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貧乏性の公爵令嬢  作者: あまみや瑛理
何かが変わる予感
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思い悩むアリコス

「本当!?よかったわ。そうと決まればセサリー、連絡をしておいて」

「あの……アリコスお嬢様。私ではなく、マリコッタ様を通じてなさった方が正確です」


(おかしいな、ゲーム内ではセサリーはそこそこ権威のあるくらい、優秀なメイドだったとおもうけど。でも先輩から学びたいって思うことも多いものね!)


「そう?わかったわ。今日の授業後にでも話してみようかしらね!」

「はい!」


(さて、次は…)


「ハレルドさん、リドレイの作ったクッキーはどのくらいありますか?というか一緒に売りに出していいものでしょうか」

「もともとアリコスお嬢様のために作っていらしたようですから構わないでしょう。100…枚もあるかな?数えてないんですけどね?となりの倉庫で保存魔法をかけてあります」

「保存魔法!?」

「はい。種類にもよりますがクッキー自体は大体2、3か月持つでしょう」


そしてハレルドは合点したように付け加えた。


「ですがクッキーついてはリドレイ様から直接お聞きください。秘密にしろとはいわれなかったのですが、なるべくバラしたのが俺だというのは秘密にしていただけると…」

「ふふっなるべくそうするわ」


(こんな楽しそうなこと。リドレイはいつ言ってくれるのかしらね。全く)


………

……


「さてさてさて?」


部屋に戻ったアリコスは早速考え込んでいた。

勉強が始まるまで4時間。


(予習の時間は1時間半はいるだろうから、プレゼンにかけられる時間は2時間程度か。今日は無理かな)


このころアリコスは勉強をしないことが気持ち悪くなるまでになっていた。


(普段ならまだしも、貴族が商売だなんてっ!と言われるだろうな)


こうしてアリコスは約3日をかけてマリコッタにするプレゼンテーションの用意をした。アリコスはノートにプレゼン用に【原稿】と書いたノートを作った。

アリコスは3つの軸を用意して展開させることにした。

【1つ目 領民を対象とし、領民の収入から買える値段に設定すること

2つ目 クッキーに含まれる砂糖が領民の健康を支えることになるということ

3つ目 アリコスの父、セレルドは2人兄弟であったから研究施設をつくるお金を捻出することができたが、アリコス自身に好きなことができたとき、4人兄弟のアリコスに研究施設を建てるようなその費用をかけることは難しいだろうということ。よって早くからお金を貯めておきたいということ】


(3つ目はほとんど嘘なんだけどね。でもみんないい兄弟だし、私のために使わなくてもいいと思うな)


アリコスはシャープペンを回すような動作をして、ペンを落としてしまった。

(服にはねなくてよかったぁ!)


アリコスは服のシミを確認したが問題ない。いまの室内着は実はダンジョンに着ていったワンピースだったりする。


(あ!戦争が始まったときお金を出せば多少見る目がよくな……だめだった、学園の生徒の出兵は絶対。魔力が強いからという理由で爵位をもらっているという起源の貴族は絶対いかないなんてムリ。あーあ)


アリコスは【主人公側キャストの財政難や起業など出資が必要なときにお金を出す】と書き込んだ。


(でもたかだか数百枚のクッキー売ったところで、出資なんてムリムリ。そもそも戦争に出資だなんて夢のまた夢、ポケットマネーにしかならないわ。それとも事業はじめる?なんてね)


アリコスの記憶では、起業なんてするのは男爵や子爵くらいで暮らしを支える副業程度だ。アリコスは青くなった。


(怒られる気しかしない)


ひとまずアリコスはノートを閉じて、先に勉強をすることにした。


(でも前世の記憶に頼れば、頭脳バトルの漫画でお金って生きる上での切り札よね?それにそのくらい貯めないと研究施設みたいなものをっていう論理が成り立たないし…)


アリコスは手を止めて悩んだ。


(でも起業ってそんな、仕方ないからみたいなノリで始めていいものなのかしら?まあいいわ)


アリコスはもう一度ノートを開いてこう書いた。


【うまく行ったら、また焼いて売る。今回は試験期間ということで!】

【作者より】

次回には三年越しの設定が役立ちそうです。

長くやって来たんだなと思います。ここまで読んでくださってありがとう。

2月分は3/11に投稿いたします予定です。

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