表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
貧乏性の公爵令嬢  作者: あまみや瑛理
アイテムボックスならびにステータスについて
21/121

3 お出かけの許可

「さてさてさてさて?」


おっと、これは私の前世の口癖だ。

決してアリコスの口癖ではない。重要だからもう一度言おう。決して、アリコスの口癖では、ないのだ!


「どうかなさいましたか?」


ようやく部屋についたようだ。

夜風に当たって体が冷えたようで、寒い。


「外は少し寒いかなって?」


ここでひとつ思った。

今私は手をクロスさせている。しかしゲームの中のアリコスなら、堂々と贅沢をして、毛皮のコートでも羽織っているのではないだろうか。

そう。これまで通りが重要なのだろうか?

答えは否。

よし決めた。アリコスらしく楽しむのではなく、ライフスタイルから何まで全部、私らしく楽しんじゃおう!


あの長い廊下をようやく抜けたらしい。

セサリーがドアを開いた。

そうそう、この無駄にハイテンションな心境状況のわけを説明をしよう。話は夕食を済ませた所から始まる。


……

回想

……


「お父様、あしたはお仕事ですか?」


例の執事と話せはしないかと、夕食後、去り際に聞いたのだ。

だってお父様なら、自分の秘書がお仕事の間どこにいるかなんてわかるに決まっている。そしてマクスはきっと、お父様について行動するだろう。


「あした、あさっては王宮に行かなければならないんだ」

「そうですか…。残念です」

「アリコスはそんなに悲しんでくれるのか。…でも仕事とはとても大変なんだよ、わかってくれるかな?」


執事とはまた今度か。あとお父様、私バイトならやった事ありますよ?

楽しかったです。楽しかったけど大変でした。とーっても大変でした。だからお疲れなのは百も承知です。


(頑張ってきてください!)


「はい!」


想いを込めて言ってみたけど、伝わったかな?


「ところでお父様。私、近々屋敷の外へ出てみたいんですが、いいでしょうか?」


上目遣いに、高速で瞬きをする。


「急にどうしたんだい、アリー?」

「えっと…」


どうしよう。特に何も考えてなかったな。

ただ単に、外で出回っている物の価値を知りたかっただけで。


(うーーん)


そうだ!取り寄せてもらってた本の中に、外についての話とか書いてそうだな。


「こないだ読んだ本に、外の話がとても面白く書かれていたので、一刻も早く行ってみたくなってしまって…」

「そうか。一刻も早く、か…」


思わぬところで評価点っ⁉︎

許可よ降りよ。来いっ、早く来いっ!


「そうだな。あさってまではルー(=ルードリック)も居るからな。よし!いいだろう。ただし、二回行くのだ」


二回も!でもなんでただし?

私としては思いもよらない幸運なのに!


「あした、あさってのどちらかにルーと相談して行きなさい。近いうちに私も休暇を取るから、その時また行こう」

「本当ですか!お父様ありがとう!」

「そうかそうか。アリーが喜んでくれて嬉しいよ」

「あなた、そろそろ戻りましょう。アリーも早く戻りなさい。夜更かしはいけませんよ?」


優しいお母様に軽く怒られた。


「はい、お母様っ!お父様、お母様、おやすみなさい!」


と、こうしちゃいられない。

物価リストを作り終えないと。でもあれでいいんだろうか。

初めてでよくわからないけど、イベントの景品一覧とかによくあるような、表を作ればいいのよね?

それなら今使ってるのと同じだわ。


……

回想終了

……


というわけで、帰りがてらルードリックお兄様と少しお話しして、あさって行く事に決まり、今に至る。

なんか、馬というのは体力がいるそうで、私の体の心配をしてくれたようだった。

それはそうと今、アリコスは荷造りの真っ最中なのです!それはもちろん、外出用の。


「わー楽しみだなぁ!何着てこう」

「動きやすくて、軽い服がいいと思います。この三着なんかどうでしょうか」


美男なルードリックお兄様とお出かけか!

綺麗な服を着こなして行きたいわね。ただの家族であって、別にデートではないんだけど。


「ボーダーの水色や、花柄のワンピースもいいけど白いワンピースなんて、とてもいいわね」


前世では着こなせかなったからな。

アリコスという、ゲームの住人だからこそできる事。


(…あれ?)


アリコスって悪役だよね?

小さい頃は何着てたんだろ、ともう一度ワンピースに目を移すと目に付いたのは、白地に赤い花ビラの縫われたワンピースだった。


(ああ、この花柄ならゲームのアリコスらしいな。候補の中では二番目に好きだけど、どうしよう。これから着てみようかな?)


そんな考えも、そっと頭の中に入れといたのである。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ