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貧乏性の公爵令嬢  作者: あまみや瑛理
何かが変わる予感
112/121

心が楽になりました。1

パフェロッフェ=栗

【作者より】

最近誤字、特にファリムス侯爵家の表記をうっかり直し忘れることが多く、!?と思うことが多いのではないでしょうか。現在収集をしているところです。すみません。

【Dear アリコスへ

学園生活はたのしいものよ。アリコスが来るのが待ち遠しいわ。クラブはやっと先輩方のテーマが決まり、研究がはじまったところです。友人と、先輩方のやつれようはとてもお辛そうだったからよくやく心が楽になったわね、と喜べるようになりました。

ファリムス侯爵家のご子息とはいかがですか?ちゃんと手紙は返ってきたわよね。よければ読ませてほしいわ。

ああかわいいアリー。会える日が楽しみでたまりません。こちらではパフェロッフェが出回っています。お土産にもっていきますわね。

帰ったら学園へ持っていけるようなお菓子もお願いしたいわ。

レイシア・カルレシア】


アリコスは12歳7カ月を迎えてた。

これはゲームのよいところというか悪いところというかーー作物の影響が日本人として四季があるのはありがたいーー季節は突然に移り変わるらしい。現在はしばらく前は冬だったのに今は夏だ。文面でレイシアがいうには、次はまともな秋が来たらしい。


「パフェロッフェだなんて、高価なものを…」


アリコスは内心叫んでいた。


(パフェロッフェ集めは最高に面倒くさいんだって!ゴブリンの倍くらいしか戦力ないくせに回避四倍とかふざけてるでしょ!)


とまあ、ちょいちょい季節(シーズン)イベントを挟んでくるところがいただけない。

フィオラの提案で最初に文通をはじめたのはレイシアだ。

アリコスはレイシアとの文通ーもちろんレイシアからの手紙だけだが、これを広げて見比べてみる。


「やっぱりそうだわ」


半月ほどで、徐々に字が上手くなっている。何か決定的な地雷(イベント)踏んでしまい(が始まり)そうでとてもじゃないが直接言うなんて論外だが、誰か好きなひとができたのではないかと、アリコスは踏んでいる。


………

……



この頃既に1日15時間におよぶ勉強で、アリコスの成績はマリコッタの満足にいくほどまで回復していた。しかし、例のリドレイ警戒体制により、「アリコスの監禁はもうしばらく続くことになる。」と、アリコスは宣告されていた。

しかしそれはアリコスにとってどうでもいいことであった。週末には夕食の場でリドレイにあえたし、そのときフィオラに許可を取ればすべての使用人に会うことが許された。

ノエタールもレイシアもルードリックもセレルドも、予定が合わなければそもそも会えない。


(でもせっかくきていただいても会えないというのが一番悲しいわね)


「レイお姉様が帰ってきます」


フィオラはなにも言わずにインゲンをナイフとフォークでいただいている。


「会ってもよろしいですか?」

「構わないわよ」


本当になんともない顔をして、銀とグラスを混ぜたようなコップを持ち上げ、水を口に含み、飲み込むと、目をあげた。

人形のようだと、アリコスは思った。銀のドレスがーーもっともアリコスに影響されフリルを増やす代わりに銀の刺繍を施したワンピース基調のドレスだがーー白いフィオラの肌によくにあっていた。


「ありがとうございます!」

「僕は、お母様、僕は?」

「リドレイは、そうですね。レイシアが良いといったら構いませんよ」

「アリーお姉様は?」

「はぁ、リド」


お母様はとっくにグラスをおいていらして、ターキーに似た食べ物として使われるララコレットのおおきな手羽先肉をナイフで裂いていらした。


(久々だけどやってみようかな。屋敷の中だし、倒れたらマリコッタが助けてくれるでしょう)


危険な賭けといえばそうだが、とにかくSPポーションは手元にない。


(鑑定。ララコット)


クリスマスに出てきそうな、それこそ今とほとんど変わらないイメージが浮かんできた。しかしよくよく考えると某会社の配色だ。


(成功した、のかな?多分。しかも倒れてない!やった!!)


「メイト?」


扉が開くと厨房へ向かったお母様付きのメイド、コルモレッタがメイトを呼んでいるのが聞こえた。


「リドはレイとアリー、どっちと会いに行きたいの?」

「うう…」


アリコスは意味がよくわからなかった。しかしフィオラ、マリコッタ、マッチはよく意味がわかっていた。


「だけど、うう……」

「お母様、私は…」



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