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72区  恐るべしメイド服

挿絵(By みてみん)

県高校駅伝2位と言う成績に学校は大騒ぎだった。


最終的な結果は、城華大付属と17秒差。

ちなみに私以外の区間賞はすべて城華大付属が獲得した。


さすが県内最強だ。


桂水高校は一応文武両道を校訓にしているものの、実際は運動関係があまりかんばしくない。


男子テニス部の県内ベスト16が、ここ近年一番の成績だそうだ。


個人だと、私のように県優勝も一、二回あったらしい。

でも団体で県2位は桂水高校創立以来、初めてのこと。


そんな事情もあり、毎週水曜日にある全校朝礼で、私達女子駅伝部は特別表彰式を受けた。


全員で壇上に上がり、校長先生から有り難い言葉をもらう。

壇上から全校生徒を見ると、駅伝の閉会式を思い出す。


2位になった私達は、今と同じ様に全員でステージにあがり、メダルと賞状それに盾を貰った。


あまりのことに全員がガチガチに緊張してしまい、終わったあと永野先生に大笑いされた。


その後、城華大付属のメンバーと話をする機会があった。


「来年は絶対に負けませんからね。そちらは加奈子先輩と桐原さんが抜けますけど、こちらは全員メンバーが残りますし」

笑顔で宮本さんに話す葵先輩。


「残念。すでに来年の大型新人加入が決まってるんだよね」

「それって若宮紘子のことですか?」

宮本さんの発言に、私はすかさず聞き返す。


「いや、残念ながら城華大付属は若宮紘子にフラれたんだよね。阿部監督が勧誘に行った時に『もうすでに進学先は決めてますので、お断りします』って言われたらしいよ」


正直、驚きを隠せなかった。

ナイター陸上で若宮紘子に進学先を聞いておけばよかった。


今更思っても仕方ないが。


ちなみに色々思い出していたせいで、壇上から降りる際に1人だけその場に立ちつくしており、大恥をかいてしまった。


その後はしばらく静かな日々が続いた。


「来年に向けて、まずは基礎体力を作り直そう」

永野先生の提案の元、駅伝が終わってからの練習は走り込み中心のメニューとなった。


11月の中旬、葵先輩と久美子先輩は東京へと修学旅行に出かる。


何があったのか分からないが、修学旅行中に葵先輩はメイド服に目覚めてしまったようだ。


「ほら、お土産に買ってきちゃった。晴美、これからマネージャーやる時は、これを着てやってよ」

カバンからメイド服を取り出す葵先輩。

その先輩自身もメイド服を着ているのだから、もうどうしていいか分からない。


「恐るべし、メイド喫茶」

ため息交じりに久美子先輩が言うが、何があったかは聞いてはいけない気がした。


この後、永野先生が偶然部室にやって来て、葵先輩はこっぴどく怒られていた。


差出人:澤野聖香

題名:恐るべし

本文:メイド服!!


差出人:市島瑛理

題名:どうした!!

本文:さわのん。いったい何があったの? 気を確かに!


差出人:澤野聖香

題名:何と言うかね

本文:メイドは人間を変える!


差出人:市島瑛理

題名:いやいや

本文:ますます意味が分からないから……


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