第4話
サタン「おぉ!!大事なことを思い出したぞ。」
俺「やっと思い出していただけましたか!!」
サタン「新入り、お前の魔界での新しい職業を決めねばならぬ」
俺「しょ、職業ですか…(名前はどうなったんだよ…)」
サタン「うむ、お前のいた人間界にも色々な職業があっただろう?
空き巣とか、スリとか、結婚詐欺師とか、オレオレ詐欺の受け子とか」
俺「え、ええ…(それ全部、まともな職業として認識されてねえよ!)」
サタン「この魔界にも同じように職業があるのだ。
例えば暗黒騎士や魔獣使い、大魔導士のようにな」
俺「なるほど(なんかRPGの敵役みたいだな…)」
サタン「だがお前は魔界に召還されてきたばかりで、
残念ながら今はまだ無職なのだ。
ほら、人間界でも無職は最低のクズとしてさげすまれているだろう?」
俺「そうですね(あんたがさっき挙げた人間界の職業の例のやつは、
無職以上にさげすまれているものばかりだけどな…)」
サタン「なのでお前にも早急に職を用意してやらんとな。
このサタンの配下ともあろう者が無職とあっては、
魔界中の笑いものにされてしまうやもしれぬしな」
俺(名前がないのは大丈夫なのかよッッ!!!)
サタン「とはいっても、魔人にもそれぞれ向き不向きというものがある。
力の素質が無い者に戦士や武道家は向かぬし、
魔力の素質が無い者に魔術士は向かぬ。
そこでお前には、まず魔界職業診断を受けてもらう」
俺「魔界職業診断…ですか」
サタン「うむ、これからお前はいくつかの質問に答えるのだ。例えば、
『汝が戦いに勝つために必要なものはなんだと思いますか?
1.力 2.勇気 3.知略』とか、
『汝の願いが一つだけ叶うとすれば、何を望みますか?
1.他を圧倒する強大な力 2.全てを服従させる絶大な権力
3.誰にも縛られることのない自由』といったようなかんじだ」
俺「なるほど。その質問に答えていくことで、
俺の、目には見えない資質がわかるわけですね」
サタン「その通りだ。では早速始めるとしよう」
俺(魔界の職業か…うわー、なんか緊張してきたな…
変な職業になったらどうしよう…でもせっかくの機会だ。
見栄をはって格好をつけたりせず、自分のありのままで答えるぞ)
サタン様は携帯電話を取り出し、どこかへと発信を始めた。
そして番号の入力が終わると携帯を俺に差し出してきた。
俺(携帯電話でやるんだ…)
???「お待たせしました。ご注文をお伺いします。
1.ハンバーガー 2.チーズバーガー 3テリヤキバーガー」
俺「…2で」
???「セットにいたしますか?単品にいたしますか? 1.セット 2.単品」
俺「…1で」
???「セット内容をご確認します。ナゲットのソースはいかがなさいますか?
1.バーベキュー 2.マスタード」
俺「…1で」
???「お飲み物はどうなさいますか?
1.コーラ 2.オレンジジュース 3.処女の血」
俺「…2で」
???「お飲み物のサイズはどうなさいますか? 1.S 2.M 3.L」
俺「…3で」
???「ご注文を確認いたします。
チーズバーガーセットのナゲットはバーキューソース、
お飲み物はオレンジジュースのLサイズでよろしかったですか?
1.はい 2.いいえ」
俺「…1で」
???「店内でお召し上がりになりますか?お持ち帰りになさいますか?
1.店内 2.持ち帰り」
俺「…2で」
???「ご注文を承りました。
お会計は66万6000魔界円(日本円に換算すると66万6000円)
になります。商品ができあがるまで少々お待ちくださいませ」
しばらく呆然としていた俺であったが、正気を取り戻しサタン様のほうを向く。
俺「なんかハンバーガーショップの店員みたいなのがでてきたんですけどおお!!
そして値段がひたすらに高けええええええええええ!!!!!」
サタン様があわてて携帯を確認する。
サタン「え…マジで?…あ、やべ。間違ってドクロナルドに掛けちまってたわ」
俺「なんですか!その危ない香りのする店名は!!
てか、こんなときに間違い電話を掛けないでくださいッッ!!!」
サタン「番号は…合ってるな。よし今度こそ本当にお前の職業が決まるぞ。
心してかかれい!!」
再びサタン様が携帯を差し出す。
???「魔界へと足を踏み入れし者よ。汝、我の質問に正直に答えよ。
さすれば、汝に相応しい道が開かれん」
俺(おおぉ!!今度はなんかすごくそれっぽいぞ!!!)
???「汝の性別を答えよ。 1.男 2.女」
俺「1です!」
???「…ご苦労であった。汝に相応しい職業は…『まかいしんかん』だ」
俺「早ええよッッッッッ!!!!!!!!!!」