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貧乏性の公爵令嬢  作者: あまみや瑛理
さっそく始める倹約生活
45/121

1 お仕事です1

横になって軽い食休みをする。

考えてみれば夕食直後の、厨房のクッソ忙しい時間に、皿洗いをしているいであろうカイを借りて部屋へ呼ぶのはいけないとわかるが、もうセサリーも行ってしまったしもう気にしない。

ベットの上から時計を見やる。就寝時間まで2時間もない。


(そういえばステータス。母屋まで片道十分はかかるし、大丈夫だろう)


アリコスは飛び起きて、着替え室まで足を運ぶ。


(さてさてさて開いてみようかな。やっぱりどうしようかな)


この思考をループしては、セサリーが来るのではないかと動きを止めている。がそろそろ本気で危ない。

どのみち、例の同期化がどうちゃらが完了していたら、操作やアイテムボックスの確認に手間を取られて、セサリーに見つかる可能性も高くなる。フォゲット機能もあるし、出来なら早い方がいい。


「ステータスオープン!」


意を決して声を出す。鏡を通じて、青い光が目に入った。


《同期化が完了しました。通知▶︎ステータス機能が閲覧可能になりました》

《通知▶︎》

《通知▶︎》

《通知▶︎》


なんだか一気に通知が来たらしい。画面に《同期化が完了しました。通知一覧より……》で文字が切れている。

鏡に触れると、通知一覧が開いたらしい。目の前が文字でいっぱいになった。


《通知一覧

▶︎ステータス機能が閲覧可能になりました

▶︎称号:ステータス持ちを取得しました

▶︎称号機能より恩恵の効果が発動します

▶︎レベルアップ機能が使えるようになりました

▶︎スキルの習得が可能になりました

▶︎称号:ユーザーよりアイテムボックス機能が使えるようになりましたなりました

▶︎地図マップ機能が使えるようになりました

▶︎カルレシア領内の初級ダンジョン《ただの草原》《裏山》《森》への入場が可能になりました》


よくわからないのでとりあえず、各通知を開いて詳細とやらを確認してみると、ステータスと地図機能、あとはダンジョンが使えるらしい事がわかった。

そしてなんと、アイテムボックスがあった!


《アイテムボックス……現世の物体を異空間に持ち込める。最大量まで収納してもユーザーは重さを感じない。呼吸をしているしていないに関わらず、生物を持ち込んだ場合は即死する。容量:100キロまで》


怖い話を聞かされている感じするが、そういうもんなんだろう。と割り切って今度はステータスを開こうとする。

その時、触れる間も無くドアがノックされた。

アリコスはあわててステータスを閉じ、着替え室を出た。


「アリコスお嬢様。カイです」「セサリーです」

「いらっしゃい。さて早速仕事を頼むわよ」


(さてさてさて?今日はどこまでできるだろうか)


全部屋をダンボールとごみ袋代わりに、口頭で要る物と要らない物を分けていく。


「ろうそくと・・は突き当りの部屋。ドレスはそのままにして、教科書と本は隣の部屋。カタログは第一倉庫へ。あ、でもその前に、家具は全部、うーん廊下へ出して」

「ちょっちょちょお!っと待ってください!俺、記憶力悪いほうなんで、そんな一気に言われても困ります」

「それもそうよね…。ごめんカイ」


すぐに机にノートを広げ、鉛筆を持つ。


「お嬢様?」

「?ああまだいたの。すぐに紙に書くから、隣の部屋から家具を廊下に出して」


「はっはいっ!」


またやってしまった。きつすぎる。

だがアリコスが後悔する前に、駆け足にカイは部屋を出ていた。生まれてこの方、使用人の中では最年少なので、怒られそうな空気には敏感なのだ。

追うのも面倒なので、紙を渡すときに謝ればいいかと考えて、アリコスは手を止めた。せっかくなら『五冊目』に物の一覧を書いて、分類しようと思ったのだ。

こうしてノートを書いている間、セサリーはアリコスの指示でカイの手伝いをする。


【ろうそく】

【燭台】

【机】

【ドレス】etc.


ノートにひととおりの名前を書くと、今度は


【ろうそく 一番奥の部屋】

【燭台   二つ隣の部屋】

【机    廊下】

【ドレス  そのまま】etc.


といった具合に横に書き足していく。

所要時間数十分を要してできた、6ページに及ぶ大作を書き終えると、速足で部屋を出て、『五冊目』をカイに託し、お父様───主にマクスと書類────のもとへ向かう。

執務室はいつもの赤いじゅうたんを進み、夕食場所のひとつ奥の部屋だ。食休みとノートを書いていたおかげで、すっかり体力は回復しているが、往復なんて面倒なことはしたくなかったというのが正直なところだ。

いかにも重厚なドアをノックすると、コンコンッと、実に気持ちのいい音が響いた。


「お父様。アリコスです」

「入れ」

「はい、失礼します」

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