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貧乏性の公爵令嬢  作者: あまみや瑛理
倹約という野望
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2 倹約ノート2

他には【鉛筆】。

でもこれは、この世界にシャープペンを作れる技術がないので仕方がない。

【ノート】も【本】もスマホをはじめとする電子機器そのものがないので同様だ。

あれ、でも待って。お父様の言ってた《キデン》は電気だから、電子機器作れるかも…?それならノートも本も、ついでにろうそくも…

ってだめだ。私、はんだ付けしかできないや。電子回路とか基板とか覚えてないし、はんだの材料もはんだごてもあてがない。

そもそも、電気自体はあっても大量生産ができるようになるまで時間がかかるから、結局高くなるかもしれない。


次!次は…【暖房】?【冷房】?とか?

この世界は、ゲームでは詳細が示されていなかったけど、魔法には《長期魔法》と《短期魔法》がある、らしい。

いつだったか、ルィフラエル学園に通いだしてから、ルードリックお兄様が言っていた事によると、《長期魔法》はバリアなどの《防御魔法》と暖房や冷房のような環境の調節などがある…らしい。

一方《短期魔法》は《攻撃魔法》や、目くらまし、火をつけるとか水を出すとか野菜を育てるなどの《生活魔法》など…らしい。


「あーよくわからない」


アリコスは頭を抱える。

だけど、多分ここに倹約はない。と思った。

とりあえず二重線を引く。


そしてあとは…そうそう、なんといっても【ドレス】!これが一番高いのではないだろうか。

私は正直、見た目をそんなに気にしないタイプなので、新調するのも面倒くさいくらいだ。

しかし記憶によれば、人前で同じドレスは着ない、というのが暗黙の了解らしい。それならば仕方ない。

が、それだけですんなり引き下がれる私ではない。それなら客人が来た時とお出かけの時だけ新しい服を着て、普段着には既に着たことのある服を着回せばいい。

それならギリギリ、人前で同じ服を着てるとは言われない。だがそれは、家族の前を人前とカウントしなくてもいいよう、環境を整えなければならない。

ああ。この道のりは長い。


そうだ。この部屋にはないが【食料品】。

【小麦粉】や【卵】に安価なものを使えば、さっき考えていた料理も大量に作れるし、もし失敗しても無駄になるお金は大分減らせる。

次、外出できる時にはより安価なものを探そう。


「あ、いやそれよりもシーマ達に美味しいものを振る舞おうかな」


もうアリコスはすっかり、シーマ達の笑顔にあてられて、彼らに親がいない事を忘れてしまっていた。

セサリーはそんなアリコスの様子を悪いとは思わず、逆にいい傾向だと思っていた。


「アリコスお嬢様、そろそろ」

「あ、うん」


【三冊目】【四冊目】【五冊目】。

三冊のノートを持って、今日こそ倹約を迫りに行こう。

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