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9 崩壊

どうも魔王です。


二日前、東のツノ犬とかウサギを狩って町に戻るよりそのままレベリングしようということで、休んだりしつつも順調にアインさんはレベルアップしていた。


私は魔王だから必要経験値多いのかな?など疑問に思いつつレベリングと休憩を、はさみつつ一日が経った。


戻ることはせずツノ犬3匹と戦っている途中にピロピロとレベルが上がって、ちょっと不思議と思いつつも倒してステータスを確認するとレベル2になっていて各パラメータも飛躍的に上がっていた。


今回レベルアップしたことで分かったことは魔王にはボーナスポイントがないこと


とはいえ、初期が8000だったけどレベル2で10000超えになってるパラメータが見えてる時点でおかしいのだけどね…


「さすがにずっと狩りばっかだと狂っちまいそうだぜ…」


ため息混じりにアインさんはそう言うけど、これ以外する事がない…娯楽の類がないのは辛かったりする。


ゲームの世界で何を言ってるんだと思われるかもだけど、今ではこの世界が現実なんだって思うと娯楽の一つや二つ欲しいと思っても仕方ないんじゃないかな…


不眠不休なのも意識しなければ特に問題はないけど、精神的にはやっぱり休みとか美味しいもの食べたりなどを欲してる。



「それにしても1日やっても中々レベル上がらないもんだな」


私なんかさっきようやくレベル2になったのにアインさんが軽めの愚痴をこぼしている。


一度町に帰ったらテントなど入荷されてないか確認しようとか、もし無くても休めれるところ探そうなど雑談混じりにモンスター狩りは順調に進んだ。




夜…そろそろ町に戻ろうと思ってアインさんと歩きながら帰る途中、唐突にレベルアップした。


ピロピロピロピロピロピロピロピロ


ん!?音がかなり重複してる…?

あまりに急だったので思わずビクッとなってしまった。


「お?なんかきた」


ボソッとアインさんがそう言って指を動かし始めたので、私も今のうちにステータス確認しようとメニューを表示してみると、どうやら私にもメッセージが届いていた。



・魔王が少し力を取り戻し、勇者達の能力が一部低下致しました。



あ…私がレベルアップしたからだなーと思っていたら急にアインさんがうずくまって震え始めだした。


「え…?アインさんどうしたんですか?」


「し、シュリはなんともないのか?」


あ…これが能力低下の影響だろうか!?だとしたら私もアインさんみたいにしなければ不自然だ!


「わ、私も辛いですがなんとか大丈夫です!」


「そ…か…良かった」


本当に苦しそうな顔で汗を大量にかいていた。


「アインさん大丈夫ですか…?肩を貸しましょうか?」


「あ、あぁ頼む…町まで着けば安心だから…」


私にもたれかかってきてちょっと動きづらいけど、町まで行かないと


さいあく戦闘になってもアインさんのDEFなら大丈夫…いや、あのメッセージがどんな意味で能力低下してるのかわからないから、戦闘になれば守らなければいけない…




アインさんは時折首をがくっとしつつも歩いてくれた


しっかり肩を貸してくれるのはいいのだけどさっきからアインさんの汗が私の服に付いて濡れ始めてるのだけど…相当汗を出して…出してる?出してる…


汗…を…?


私は今まで汗は出なかった…というより現在も汗は一滴もない


アインさんも分厚い鎧を着込んでたようにみえたけど汗を掻いていなかったはずだ


本格的にやばいなと思いつつも、それで歩みが早くなるわけではない




歩いていてまた違和感を感じた…


こんなにモンスターって少なかっただろうか?


帰り途中の戦闘を覚悟していた中モンスターと出会わないからラッキー程度に思ってたけど、この緊急事態でこれは異常としか思えない…なんだかすごく嫌な感じがする…



どれだけ歩いたのか忘れそうになるくらい焦っていて町までとても長く感じる…


ピロピロピロピロ…


またレベルアップの音が聞こえた。

今レベルアップされても急かされているようにしか感じない。


ようやく町がもう少しで見える位置まで行くと、暗くてまだ見えないのだけど、黒くてもやもやしたものが見える気がする。


なんだろうか、もう少し進んでみるとちょうど夜明けなのか明かりが出てきてぼんやり見えた


そして町がちゃんと見えるところまで来て足を止める



朝日が出て、ちゃんと見えるようになった町は外壁は壊れていて蜘蛛モンスターがはびこっていた。


外壁と言ってもそんな大きいとは言えないけど、簡単には壊れないような壁だったはずなのに


「し…シュリ…?」


「アインさん逃げましょう」


「え…?」


意識が朦朧としてるのか、目が悪くなってるのかよくわからないけど、町の状況をよく認識できてないようだ


「町の中は危険になりました…だから別のところに行きましょう」


「そう…か…」


ちゃんと話しを聞いてるのかわからないけど、ゆっくり進み始めてくれた。



しかし逃げるにしてもどこへ?



唯一安全と思っていた町の中はもうモンスターの住処になっている有様


遠目から見てもそこそこに大きな蜘蛛がわらわらと…




偶然…どうすればいいか迷って離れようと思ったとき、町の建物の窓から這って逃げようとしてる人が見えた


物音を立てたのか、それとも元々知っていたのかは知らないけど蜘蛛たちがすぐに集まり糸で絡められどこかへ運ばれるのが見えた




アインさんは眠ったのか、寝息を立てている、それを引きずる形で連れて行くけど起きる気配はない


あの状況はなんだったのか?と考えながら向かう先は南東の石碑のところ


とりあえず、見たくはないけど死んだプレイヤーの数を確認しなければと思ったのと、ほかに行くところがないから



蜘蛛モンスター…私が見たことないモンスターでほとんどのプレイヤーが立ち向かえないほどに強い?


私が知ってることだとすればダンジョンが見つかったことくらいしかわからない、もしかしたらダンジョン攻略時になにかあったかも…



考えても仕方ない…か…


今更どうにかできるわけではないし



「おーい!おーーい!」


はっ!と声のする方を見てみると


石碑のところに生き残りであろう人たちが、結構な人数集まっていた。





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