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4 トレード

どうも…気分さいあくな魔王です


森の中をさまよって、粘液をかぶって、ひたすらにさまよってようやく朝に近づいたのか明るみが木の葉から見え始めました


ゲームでなかったら今頃粘液で溺れ死んでそうなくらいかぶったから慣れた…というわけもなくやはりつらかったり


でも、慣れたとはいかなくてもカタツムリとナメクジくらいなら見つけて即座に斬りかかるくらいにはなれました


なってしまいましたというべきなのか…


昨日の夜みかけた人はあれ以来見かけてないですが、たき火でのんびりしてるくらいです、きっとあの人も迷ったのでしょう


さすがに私があのまま登場したら不審人物確定というレッテルがはられそうなので行かなかったけど…


色々虫たちと、たわむれたおかげか少しスッキリした気持ちになってみたら、案外私が神経質になりすぎていただけなのではと思ってきた


もしかしたら私が魔王だよー!と言っても笑って許してくれたりするんじゃないだろうか…うん、それはないね、自分の命かかってるのにそれはない



そんなこんなで町をようやく見つけれた


今の時間は大体お昼ごろ、心なしかお腹が空いた気分になるけど、昨日何も食べず不眠なのに体はすいすい動く


普通のVRMMOなら、リアルの体が睡眠を欲したら自動ログアウトするのだけどそれもしないということは、ちゃんとログアウト不能のデスゲームだということが少しだけ実感する


デスゲーム…魔王の私が死ねばみんなクリアなんて思うとそこの実感は沸かない


みんなもプレイヤーがラスボスなんて思わないだろうけど、それも時間の問題かもしれないし今こうやって町を闊歩するのもできなくなるかもしれない


だめだ…どうしてもネガティヴになる


ゲーム製作者なのか、デスゲームを行った人物は相当タチが悪い


町の真ん中、噴水広場では露店なんかあったりして少しだけ賑わっていた


露店を出すように私もお店を出して経営すれば収入も安定したり、周りから疑われるようなことはないんじゃないだろうか…!


そうおもってた時期も私にはありました



「すいません、粘液っていくらくらいで売れますか?」


「粘液?西の?いらないいらない、あんなの買う人いないと思うよ」


ナイフや短剣など売りに出してる人に聞いてみるとゴミ扱いされた


「すいません、粘液って」

「え?粘液?そんなのもってても意味ないから捨てておきな」


鎧など売ってた防具屋らしき人にも

「ね…なんだって?ん??聞こえないなぁ!」


「なに?粘液使って武器でも作れって言うの?お客さんそれは無理でしょう」


「もってても仕方ないから捨てな、おっと!うちの周りには捨てないでくれよ」


広場で物を売ってる人達ほぼ全員に声かけても全然買い取ってもらえなかった


というかなんの素材なの!?これ!?


確かに粘液なんて素材として成り立つのか分からないけど、そこはゲームなんだから使い道とかあっても良いのでは無いの!?


広場の人たちはそんなに見てこないけど、露店売りの人達から粘液の人なんてイメージでちらほら見てくる人がいる


それはまぁ、いらない扱いされてもそれでも売ろうと声かけてたけども…


NPCショップに素直に向かおうと思ってたら


「あの、粘液売ってもらえませんか?」


その時私はきっとすごい笑顔だったのだろう、若干その人が引いてた


「買ってくれるんですね!ありがとうございます!」


「は、はい!」


なんだか気弱そうな男の人だった、目とか髪で隠れてて私よりは身長が少し上くらいの杖を背負った人


「いくらで買っていただけますか?」


「え、えとその前に何個くらいあるか聞いてもいいですか?」


戸数を聞くってことはそんなにいるのだろうか?


売れるだろうと信じてたからそこそこ持ってるとは思うけど、一個投げちゃったけど


確認してみると131個の粘液がある…ほぼ1日いたとはいえこれだけ集まるってことは1個1匹で132回粘液を浴びた計算に…う…気分が…


「えと…大丈夫ですか?」


「大丈夫、大丈夫です、そうですね粘液の数は今131個ありますよ」


「ええええ!?」


ちょっと声が大きいから!露店の人に聞こえたらどうするの!?ゴミを131個持ってるって言われちゃうじゃない!


「あの…すいません」


なぜ謝る!?やっぱりいらないのか!?と不安になったけど、どうやら現在の所持金では買えないらしい


「この粘液いくらくらいで買うつもりだったんですか?」


「そうですね…相場とかが決まってるわけじゃないんですけど、西の森のナメクジのドロップですよね?」


カタツムリからも取れます、と言いたいけど、話は最後まで聞こうと思う


「西の方は人気が無くて、そこのドロップ品が今不足してるんですよ、だから最低1個50Gくらいで買おうと思ってたんですが」


えーと、131個あるから…6550G!?

あんなゴミ扱いされてたのに…


「これって…ゴミなんじゃないんですか?」


「それは…あまり詳しく言えないんですけど、僕には必要なアイテムなんです」


実はこの人も魔王の一人で、町の中を粘液だらけにするという計画を…


冗談は置いといて、確かにあまり人に話せないようなこともあるだろうし(魔王とか)聞かないでおこう


「あの、とりあえず今の所持金の半分くらいをもらって、後からお金を返してもらうみたいなことにしてもらったりできますか?」


「え!?いいんですか!?けど今そんなに持ってないですよ…?」


現在500くらいしかお金を持ってない私からしたら捨てるしかなかったアイテムを買ってくれるんだからありがたいものだ


さいあくこの人が返してくれなくても、NPC売りよりはきっとマシな値段のはず


そもそもNPCが買い取ってくれるかも不安だし


「大丈夫ですよ!トレードってどうするか教えてもらっていいですか?」


「はい!あの!ありがとうございます!」


お礼を言った後あたふたしながら、メニューを操作しはじめた、私からは彼のメニューが、見えないけど何回も、あっ、とか、わわっ、とか言って操作間違いをしてるんだと思う


しばらくすると私の前にトレードを求められていますとログが出てきた


「あの、なにか表示出ましたか?」


「出ました!これをはいを押せばいいんですね?」


「そうです!」


そのあとトレード欄とアイテム欄とか出てきて、粘液全部そこに入れたら、向こうもお金を…2500G!?


「こんなにいいんですか!?」


私が驚くたびに若干ビクッとなってるから、ちょっと私も落ち着こうと思う


大丈夫ですよ、て微笑まれたけど、口元しかみえないから本当に微笑んでるかいまいち分からない


とりあえず完了を押してトレードが終わり、私のアイテム欄のお金を見るとちゃんとトレード完了できたみたい


「それじゃあ、残りのお金を返す時に連絡とりたいからフレンド登録してもいいですか?」


ごめんなさい無理です…と言いたい


まて、慌てるんじゃない!私!

冷静に対処しなければ今後もこういうことがあるかもしれないんだから


「えと、フレンド登録したら相手にどういう風に表示されるんですか…?」


「え?名前くらいですけど、あ!公式の書かれてたやつと違って相手の場所とかレベルは表示されないみたいですよ」


公式設定のままだと私はゲームオーバーだったのか


けど、名前だけなら大丈夫かな…?


「フレンド登録大丈夫ですよ、お願いします」


「はい、ありがとうございます!」


そう言ってさっきのトレードみたいにログが出てきてフレンドになりますかという問いにはいを押す


メニューのフレンドを押してみると《リーフ》と表示されてる


そういえば自己紹介してなかったなって今気付いたりした


自己紹介…自己…あれ?私名前登録なんてしたっけ?キャラメイクくらいしかしてなかった気がする、メイクといえるか分からないほど適当だけど


「シュリ?さんと言うんですね!」


思いきり本名を言われてしまった


「えと…リーフさん?私の名前なんて書いてありますか?」


「カタカナでシュリって書いてありますよ?」


漢字までは書かれてないようだけど、なぜ私の本名?


「えと…」


おっと!リーフさんが困ってるので考えるのは後にするとして、とりあえずこれで連絡取り合えるのかな?


聞いてみると、フレンド機能は残っていてメッセージ機能は使えるみたい


ためしに送ってもらったりとやり方を教えてもらった


「シュリさん、そろそろ僕行きますけど、もう大丈夫ですか?」


「大丈夫です!お金もあるので、これで宿にも困らないですし」


そう言うと苦笑いしてたけど、とりあえず私の初めての商談が済んだ


最初は絶望してたけど、世の中捨てたものじゃない、粘液ごめんね汚いと思って、貴方は私の懐に収まる財宝になったよ


色々分からないことが増えたけど、それととりあえず今は後回しかな…宿探さないと




度々作者です失礼いたします。


まずは、度重なるブックマーク及び評価、感想などの、感謝をこの場を借りましてありがとうございます。


今回話が長すぎたなど思うところもありますし会話パートの不安は募りますが


読みづらいなどありましたら良かったら言ってくださればありがたいです。


それでは読んでくださる皆様方、ありがとうございます。

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