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貧乏性の公爵令嬢  作者: あまみや瑛理
おいしいお料理いただきます
78/121

6 目標がより、はっきりとしましたね

「なるほど…」

「主に女性ウケを狙っているので」

「僕も好きだよ!」

「そう、リドもか。嬉しいな」

「これを売るの?」

「え?」


(お母様、それはつまり…商品化するかってこと?)


色紙を使ったのはあくまで中身を区別するためだったけど、ここまで工夫を凝らすとなるとたしかに出費は痛い。

これまでにこれに当てた金額、メイトとエティの人件費を入れた銀貨10枚を思うと、もったいない気も相当してくる。

でも元はといえばぼっち回避、好感度アップであって、ただの方がいいような気もしなくはな…。


(どうしよう)


一人悩み、アリコスはあと数口のクレープを片手に無言になる。

その間、リドレイ達は先程食べたものと異なる果物の入ったクレープに口をつけていた。


「店か。いいかもしれないわね」

「僕これ好き。毎日食べたい」

「私はけえきの方が好きだわ」

「ふむ。パンけえきは食べやすかったな」


アリコスはがっつり聞き耳を立て、金勘定を始めた。


(たとえば城下町に新しく店を立てるとして、金貨70枚。人件費は作成だけでふたり。あのふたりだとして銀貨10枚。限定何個という形をとっても、営業にひとりは必要で、材料費が…)


ちなみにこの世界に食中毒という概念はない。

毒がはいっている事が多すぎて、完全にないのかは知らないが、お店が毒を盛ったという話は聞いた事がない。ないと考えていいだろう。


「できるのなら、お店、開いていいですか?」

「いいとも」

「私達の分もいくらか作ってね?」

「はい!」


この世界に地震はない。なぜか家も空き家以外ならほとんど老朽化が進まない。

なので四代前から同じ家とか、ざらにいる。

そのため人件費は安い割に、土地代、建築代合わせてが高い。

イメージが悪いのか、道路沿いに空き家やシャッター通りは一軒もない。

しかし一本道を入れば話は変わる。


(空き家をリニューアル。それが一番効果的だろうな。あとでマクス様に相談しよう)


「アリーお姉様、すごいね!」

「まだよ。今管理しているお金から貯めて、それに使います。しばらくは一層切り詰めますから、社交界デビューはもう少し先にしていただけると…」

「ああ、もちろんだ。だがイネック王子様と来客の時には正装で挨拶に来るように」

「はい」


ゲームでは最初っから人馴れしているようなキャラクターだったから、近々かと思っていたが、伸ばしてくれるならありがたい。

仲間は作っておくに越した事はないが、早めにイネック以外の婚約者も見つけなくてはならないだろう。


「それと、人はこちらで派遣しよう。だから人件費を抑えようなどと考えるな」

「…はい」


会社なんて経営した事はないが、これはつまり、全て一任してくれているという事?…なのか?


「そうだな、5人くらいか?」

「いえ!3人です。午前午後合わせて3人でなんとかします」

「アリー、まさか自分で働くなんて言わないだろうな?」

「わ!…ではセサリーとカイを交互に…」

「だめだ」

「…わかりました。でも、まずは私に試させてください。誠実で仕事に困っている人を雇いたいです」

「よかろう。それで何ヶ月くらいだ?」

「半年…とか?いえ、もっとですね。一年、二年?」

「はぁ……。社交界デビューについてはまた今度話そう」


ああ。そうですよね、そうなりますよね。


「じゃあ、アリーお姉様!明日もくれーぷ食べたい」

「わかった。メイト達に頼んでおくわ」


こうして夕食が終わった。

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