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貧乏性の公爵令嬢  作者: あまみや瑛理
ゴタゴタ大戦争っ!
83/121

5 招待当日

今日はいつになく大忙しだ。

事前にお父様と系統でまとめた服から選ぶ。


「豪華なのがいいわ。あと綺麗って思わせるもの」


失礼なことなんてもう言わせないわっ。あっと言わせてやるんだから。


「それとケーキみたいなふんわりとした雰囲気の…」


自分でもわかる。注文がバラバラだ。


「わかりました。ではまず10着ですかね、そこから選んでいってください」

「わかったわ」

「あの、失礼いたします。私一人ですがお許しください」


注文を一通り言い終えると、メイドが入ってきた。

しかし彼女のなにを許せと言うのだろう。ただの着替えに3人もいる方がおかしいのだ。


「気にしないで」


なぜか頭を下げている彼女は、バサッと長い髪が舞うのも気にせず顔を上げた。


「噂は本当だったんですね!」

「だから言ったでしょ!アリコスお嬢様はお優しいのよ」


きっと前との比較話だろう。


「よかった…。他の人たちもいっぱいいっぱいで」

「ほらほら手も動かしながらね」

「はーい、マリコッタ様」


ウェーラによると、ジルはマクスとお父様のところへ。カイとレンドーとマッチはリドレイ。他のメイド2人はお母様の元へ。そしてその他、執事2人と料理人たち、計6名は会場のセッティングをしているんだそうだ。

こうして聞くと、我が家の使用人は多い。

しかも、他にレイシアお姉様の専属メイド、コミカもいる。彼女は今レイシアお姉様について、ルィフラエル学園にいる。


「これは?」「これは?」と服をせっせと運んでくれる。


「イマイチ」「んーまあまあね」「あ、それいいじゃない」「こっちの方がいいわ」「論外」など私も順調にドレス決めが終わり、これまで着ずに仕舞われていたドレスの1つに袖を通したのが朝9時。


「さて、私たちも行きましょうか」

「はい」


どうやらお母様はまだ時間がかかるらしい。

会場にメイドの姿はなかった。


「これはここ、けえきは…まだ置かないで」


インテリアデザイナーのイメージを浮かばせる指示をしているのは、ハワードだ。

普段ふた月から半月、我が家の会場でお茶会やらお父様の会議やらが催される。そういえば最近はそう言うものがなかったが、ハワードは久々の来客にわくわくしているらしい。


「ケーキは真ん中にね。切り込みを入れておいて。クレープはいくつかに分けて、それぞれの位置から手に取れる場所に」

「アリコスお嬢様」


口を出したことに起こりもせず、ハワード様は歓迎してくれた。


「いやぁ、新作なんて久々ですからね。俺も腕がなりますよ」

「ハワードさんじゃなくて、俺たちが作ったんですけどね」

「わかってるって」


メイトは元に戻ったようだ。いつもの膨れつらだ。


「これが成功したら、他の方もお呼びするんですか?」

「そうねぇ」

「呼ぶんですか!誰を!いや、どなたを!」


メイトが叫んでいる。

嘘だよなと、一瞬声の低いエティかとも思ったが、エティは首を振った。

いやでも目の前の光景が目に入る。


「メイト、落ち着いて」

「あ、すみません」


(私、個人的にひじょーーーーに、心配です)


メイトにピシッと言ってやりたいところだが、背が低いせいで視線がまっすぐ合わない。しかし、ヒールのおかげでエティには同じ目線になれた。


「どうしちゃったの?」

「僕も知りませんよ。昨日からあの調子です」

「何もなかったじゃない」

「ずっとああでしたよ」


小声の会話にメイトは気にならない風にしている。

でも実際彼は全部わかっているのだろう。


(変なの)


「そろそろですよ」


懐中時計を持ったマクスが現れる。


「あ、アリコスお嬢様。旦那様が呼んでらっしゃいました。こちらへ」


アリコスは無言でついていく。


(いよいよね)

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