14 町奪還③
大体町の中にいた蜘蛛は片付いたんじゃないだろうか
町の中を何周も周ってるうちに蜘蛛も現れることも無くなった。
結局3日かかってしまい途中ライダーさんが仮眠してるときに蜘蛛におそわれるなどあったけど問題なく倒したりとして、これで町を取り戻せたと思う
「シュリちゃんすげえな…」
一睡もせず、モンスターをずっと狩り続けるうえ蜘蛛の体液被りっぱなしですげえよと褒めてくれた
ライダーさんも虫は好きじゃないのか、急に後ろから現れた蜘蛛などにビックリしてたこともあったけど、それは遠回しに汚いんじゃないの?と言ってるようでちょっと複雑である
「とりあえず、石碑の人達に報告してダンジョン行ってみますか?」
「そうだな…とはいえ本当にそろそろ休んどきな?まだ安全とは言えないけど壊れてない宿みたいなところとかで休んどったほうがいいぜ?」
モンスターの攻撃力とかを考えると、大軍に囲まれても自己再生して生き残りそうな私にはどこでも安全な気がする、いやけど蜘蛛には囲まれたくはないかな
お言葉に甘えますと、比較的中央から近い宿…というよりは誰かの家に入って休むことにして、ライダーさんはみんなに伝えに行った
ずっと蜘蛛ばかり見ていたせいか、蜘蛛が見当たらないと不意打ちを、狙ってきて後ろにいるのでは?とか不安になるけど
本当にようやく…倒しきったんだとこの家のベッドをお借りして寝転ばせてもらう
眠くなるとかそういうのはないんだけど、ただ疲れて動きたくない
けど、こうやって本格的に休むことになったらお風呂とか入りたいなって凄く思う
特に必要なくても、心の問題は大切だと実感する
そして…眠気がないのは案外寂しいんだなと感じる…
ぼーっと過ごしてたら、ノックの音が聞こえたので外に出ると抱きしめたれた
「シュリ!なんでこんなことしたんだ!」
とても久しぶりにアインさんが現れた…
「生きていたんですね」
「勝手に殺すな!」
どうやら無事なようで、ラマーさんの言う通り眠気が襲っていただけとのこと
さすがにフィールドで寝るわけにはいかないと我慢してたけど途中町に着く前には意識がほとんど寝ていたから町のことを聞いたときは相当驚いたそうだ
それだけではなく、私が町に1人で向かったと聞いてさらに驚き一緒に行こうとしたけど、アインさんが目覚めた時には私とライダーさんが助けた人達もいたので説得され渋々待っていたらしい
「最初シュリが町に行ったって聞いたときは自殺しに行くのかと思ったけど無事で安心したよ」
みんな私を自殺と思ってる気がする
そんなに無謀だっただろうか?いや…まぁプレイヤーが向かえば一人二人は死ぬくらいには敵が多かったし仕方ないのかもしれないけど
そして、朗報があって
レベリングや町から逃げた生き残りが合流したそうで、多くはないけどみんなの笑顔を少し取り戻したとか
なにはともあれ、これで少しは元の状態に戻れたんじゃないだろうかとおもう
町の中央ではみんなが壊れたものをどかしたりして、仮住まいできるくらいには整備作業を進めようとしている
そこで苦労性のラマーさんがあれこれとみんなに言ってたけど、忙しいだろうし声はかけないでおこ…うと思ったら向こうが気付いてこちらに声をかけてきた
「今回大活躍だったな」
「私だけの力じゃないですから」
「ライダーのことか?シュリがいなかったら無理だったことだからもっと誇っていいんだぜ?」
それならと、腕を腰に当てて胸を張ってみたら子供の背伸びと馬鹿にされた
「本当にありがとな…あと自殺とか疑って悪かった、本当にすまない」
それなら子供の背伸びと思ったことを謝ってくれればと思うけど、どうせそんなに気にしてないしと大丈夫ですと言って、ラマーさんは作業に戻っていった
なんだかんだ、ああやって人に色々言って励ましたり指示したりとするほうが大変なんじゃないのかなと思うのだけど、適材適所的な感じなのかもしれない
私には無理と諦めておく
復興しているのを眺めていると「なにさぼってんの!」と大きな声にビックリした
「あ、貴方…」
そこにはアン…アン…アンなんとかさんがいた
「今回1人で町取り戻すとか突っ込んでいったそうね!けどそういうのって無謀って分かってたんじゃないの?明らかに1人で手に負えるような内容じゃないのに馬鹿にも突っ込むとか馬鹿なんじゃないの!?」
「は、はぁ…?」
凄い早口で罵倒…?されてるのだろうか
「ま、まあ!それでもやり遂げたの凄いって思う…ありがとうね」
「どういたしまして?」
「けどこういう無茶はもうしないようにしないと死んでもしらないわよ!」
なんというか忙しい人なのか、顔が百面相とでも言うのか、いろんな表情と声色を変える人なんだなって思う
「心配?してくれてありがとうございます…アン…ジェさん?」
「アンナよ!誰よアンジェって!」
怒ったのか、名前を名乗った後どっかへ行ってしまった
いや…私は悪くないはず…だって正式に自己紹介されてなかったし…
結構名前惜しかったなって自分では思うんだけどな…
「なんだあのツンデレちゃん?はしりあいなのか?」
ライダーさんがこちらに向けて果物?丸い果実を渡してきた
「ありがとうございます…さっきの人は知り合いというか知人…?」
そう言うとあははと「あんな奴いるんだな」と笑い始めた…今回は胡散臭さがあまりないように感じたので本当に笑ってるのかもしれない
「シュリちゃん、休んだばっかのところ悪いがダンジョンいけるか?」
ライダーさんの話では、せっかくみんながやる気を出してる時にモンスターに襲われたくない、この状況が安全だとみんなに早く知らせたいと様子見だけでもしておきたいらしく
戦えるメンバー…アインさんもいるのだけど、とにかくそれらを集って行くとのこと
ラマーさんやアンナさんなど、念のため四分の一ほど戦闘できる人は町に残してるから、雑魚が来ても大丈夫だと、言っていた
「シュリちゃんが一番大変だから、シュリちゃんが無理なら無理って言っていいからな?」
「大丈夫ですよ」
「まぁ…即答すると薄々思ってたわ」
どんな風に思われてるのかはきになるところではあるけど、私も早くみんなの安全を確保したい
「じゃあちょっくら集めてくるわ」
そう言って走って行く
フレンド機能使えばいいのにと思ったけど、もしかしたらフレンド以外も集めるのかもしれないし、何も言わないほうがいいかな
その後、相当数集まった人達と一緒に西の森へ向かった。
は、いいのだけど、やっぱり町の中の巨大蜘蛛がボスだったのか、ダンジョン内部は特に複雑でもなく一本道で最後に大広間があったけど、何もいなかった
「ボスがいねえじゃねえか!」とみんなが慌て始めるから、思わず私も慌ててしまって
「ボス倒しちゃったかもしれないです!」
口走ってしまって大人しく事情を話すと、ライダーさんとアインさんから先に言えと怒られた
他の人は私に対して助けてもらった恩があるからなのか特に何も言ってこなかった
いや…もしくは2人から結構怒られたから言わなかったのか
とにかく、巨大蜘蛛がボスなのか確証なかったなど言ったら、腑に落ちない感じに納得されて危機脱出できた。
後書き失礼します作者です!
この度町奪還読んでいただきありがとうございます。
今回苦労した人との会話…会話…戦闘…戦闘…
読みにくかったら大変申し訳ございませんでした!が、がががんばります!