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7 装備



どうも魔王です。


あれから数匹モンスター狩りをして、アインさんと町に戻りました。


とりあえず私達は人目につかないようにしなくちゃいけない、とのことでアインさんが見た目を隠せるなにかを探そうとのこと


防御力あげるための鎧かと思ったら、顔を隠すためだったらしい


パーティ組む前に私に顔を見せてたような…



「お金はどれくらいもってるんだ?」


「3000くらいです」


「あれ?シュリってベータテスターなのか?」


「いえ、違いますよ」


もはや何も言うまいと、遠い目をしたアインさんがそこにいた。



市場はNPC売り場で色んなものが売っていて、噴水広場はプレイヤー売り場らしい


そして市場では定期的に入荷するものと、一時的に入荷するもの、つまりは掘り出し物がたまにあるらしい


質とかそういう面ではプレイヤー産の方が優秀だけど、素材が中々集まらない現状だから市場の方が今は良いとのこと


アインさんもベータテスターではないけど、友人がテスターだったらしく、情報だけはある程度知ってるようだ


「シュリはなんというか…変わってるな」


アインさんほどでは…と思うけど


「初心者なのにATKに全振りとか、それで上手くいけてるのとか」


それはまぁ、魔王ですからね

言葉にはしませんけど


「そして…さっきから無言だと…俺虚しいんだけど」


「あ、すいません考え事してました」


「あ…そうすか…」




そんなこんなで市場に着いて色々見るけど、特に何もない


そもそも衣類があまりないように感じる、あってもシャツとかそういうので、フードや顔を隠すものは特にない


「シュリ、こっちこっち」


と、アインさんが細道の方へ進んで行く


「ここも市場なんですか?」


「まぁ市場というか武具専門店かな?目立たないとこにあるんだよ」


なぜ?と思ってもゲームだからとか、わからないと返されそうなので黙ってついていく


《ろんらん武具店》

なにこれ?



「すいませーん、アインですけど」


「……」


挨拶と同時に入るけど、店員さん?らしきおじさんは無言で目を瞑っている。


え…?いいの?これ


「シュリのクラスは剣士でいいよな?」


「はい、剣士で大丈夫です」


そう聞いたアインさんは商品を見に行った。


私も見に行った方が良いのだろうけど、すごく気まずい…なんだあの店員


言うなれば歴戦の戦士という雰囲気でそこに鎮座している…


「シュリこれなんてどう…なにしてんだ?」


「いえ、あの店員さん凄いですね」


「あー、ろんろんさんのことか?」


ろんろん!?そんな可愛い名前なのか…あのおじさん…


「ろんろんさんは大体いつもあんな感じらしいから気にしないでいいよ」


「そ、そうですか」


そして、アインさんが選んだハーフコートとフード、パンツを買って店を出た



「アインさん」


「ん?」


「なんで紺色とか黒めな色を選んだんですか?」


「目立たないようにな!」


昼間の草原とか、遮蔽物がないところだと逆に怪しい気がするのだけど…



装備は防御力にあまり大差ないし、装備すれば私の身長にサイズが合うから問題は特になかった


「シュリのその髪と目って何色なんだ?」


買い物でお金が寂しいと思ってたらアインさんが私の髪を見ている


「これは紫ですよ」


そうなんだと言った後、アインさんは赤なのか青なのかわかんなかったんだよねと笑顔で


「似合ってるな!」


急に褒め始めた…これはなにかたかられる気がする…


「なにもあげませんよ?買いませんよ?」


「いや、素直にそう思ったんだよ!」


そんな風に話しながら、アインさんがどうしても確認したい場所があると町から南東に向かった



南東…そこではプレイヤーがたくさん集まっていた


泣いてる人、怒ってる人、無気力な人


みんなが悲しんでいた…


「アインさん、ここは…」


「あぁ、ここは、この場所にある石碑に死んだプレイヤーの名前が刻まれるんだ」


自分の友人がもしかしてログインして死んでないかといつも確認するようだ


できれば、私はここに来たくなかった、こんな場所知らないままが良かった


アインさんはちょっと確認してくると石碑の方へ走っていった



スライムやウサギで死ぬプレイヤーがいるのか?と聞かれれば、不注意や始まったばかりのゲームでHP管理を忘れてたり


他にも、何も知らないプレイヤーが北にいって死んだり、フィールドの奥へ行ってオオカミなどの初見モンスターに殺されたり


けど、結局は魔王が生きてるせいなんだって、私が死ねばクリアのはずなのになって思う


「シュリ!?大丈夫か!?」


「大丈夫ですよ」


「顔ちょっと青くなってるぞ…?」


考えないようにしないと、私が死ねばなんて思ってもそれがクリアなのか実際分からないのだから


「アインさん、行きましょう」


「あ、あぁ…」



町に戻って、これからどうするんですか?と聞くと、このゲーム…この世界の大陸は広くて、この今の町は大陸の端っこの方らしい


そして大陸中央にある王都に行って上級職になったり、装備を整えたり、また各地エリアの解放をしていかなければいけないそう


今はまだ最前線プレイヤーとか攻略していくよりもレベリング優先しなければとのことで、オオカミや牛を狩ろうと言われた


主に私が働くことになりそうだけど、アインさんを見るとこのままばれないでいたらいいなって


思う


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