原因。
突然の豪雨により男女2人は、近くにあったお寺で、雨宿りをすることにした。
中々止まない雨に飽き飽きしている女性は、木の面影から感じる視線をじっと見ていた。
「亀井くんあれ、なんだと思う?」
「あれですか?」
木の根元にあるとしてら大きな石のだろか?いや石ではない。
では、何か動物なのだろうか?いや違う。
あれは、人の生首だ。
「あれは、生首?」
「うん。生首だね」
「ですね…」
二人は、少しだけ考えて顔を見合わせて
「きゃー!何であんなところに生首があるの!?警察!おまわりさーん」
「落ち着いて下さい!宇佐見さん!なんだからの理由があって、あるんですから!」
「なんの理由!?」
え?バラバラ事件の生首?がここにあるの?宇佐見は、あたふたしていると後ろから何か聞こえる。
ーッギギギと何かで引っ掻いている音。亀井が振り向くとなにも居ない。
『ー…ヤル…』
そして、何かを訴えるように微かに聞こえる声を耳を傾け二人は、首を傾げながら後ろを見る。
『…ノロッテヤル…』
「…呪ってやる?」
呪ってやる。これは、冗談ではない。気がする。後ろに何かいる。
ースッスッス
何か近づいてくる。
「はぁーはぁ…はぁーはぁ…」
「亀井くん、息荒い」
ーッスッスッス
真後ろに何かいる。宇佐見と亀井は、ゆっくりと振り向くと、首から上がない女性の服を着た女性の幽霊が立っていた。
『ノロッテヤル』
声がする方を見るとあの生首がにっこり微笑みながらこっちを見ている。
「きゃああああ!」
「うわああああ!」
動けなくなった二人を見てゆっくり座り込み亀井の肩を掴む。
『ユルサナイ』
『ノロッテヤル』
『コロシテヤル』
耳で聞こえると言うよりも頭から直接語られるような感じだ。怖い、動けない。しかし幽霊は、両手を持ち亀井を引きずり込む。
「亀井くんを離しなさい!」
宇佐見は、亀井の足をつかみこれを止めた瞬間立ち止まりこっちを見て、亀井の手を離し宇佐見のところへくる。
「え?ちょ!ちょっと待ちなさいよ!来ないで!くるな!」
ーッスッスッス
今度は、宇佐見が動けない。金縛りだ。ゆっくり手を差忍ばしと肩から上へ上へ手が止まったのは、首。幽霊は、宇佐見の首を絞め始める。
「っう…っぐ…!」
「宇佐見さん!」
亀井は、持っていた鞄から長い数珠を取りだし幽霊に巻き付け引っ張り混んだ。
「今です!」
「ゲホ…う、うん…」
宇佐見は、ふらつきながら前を見る。数珠の力で大人しくなった幽霊。ふと何だかの鎖に繋がっていること二期が付いたリコは、首を傾げながらたちがり体制を整え、幽霊をミラ見つける。
『ノロッテヤル』
「呪われる前に送ってやるだから!」
そう言って御札を取り出した瞬間、鎖が引っ張り幽霊は、床へと消えていった。
「床に消えた?」
一ヶ所壊れた床がある。リコは、少しだけ考えて隙間に囲うように御札を張った。
「よし、これで大丈夫」
「ではないですよ」
「この御札が剥がれないかぎり幽霊は、出ないから大丈夫」
そう言って、雨が止んだからと二人は、その場を後にした。