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13 町奪還②



ボス蜘蛛から生まれた赤蜘蛛は言うまでもないのだけど一撃で倒すことができて、案外簡単に殲滅できたんじゃないのかな?



とりあえず中央の繭を確認しなければいけないのだけど、まず触りたくないと思ってしまう…我慢しなければいけないのだけどね…


手頃な繭を見つけて、剣でこじあけようと思ったけど私の力で中身が死ぬ可能性あるかもと手で開けることにする


上手く剥がすことができずに時間をかけてしまったけど、中身を取り出すことに成功した


誰かは知らないけど、胸が上下に動いていて呼吸をしてるのが分かる


たまに蜘蛛が迫ってくるからこの人を放置することはできないけど、蜘蛛も大分数を減らしたからこれくらいなら守りながらでもなんとかなると思う…多分


またボスとか変なのがいないとも限らないからなんとも言えないし、それに守れるといっても少人数だけだと思う


ここにある繭の数はまだ結構残っているから全部を一度に助けることはさすがにできそうにない


それでもできる限り救出しようと思ったら


「ん、んん?」


寝苦しそうな声をあげて、助けた人が目を開け始めた


「これは…どうなってんのかな…」


「寝ぼけてるんですか?」


んーと考え始めてくれるのはいいけど、まだ安全じゃないのだから早くしてほしいものだ


「あー、あれだ!」


なにか閃いたのか手をポンとやって笑顔で腰から短剣をいくつか取り出し蜘蛛に向かって投げ始めた


「命を救ってもらったってことかな?」


私に言ってるの…かな?短剣は外れることなく蜘蛛の体にささっていき、迫ってきていた蜘蛛が消え去っていく


「起きてくれて助かりますけど、まだモンスターだらけなんで救ってないですよ」


「大丈夫大丈夫、どうせ雑魚しか残ってないんでしょ?」


その雑魚に捕まってたんじゃないのだろうかこの人は…


笑顔は笑顔だけど胡散臭い笑顔してる人だと思う


しかしこの人の投擲攻撃が強いのか蜘蛛を結構簡単に倒していく、やっぱり蜘蛛はそんな強くなくて数だけ多かったということなのだろうか


「それで…嬢ちゃん一人できてくれたのかい?」


「はい、一人で来ましたよ」


へー、と言って私が説明するより先に繭のところに行って中身を取り出していってる


「貴方みたいに強い人でも蜘蛛に捕まるものなんですね」


「ん?あー、まだ会ってないのかな?蜘蛛の中に白い奴がいるんだけどね、そいつに攻撃されると一定確率で麻痺されちゃうのよ」


ごめんなさい、山のように会ってきました


「そうだったんですか…」


「まぁ、それだけじゃあないんだけどね、今はここのやつら救出しときましょ?」


それに頷いて、私も繭を開けようとしたら胡散臭い人が繭苦手なら蜘蛛を近づけないようにしといてと言ってくれた


その申し出はありがたいのだけど、繭に手を突っ込むか、蜘蛛の体液浴びるかの2択しかないからか素直に喜べない



蜘蛛を一撃で倒すのを見て、口笛を吹き始めてる胡散臭い人だけど、さすがに途中から飽きたのか黙々と繭から人を出している


繭から出てくる人は、胡散臭い人みたいにすぐに起き上がる人もいれば、ずっと眠ったままの人もいて、さすがにこの状況をすぐに理解するなんて人は早々いなかった


となれば、胡散臭さがどんどん増していく人だなと思う



「嬢ちゃん、とりあえずここら辺のは全部助けたと思うけど…これからどうすんのかな?」


「私はまだモンスター倒さないといけないから皆さんは南東の石碑に行ってくれますか?そこに生き残りがいるので」


そう言うと、んーと腕を組んだりしながら胡散臭い人が急にフレンド申請してきた


一応承認して、胡散くさ…ライダーさんは笑顔を見せてくる


「一人より二人の方がよくない?手伝うよ」


「じゃあ手分けして…「安全優先して一緒がいいんじゃないのかな?」


個人的にどうも苦手な雰囲気がある…なんというか怖いと感じてしまう


「みんなは俺ら無しでも石碑んとこいけるよな?」


ライダーさんが私と自分を指差しながらみんなに問いかけると大半は頷いている


「というわけでシュリちゃん一緒にいこ?」


「は、はぁ…」


一応南のところにみんなは向かうから、そこは私が大体倒したと思うから大丈夫だと思う


私とライダーさんは中央から東に向かってそこから反時計周りで掃討していくという段取りになった


蜘蛛は近くにいれば私が倒すし、壁や遠くにいるときはライダーさんが投擲して倒していく


途中、なんでそんなに投擲してるのに弾切れにならないんですか?と疑問に思って聞いてみると


「なんでシュリちゃんは敵を爆発させとんの?」


と、答えれないことを聞かれたから、ライダーさんにとっても聞かれたくないことなのかな?とこれ以上は詮索しなかった



殲滅スピードが別段早くなったとかそういうのはないけど、モンスター全員を倒さないとではなく、自分の倒せるところを倒さないとってなって気持ち的に少し楽になった気がする





「シュリちゃんはダンジョン攻略のときいなかったよね?」


「はい…?」


途中、東から北に向かう道中にライダーさんが聞いてきた


「なんでそんな強いのに攻略のときいなかったのか、聞いてもいいかな?」


「えと…」


言い訳が思いつかない…魔王を隠したかったのもあるし、西の森が単純に嫌なのもあるし…


「いやな、別に責めたいわけじゃないんよね、俺ら助けに来てくれたっていうのもあるし、ただ逃げ回ってる奴らよりもずっと勇気ある行動だと思う…」


私が参加してれば死なずにいたプレイヤーもいたかもしれない、そういいたいのかもしれない、ただそれは強制できることではないとも思っているのか、それ以上は言葉が続いてなかった


死なずにいたプレイヤーがいたかもなんて、下手をすれば死ぬプレイヤーが増えていたかもしれないに変わるのだから、ただ、すこしでも人数がいれば死ぬ確率は低くなるはずとは思う


「ライダーさんはダンジョン攻略のときにいた人なんですか?」


「おう、参加してダンジョン潜ってたはずなのに町の中にいたけどな」


あまり聞くべきじゃないかもと思ったけど、聞いておいたほうがいいと思って、ライダーさんにダンジョンのこととか色々聞いてみた



最初はこの町の中にうようよいる黒い蜘蛛がたくさんいて、まぁ順調だったそうだ


けど、途中に白と黒のまだら模様の蜘蛛が現れ始めた時に麻痺する人が出てきて、白蜘蛛のときにはほとんどが麻痺してたらしい


そこでとりあえず、麻痺の回復を待っていたんだけど、途中急激に眠気が襲ってきて

なんとかしようとは思ったけど抗えず眠ってしまって気づいたら町の中私に助けてもらってたと


攻略メンバーはボスにたどり着く前にリタイアしてしまったなんて笑いながら話してくれるけど、悔しいのか手を強く握ってる



そして、ライダーさんの予想らしいけど、今町の中にいる蜘蛛はまだ全部ではなく、西の森ダンジョン内部にボスがいるはず…と言っている


そう言えば、さすがにボスを単独撃破したっていうのは説明してなかった…


け、けどもしかしたらあれがボスとは限らないし!と淡い希望を持ちつつ、私はライダーさんと蜘蛛退治に勤しむ





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