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貧乏性の公爵令嬢  作者: あまみや瑛理
倹約という野望
38/121

1 倹約ノート1

「アリコスお嬢様、夕食へは着替えて行きましょうね」

「わかったわ」


セサリーはそうは言うが、アリコスはあまり汚れていないと思う。

だが日本でも部屋着と外行きは着替えるもの、という考え方もあった…気がするし、面倒なだけで大して嫌な気はしない。


「本当に教えてくれないんですか?」

「ええ」


晩御飯で話す事といえば、やっぱり倹約についてだ。

先に話してしまえば、何度も反対されることになりかねない。外出で既に疲れていることだし、これ以上面倒ごとは避けたい。


「セサリー、今日もって行ったノートを二冊とも見せて」

「これです」

「ありがとう」


今日見て回ったのは領地の極めて一部だが、そこで売られていたものは、ノートと比較してもあまり差はなかった。それぞれ場所によっては値段が違っていても、あまりにぶっかけすぎているということもなかった。

つくづく、カルレシア領はよく管理されていると思う。


「セサリー。私、先に着替えるところに行ってくるから、ノートを片付けてから来て」

「え?あ、はい」


念には念を。

ステータスは…


「よし」


出ていない。


「セサリーです。開けますよ?」

「どうぞ」


セサリーは着替えるドレスを持って、着替え室へ入ってきた。


(さてさてさてさて?)


外出してノートに書かれていた商品のなにが、どんな使い方をするものなのか、どんな使い方ができそうなものなのか、大体わかってきた。

しかし、同じ使い道でも売られている様々で、家の中にある、無駄に高価なものと交換できるものが、たくさんあることもわかった。

ついでに一度試せば、簡単に代用できそうなものもたくさんあるらしかった。

夕食まで少ししかないから、まずは部屋の要らないものと要るものをノートに分けていくことから始めよう。

着替えの時間でも、アリコスは十分に考えがまとめられた。


「終わりましたよ」


ドレスに着替え終えたらしい。

さて次はノートを用意しよう。

早速、本棚から【五冊目】のノートを取り出し、【倹約】と日本語で題を書く。そしてページを開いて、まとめていく。


まず【ろうそく】。部屋にあるものは香り付き、色付きのものばかりだが、全く無用である。

アロマで心が安らぐ、と前世で聞いた事はあるが、今日の夕焼けで再確認した。私は香りより景色で心が癒される。

なのでろうそくは白くて長細い、市販のもので構わない。


次に【家具】。当然部屋にはある。無駄にこった、タンスやら机やら椅子やら、とにかく色々だ。

しかしこれらはせっかくあるし、デザインも嫌いではないのでわざわざ変えるつもりもない。だがもし壊れたら、大半は買い替え不要、あるいはもっとシンプルなものにしようとしようと思う。

家具なんて使いやすければ、見た目なんてシンプルなくらいがいいのだ。


あとは【髪飾り】。これは精巧なだけに壊れやすいが、アリコスはこれまでじゃんじゃん買い替えている。

しかし記憶によれば、髪飾りは何点かを使いまわしてもいいらしい。それなら気に入ったものだけを晴れ舞台用に丁重に扱い、多くは安めのものを使えばいいだろう。

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