキトーに流してたらいつの間にか丸ニューじゃなくてよく分かんない所にいるし、おっさんもなんかよく分かんないこと言ってるし。「オヌシラハエラバレタノジャー」とかマジ何事〜。
ドッキリか何かかと思ってキョロキョロしてみると周りにもいっぱい人がいるんだけど、ものすんごい格好した人とかコスプレしてる人達ばっかり。
その中でもとびきり目を引く赤髪彫り深の外国人系イケメンとか、雰囲気ある褐色美人系イケメンとか見つけちゃって、ついつい見つめてたら話終わってたっぽくて、また場所が変わってたの。
「イミ分かんないんですけど!ココどこなわけ!?イケメンいなくなったし!!」
全部真っ白い部屋にあたし一人でよく分かんない女の声が聞こえるし、オール真っ白ってセンスなくない!?部屋の境目とか全然分かんないじゃん!ワントーンコーデならオフホワイトとかも使えっての!!
「あの……私の話聞いてますか…?」
「何よっ!!」
「あっ、やっと反応してもらえた。ダンジョンマスターに選ばれたあなた様の外見をどうなさるかという話なのですが…」
えっ、マジで!?プチ整形できるの!?何々…髪の色から目の色、瞼、輪郭スタイルetc…えー!悩むんですけどー!
見た目変えられるのなら、やっぱり髪の毛はピンクブロンドでしょー。金髪も捨て難いけど顔の雰囲気は日本人のままがいいし、大好きなアイドルのシニョンちゃんと一緒の透き通ったピンクで!
目の色はー…青もいいし緑もいいなぁ…ど・ち・ら・に・し・よ・う・か・なっと…よし緑で!
今の奥二重も好きなんだけどもう少しハッキリさせてー、鼻も高く、顎は少し出した方が綺麗なんだっけ?胸は十分だと思うんだけど、少しリフトアップさせたいなー。自然と綺麗な形キープできてるとテンションアガりそうだよね〜。身長は別にいいかな、脚だけ長くしたい!
……よし!こんな感じでどうかな?うーん、ちょっと不自然じゃない??
「へっ?あ、私に聞いてました?」
なんなのこいつ反応悪くないー?
「そ、そうですね、現在のあなた様と馴染ませることで条件はほぼ変わらずに自然にすることはできます」
「あ、マジで?すごいじゃん!それじゃそんな感じでよろしくー」
「それでは引き続きダンジョンマネージャー…つまりダンジョンの管理やあなた様の身の回りの世話をするモンスターを選んで頂きます」
今度はお世話係かー。やっぱりイケメンがいいよねー。
「あ、ダンジョンマネージャーは同性がオススメで御座います。身の回りの世話には入浴なども含まれますので」
それならしょうがないかー。
あ、頭にお花付いてる子可愛い!この子にしよ!
「最後にダンジョンの地形選択です。マネージャーがアルラウネですと、花畑タイプ、草原タイプ、森林タイプの適性が高くなります」
「花畑一択で!」
「畏まりました。それでは初期DP3000ポイントと、ダンジョンコアへアクセスできる迷宮主腕輪を進呈致します。ダンジョン生成地はランダムになっております。詳しいことはマネージャーにお聞き下さい」
「それでは、あなた様のダンジョンマスター人生が素晴らしきものになりますように……」
その言葉を聞いてあたしの意識は途絶えた。
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