6 秘密の共有
どうも魔王です。
秘策をついに私は見つけることができたかもしれないです。
アインさんに詳しく聞いてみると
最初のキャラ作成画面のときにすでにボーナスポイントがいくつかあり、リアルの友人とゲームをする予定だったアインさんは完璧な盾をしたいと思ってDEF…防御力にすべてつぎ込んだらしく
いざゲームスタートしてみたら友人はまだログインしておらず、そのままデスゲーム
その後、友人を探してもいないことからログインしてこないと思い、DEF振りだし死なないだろうとスライムに挑戦
もちろん死ぬことはないというか、ダメージそのものをほとんどくらわなかったらしい
けど問題は攻撃にあった
このゲームには命中率はなく、当てればとりあえずダメージになる、それにATKが0だとしても最低1はダメージになる
そう…1はダメージになる
つまり、アインさんは敵に与えれるダメージは1なのだ
スライムやウサギみたいにそもそもHPが少ない敵になら1だけでも数十発の攻撃でなんとかなったりしたのだけど、今回みたいなオオカミなどは数百発くらわせないと倒せないHPを有している。
今のアインさんは武器の攻撃力で1〜5ダメージ与えれるからさっきみたいに倒すことができなくはないらしい
とにかく時間がかかりすぎるため、ウサギ狩りの適正じゃないレベルになっても大人しくウサギ狩りをしてたところ、私が1人で歩いてるからパーティを誘おうと思って追いかけてここまで来たとのこと
ちょっと先輩顔して、良いところを見せようとも考えてたらしいけど見事不発に終わってしまったようだ。
そしてここまで聞いて私が考えたのが、私もステ振りを全部攻撃、ATKに振ったと言えば少しはごまかせれるんじゃないのだろうか
もちろん私以外に全振りしてる人がいる可能性も捨てきれないからアインさんに黙秘してもらわないといけないのだけど
秘密の共有というやつである、わたしは嘘ついてるけど
けど、ここでも謎が出てきた…
わたしはキャラ作成…髪色と目しか変えてないけど、そのときステ振りの設定画面に覚えがなかったりする。
みおとしの可能性もあるかもしれないけど、それにしたって、ポイント振りしてなければキャラ作成が完了しないはずだし、もしくは警告表示くらいしてもおかしくないはずだ
いくらデスゲームという理不尽や序盤の敵経験値が同じくらいという理不尽があるとはいえ…いや、絶対にないとは言えないけど
そもそも見落とさないような内容なのに覚えがないのは
「おい?シュリ?」
また考え込んでしまった…
「やっぱり全振りしてるやつは駄目かな?」
「いえ…少し別のことを考えてました」
それにしても、魔王ってだけでこんなに苦労するなんて思わなかった
これなら魔王城からスタートしてすぐ隠居したかったと思う。
「アインさん、秘密守れますか?」
「え!?秘密…?」
「そう、これは誰にも話したらいけない秘密です、守れますか?」
ちゃんと念を押しておく…とは言っても嘘をついてるボロを出さないようにもというのもあるけど
「その…俺もさ、全振りのことは秘密にして欲しいと思ってる、だから俺のことを他に話さないなら俺もシュリの秘密守りたいと思う!」
私も人のこと言えるわけじゃないけど、なんで全振りくらいで秘密にする必要があるんだろうと思ってしまう。
「はい、守ってもらわないと困ります」
「お、おう!」
何だろう…本当はどう思ってるのか知らないけど少しワクワクしてるような気がする
本当にこの人で大丈夫なのだろうかと迷ってしまうのでもう少し真面目にしてほしい
「私はATKに全振りしてます」
「な…」
「な?」
「仲間じゃねええかああ!!」
桜も季節外れなのに満開しそうな勢いで喜び満ち溢れていた。
もちろん桜なんてものはないけど、一瞬アインさんのバックに咲いたような幻覚が見えた気がした
「なんだよー!もっと早く言ってくれればよかったじゃねえか!なるほどな!だから俺のステ振りにすぐ気付いたのか!なるほどなるほどな!」
凄いマシンガントークが始まってしまった
こんな喜ばれると罪悪感が少し出てしまうけど、似たようなものだし魔王でも許してくれるかも…
「俺らならあっという間に魔王倒せるかもしれねえな!最強の組み合わせだぜ!」
え?私を倒したいの?
「すげえ出会いだよな!」
嬉しいのは分かったから少し自重してほしい
「あの…アインさん?そろそろ落ち着いてください」
「うぇ!あ、あぁ、そうだな、ごめんよ」
色々不安もあったけど、あっさり信じてくれたので結果オーライである
とりあえずこんなところで話もなんだから町に戻りたいと言うと
「せっかくだからパーティ組んでレベリングしようぜ!」
その…断りづらいよね…笑顔で言われると
何か言う前にパーティ申請きたので、少しくらいならいいかなと思って組んでみた
オオカミは動きが早くて私が危険だから、まだ遅い牛を狩ろうということになって一匹でいる牛を見つけた。
まぁ、危険なんてないのだけど
「よし!俺が前にでるからシュリはうしろに『ズバン』いてく…れ…?」
やっぱりここのフィールドが特別強いとかではなく、アインさんが弱いようだ
いつも通り牛が粉砕した。
「えぇ…」
なんだかアインさんが困った顔でキョトンとしてるけど、どうしたのだろう?
「俺いらねぇ…」
そんな風にボソッと聞こえたけど、気のせいだろう