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貧乏性の公爵令嬢  作者: あまみや瑛理
アイテムボックスならびにステータスについて
23/121

5 ステータスオープンっ!

気になった私は鏡を凝視している───と思いたい───セサリーに声をかける。


「セサリー、今何かみた?」

「な、なにをですか?」

「文字見えた?」

「え、いやまさか私を疑ってるんですか?私、パスワードとか名前とか、ぜんっぜんみてませんからねっ!?」


自爆がひどい。こんな人初めてみた。


「セサリー、ちょっと…」


軽く睨み付けると、つり目が丁度いい感じに動いた。

そうだな、追い出して拘束して、記憶を消す魔法で、って今の私にできるのか?


(うーん)


「お、お助けください!」

「え?」

「これは今後一切漏らしません。私はアリコスお嬢様に一生使えます。だからどうか、クビにしないで?」

「ん、んん?」


なんだこの状況は。


「おば様からお言いつけなのです。だからどうか!」


なんだか懇願されているようだ。

でもどうしよう。1つ聞いてみるか。


「あのさ、転生者って普通?」

「い、いいえ?初めて聞きました」

「あそうよね」


困った。

一言に尽きる。

まあ後で処遇は考えておこう。


「悪くするつもりはないから、着替え室を出て、この部屋にいて。誰にも会わないで。食事は後にしてと伝えてね。この部屋、声は聞こえるから誰かに言ったらわかるからね」


つまり、ゆすった。


「はい!」


と、速やかにセサリーは着替え室を出た。


「ここで待ってます!」


しばらくみていたが、椅子を引きずって、着替え室のドアから10メートル、1メートル、2メートルと動かし、ちょうどいいと思ったのかそこに腰を下ろした。

聞こえ、ないわけないけどまあ仕方ない。

気を取り直して鏡に向き直る。


《同期化をしますか?

YES/NO》


YESを押す。


《同期化にはしばらく時間がかかります。データの同期化は24時間から72時間、ユーザーの体内で行われます》


なんじゃそりゃ。そう思っていると次のページが開いた。


《誰にもみられないようにステータスをあけたい場合は「ステータスオープン–フォアミー」

ステータスを閉じたい場合は「ステータスクローズ」

半径1メートル圏内の人にのみ、ステータスを見せびらかしたい場合は「ステータスオープン」

※それ以上の圏内にステータスを見せびらかす事は出来ません》


見せびらかしたいってなんだ。というか、私がやったのはこれなのか…。

あと1メートルって近くない?

そして次のページ


《ステータスにロックをかけたい場合は、かけたい部分のみ3秒以上押して「ロック」

ロックを解除したい場合は、鏡に人差し指を触れて「オープン」

ステータスを見せびらかしたあと、記憶を消したい場合は、ロック画面を表示し、相手の頭部に触れて「フォゲット」

10秒気絶し、ステータスについての記憶が全くなくなります

※ステータスを見せびらかした場合、その後7日以上経ってから記憶を消す事は出来ません》


随分便利な機能もあるものだ。

早速セサリーを呼んだ。


「ステータスオープン、ロック」


セサリーがどぎまぎしながら見ている。

そうだ。これをする前に1つ聞いておくことがある。


「ステータスってみんな開けるの?」

「ステータス自体聞いたことがありません」

「ゲームの世界ってあると思う?」

「ははは、そんなわけないじゃないですか!」


すっごく笑われた。


(私はね、セサリー。ゲームの世界にいるんだよ!!)


「フォゲット」


おでこに指先を上げて唱えると、セサリーは気絶した。幸い着替え室の椅子に座らせていたので、ガタンとか変な音はしなかった。

さて、その間に


「ステータスオープン–フォアミー」


《ただいま同期化中です。

同期化にはしばらく時間がかかります。データの同期化は24時間から72時間、ユーザーの体内で行われます》


同じのが出た。するとページが変わった。


《ヘルプを見たい場合は、ヒントを押してください》


もろゲームだ。

ヒントを押すと、


《「ステータスオープン–フォアミー」について

「ステータスクローズ」について

「ステータスオープン」について

「ロック」について

ロックの解除について

「フォゲット」について》


一覧が出てきたようだ。

試しに「ステータスオープン–フォアミー」を押すと、さっきと同じものが出てきた。

セサリーがうなりながら目を開こうとしたので、慌ててステータスクローズと言って、場を誤魔化す策を講じた。

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