表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
貧乏性の公爵令嬢  作者: あまみや瑛理
何かが変わる予感
PR
104/121

3 再びダンジョンへ

1週間の勉強をやっと終えて、アリコスは早く眠る。


『朝ごはんはいらないから明日は起こしに来ないでね。ゆーーーーっくり寝る日なの』


実際あながち間違いではない。

前世で目覚まし時計には頼りきりの生活だったので、アリコスとしての私がどうなのかは賭けである。

遅くまで眠ってしまったらそれだけダンジョンにいられる時間は短くなってしまうのだ。


明日は起きて身支度を整えたら裏山のダンジョンに向かう予定だ。

なので今日は3切れのパンをアイテムボックスに入れて、ワンピースと剣と『裏山にいるから夕方迎えにきてね』と書いた手紙を棚の中に入れる。


「さてさてさてさて。ふふふっ」


モンスターが出るか出ないかもわからない。薬草が取れるかもわからない。だがどうにも楽しみで仕方がないのだ。


「まるで遠足の気分ね」


アリコスは真っ暗な部屋につぶやくのである。


………

……


翌日は想像以上によく眠れたが、残念ながらセサリーとレンドーとジルがベッドサイドに配置されていた。


「?…‼︎」


目を開けて、目を閉じて、目を開けて、そして驚いて飛び起きた。


「マリコッタ様のお話で」

「裏山にいかれては困るので」

「我々が監視を…」


アリコスはちょっとの混乱を抱えて、にこやかに笑うととりあえず走る。

寝起きに走るというのは初めての経験だが、その時ワンピースと剣を抱えると、《瞬間移動》と心に唱える。


「アリコ…」


レンドーの転ぶ音がする。


「アリコスお嬢様!」


ジルのパニックじみた声が聞こえる。

セサリーも唱えていたらしい、ドアにセサリーが突然立ちはだかったのには驚いた。

それはともかくとして、こうして急ブレーキをかける間にアリコスは屋敷からいなくなっていたのである。

アリコスの胸はまだドキドキとしていたが、セサリー達にとっては大問題であることに違いはない。


………

……


鳥の声が聞こえた。

そこは森だった。


「さてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさてさて?」


ショートした思考回路で何度もそれを呟いて、ようやく昨日、替えのブーツとワンピースをアイテムボックスに入れた自分に感動した。

ワンピースは走ったときに落としてしまった。きっとレンドーはそれで転んだのでありがたいといえばそうなのだが、靴の方は予想外にも素足なのだ。


(あ、鳥)


モンスターがいないことを確認して、その中で正面の木に例の木の表皮に苔のような、黒い物体、懐かしい薬草が張り付いているのが見えた。


「やった!」


まずはマリコッタの教えに反し、剣を手放し服を着替え、靴を履く。


「よしっと…」


キィ――――――ン


しばらく忘れていた、超音波のような音が走り、慌てて剣を取って身構える。

そして案の定、スライムが出てきた。

前回に比べれば、随分慣れた手つきで斬る。

ピコン、とこれもまた懐かしい聞こえる。

すると今度はゴブリンが、ちらほらと現れる。

こちらもピコン、ピコンと倒して行く。

そうして剣を振るっていたが、数が前より減ったような気がする。すぐにモンスターはいなくなった。


カサカサ


草むらに音がして、一体のゴブリンが見えた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ