学校帰り
頭がおかしくなるほどセミが賑わう暑い真夏の真っ昼間に突然の豪雨。
俺は、傘を忘れたからと学校の帰り道の近くにある寺で雨宿りをすることにした。
「これで、少しは涼しくなるだろうな」
恵みの雨と言うのは、これだ。
にしても此処は、なんだ?雨のせいかなのか?
なんだか寒い?いや気のせいだ。
ーッギィ
「!!!なんだ?誰かいるのか?」
振り向くと其処には、誰もいない床の間に取れかけた御札。
おっとこれは、ホラーによくある出会いだ。あの御札を取ればヤバイ奴が出る系か?
「早く止まねぇーかな?」
単なる通り雨だ。直ぐに止む。いや、小雨でも良いから此処からさっさと立ち去りたい。
そしてまた“ッギギギ”と言う不気味な音がきこえるし。なんと言ってもあの御札。まるで呪われた部屋みたいだな。悪霊。封じ込めている、部屋と言ってもあれは地下室だな。寺にしては、珍しい
うん。これは、ホラー的な話でよく聞くキーワードだ。不気味だけどなんだか気になる。
「すいか食いてぇー…」
少し耳障りの音が聞こえるけど気にしなければ、何とかなる。筈だ。そして、二度と振り向かない。
ーッギギギ
ーッギギギギギギ
ーッギギギギギギギギギギギギ
音は、次第に激しさをましその上1つの音は、2つとなり、2つの音は、3つにと複数の音が混じりあって、からなっている。
正直うるさい。
「うるせ!」
やば、我慢が限界きたから言ってしまった。どうしよう。
でもあれ?静かになった?
ーガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタ
違った!めちゃくちゃ怒ってる!幽霊さん!ごめんなさい!だから扉を上下に動かさないで!御札がとれる!
『…ーケテ…アケテ』
「何か聞こえ」
『ノロッテヤル』
なんかヤバイ。逃げないと。殺されてしまう。けど、でも、そう思っていても足が動かない。
ーッスッスッスッス
何かが近づいている?え?ちょっと待って。幽霊さんじゃないよね?御札が破れてないよね?
「はぁーはぁ…はぁーはぁ…」
息が上がる。ジリジリと伝わる背中に感じる何かは、正確に確実に
俺の真後ろに何かいる。
「はぁーはぁ…はぁーはぁ」
俺は、ゆっくりと振り向くと
首から上がない女性の服を着た奴が立っていた。
「うわああぁあぁあああぁぁぁぁ!」
やっと動けた体で、死ぬ気で走った。走って走って走って走った。殺される。死にたくない。まだ生きたい。
「はぁーはぁーはぁー何なんだよ!?顔がなかったぞ!」
そして、何故か笑い声も笑顔で見ていた気がした?え?ちょっと待って、顔がないのに?
『ドコニムカッテルノ?』
何処のから声がするんだ?あれ?何時から手に何を持っているんだ?なにこれ?
『ドコニムカッテルノ?』
「はぁーはぁ…はぁーはぁ」
これって頭?え?顔?人形だよな?そうだ、これは、人形だ。
『ウフフフフフフフフ』
「うわああ!」
目だけ俺を見て、笑っているのを見て俺は、思わず頭を投げてしまった。
『ノロッテヤル』
呪わないで!お願い!頭を投げた事と暴言を言った事とは、謝るから許してよ!
「誰か助けてくれ」
*+*+*+
「と言う夢を見たんだ」
「なにそれ笑える」
と言う夢どうかは、解らない。何故なら俺は、目を覚ますと病院のベッドのに寝ていたのだ。
どうやら、俺は、道のど真ん中で、倒れていたのを通すがりの人が見つけて救急車を呼んだと言うわけだ。
俺は、死にかけていたが、奇跡的に助かったが、病名も原因も不明だ。
「にしてもリアルな夢だね」
「ああ」
そして、もしこれが本当なら俺が、助かったのは、多分、きっと、ポケットにあったお守りのお蔭だろう。
「お見舞いありがとう」
「うん。じゃあバイバイ」
ノロッテヤル